徒然なる日記

映画、音楽、本からテレビやCMを含めた広告全般の話まで。好き勝手に綴っていきまーす。

君主論

2010年10月25日 | 
先日、うちの会長と話した時に、マキャベリの話になった。
で、会長に
「え??マキャベリを読んだことないの??」
と「冗談でしょ?」みたいなノリで驚かれた。

そりゃ「君主論」というタイトルぐらいは知ってますけど・・・
読みます。はい。

というわけで、さっそく読んだ。
マキャベリというと、冷酷な人というイメージ(おそらくメディアの影響だろう)であったが、
ちょっと印象が変わった。
やはり一方を聞いて沙汰するなってことですねぇ。



気になったことをメモしてみると。。。

・壊した上でつくる。
ローマ人は、カルタゴを領有するのに、都市を徹底的に壊滅させた上で治め、奪われなかった。
スパルタは、そのままの状態で少人数による政権を作ったので失敗した。
中途半端に活かしてやろうとするとコケるんですな。
そこから鑑みるに、企業も買収した場合は、いち早く解体して、ルールなどを全て新しく作り直すか、親会社に合わせさせる必要がありそう。


・場合によっては、悪も。
人間が現実に生きているのと、人間いかに生きるべきかというのとは、かけ離れている。
だから、人間いかに生きるべきかを見て、現に人が生きている現実の姿を見逃す人間は、
自立するどころか、破滅を思い知らされるのが落ちである。
なにごとにつけても、善い行いをすると広言する人間は、良からぬ多数の人々のなかにあって、破滅せざるをえない。
したがって、良くない人間にもなれることを習い覚える必要がある。
きれいごとだけではダメってことですな。
必要に応じては、悪を利用しなければならない、と。

政権の存亡にかかわるやむを得ない場合には、ちょっとした悪は利用し、悪徳の評判など、構わず受ければいい。
よくよく考えてみれば、たとえ美徳と見えても、これをやっていくと身の破滅に通じることがあり、
他方、一見、悪徳のように見えても、それを行うことで、自らの安全と反映がもたらされる場合があるからだ。

(この辺りを誤解されているような気がする。目的のためには手段を選ばないと思い違いされているのでは)



鷹揚なリーダーは、一見よさそうに見える。
しかし、その気前よさは、少数の者に褒美を与え、大多数の者を傷つける。
リーダーがこれを修正しようとすると、途端にケチだという悪評になってしまう。

だったら、最初からケチでいい。
節約によって歳入が足り、民衆に負担をかけずに大事業を成せるし、評判も高まる。
大事業は、むしろケチなリーダーしか成し遂げていない。
ユリウス2世、ルイ12世など。
節約により、税金は軽減でき、貧乏になってもみくびられない。
カエサルは、皇帝になるまでの過程で鷹揚だったから成功した。帝位についてからも鷹揚なであれば長続きしない。


・愛されるより、恐れられる。憐れみ深さより、冷酷さ。

アルプス越えでローマ軍と戦ったことで有名なハンニバルは、その冷酷さゆえに部下から恐れられ、敬服されていた。
スキピオ(ローマ)は、傑出した人物ではあるが、その温情さゆえに、部下の統制が取れず、反乱が起きたりした。

民衆が愛するのは、かれらが勝手にそうする。
しかし、恐れられるのは、君主が意図的にそうするのだ。ただし、恨みをかってはいけない。
(この辺りの演出の仕方は、リーダーとして重要な技術ではないかと思う)


信義を守り、公正明大に生きる。良さそうだが、それを後生大事にするのは有害だ。
その性質を持っているように見せかけることが重要だ。
信義に厚いとか、人情味がある、裏表がない、けいれんだとか、そう思わせるべき。
いざという時は、これらを捨てる心構えが必要。
(清廉潔白だけでは、組織をリードできないということですな)




・・・むぅ
マキャベリは、かなり人間を現実的に捉えた人です。
だから、キリスト教が強かったこの時代(1500年ぐらい)では、発禁になったのもうなずける。

これ以外にも「戦術論」を出しているので、読んでみたい。
ただ、この本もそうだが、若干読みづらいので、多少の気合いが必要だが。。。


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