徒然なる日記

映画、音楽、本からテレビやCMを含めた広告全般の話まで。好き勝手に綴っていきまーす。

真実―新聞が警察に跪いた日

2012年05月16日 | 

真実―新聞が警察に跪いた日




これは、すごい本だった。
北海道新聞と北海道警察との関係。

昔、広告の仕事をしている頃に、道新は結構な付き合いがあったので、興味を持って買ってみました。


事の発端は、道新が特集して追いかけた、道警の裏金問題。
現場の刑事たちは、情報収集するために報奨金などの名目で情報提供者に現金を握らせる。
普通は、もらった人間が受領証にサインして申請をするのだが。
そのサインした人物が実在しないという事例が何百件と出てきて、それらがすべて裏金としてプールされていた。
で、道警幹部の飲食費や様々な経費に使われていたのだからビックリ。もちろん税金ですからね。

それを暴いた道新は、道警との関係が悪化してしまう。
なぜなら、記者は捜査員などから他社よりも先に情報をもらうことを競っているので、
持ちつ持たれつの関係であり、悪いことを書けないのだ。
なのに書いた。
警察関係者は激怒して、道新を締め出すぐらいの勢いになってしまった。

そんな最中、さらに裏金問題のチームが、別の大事件をスクープ。
暴力団の密輸を警察が泳がせ捜査(密輸をさせながら実態を捜査)に失敗して、大量の大麻などが国内に流入。
それを大々的に報じた。
道警はさすがに激怒して、今度は捏造だ!といい始めた。。。
情報元を教えろ!言えないなら捏造だ!と。
取材チームは情報元はあるのに言えるはずがない。
そうすると新聞社は取材チームを捨て、警察側にすり寄る。
捏造の可能性が高いからお詫びする(そうして関係を修復したい)という流れに。

結局、情報元は銃摘発のエキスパートと言われる現場の警部なのだが。
実は銃の摘発自体も暴力団から提供させる「やらせ」だった。。。



読めば読むほど、ドラマかい!というレベル。
これが事実なのだからビックリする。

大量の麻薬や銃の摘発なんて、みんな嘘っぱちなのかな、と。
北海道に限った話ではないんでしょう。

ただ、内部からリークした警察官も多数いたようだから、まだ救いはありそうだけど。
報道機関のチェック機能が働かない現状がよくわかった。
なんか、ため息でるわ。

江上さんの本

2011年06月28日 | 

最近読んだこの2冊がなかなかよかった。



この本は、えーちゃんではなく、安田財閥の安田善次郎の話です。
父親は元々農家でコツコツお金をためて、ようやく武士の株を買って武士になった人。
しかし、善次郎は商売人になる!と江戸に出ていく。
商売で成功するためのスタンスなんかが結構勉強になりました。




これは、いま読むのにはちょうど良かった。
フィクションとして書かれていますが、内容はみずほ銀行の内幕。
まあ愛憎劇なんかも入っていて面倒なところはありますが、メガバンクを理解するのに役立ちます。
いまちょうど、合併だ何だとよく取り上げられてますからね。
あの時、フライデーに載ったスクープの裏はこんなことだったのか、なんてことも。

アマゾンのリストに50冊ぐらい入っているので、何とか消化していきたいなー。

君主論

2010年10月25日 | 
先日、うちの会長と話した時に、マキャベリの話になった。
で、会長に
「え??マキャベリを読んだことないの??」
と「冗談でしょ?」みたいなノリで驚かれた。

そりゃ「君主論」というタイトルぐらいは知ってますけど・・・
読みます。はい。

というわけで、さっそく読んだ。
マキャベリというと、冷酷な人というイメージ(おそらくメディアの影響だろう)であったが、
ちょっと印象が変わった。
やはり一方を聞いて沙汰するなってことですねぇ。



気になったことをメモしてみると。。。

・壊した上でつくる。
ローマ人は、カルタゴを領有するのに、都市を徹底的に壊滅させた上で治め、奪われなかった。
スパルタは、そのままの状態で少人数による政権を作ったので失敗した。
中途半端に活かしてやろうとするとコケるんですな。
そこから鑑みるに、企業も買収した場合は、いち早く解体して、ルールなどを全て新しく作り直すか、親会社に合わせさせる必要がありそう。


・場合によっては、悪も。
人間が現実に生きているのと、人間いかに生きるべきかというのとは、かけ離れている。
だから、人間いかに生きるべきかを見て、現に人が生きている現実の姿を見逃す人間は、
自立するどころか、破滅を思い知らされるのが落ちである。
なにごとにつけても、善い行いをすると広言する人間は、良からぬ多数の人々のなかにあって、破滅せざるをえない。
したがって、良くない人間にもなれることを習い覚える必要がある。
きれいごとだけではダメってことですな。
必要に応じては、悪を利用しなければならない、と。

政権の存亡にかかわるやむを得ない場合には、ちょっとした悪は利用し、悪徳の評判など、構わず受ければいい。
よくよく考えてみれば、たとえ美徳と見えても、これをやっていくと身の破滅に通じることがあり、
他方、一見、悪徳のように見えても、それを行うことで、自らの安全と反映がもたらされる場合があるからだ。

(この辺りを誤解されているような気がする。目的のためには手段を選ばないと思い違いされているのでは)



鷹揚なリーダーは、一見よさそうに見える。
しかし、その気前よさは、少数の者に褒美を与え、大多数の者を傷つける。
リーダーがこれを修正しようとすると、途端にケチだという悪評になってしまう。

だったら、最初からケチでいい。
節約によって歳入が足り、民衆に負担をかけずに大事業を成せるし、評判も高まる。
大事業は、むしろケチなリーダーしか成し遂げていない。
ユリウス2世、ルイ12世など。
節約により、税金は軽減でき、貧乏になってもみくびられない。
カエサルは、皇帝になるまでの過程で鷹揚だったから成功した。帝位についてからも鷹揚なであれば長続きしない。


・愛されるより、恐れられる。憐れみ深さより、冷酷さ。

アルプス越えでローマ軍と戦ったことで有名なハンニバルは、その冷酷さゆえに部下から恐れられ、敬服されていた。
スキピオ(ローマ)は、傑出した人物ではあるが、その温情さゆえに、部下の統制が取れず、反乱が起きたりした。

民衆が愛するのは、かれらが勝手にそうする。
しかし、恐れられるのは、君主が意図的にそうするのだ。ただし、恨みをかってはいけない。
(この辺りの演出の仕方は、リーダーとして重要な技術ではないかと思う)


信義を守り、公正明大に生きる。良さそうだが、それを後生大事にするのは有害だ。
その性質を持っているように見せかけることが重要だ。
信義に厚いとか、人情味がある、裏表がない、けいれんだとか、そう思わせるべき。
いざという時は、これらを捨てる心構えが必要。
(清廉潔白だけでは、組織をリードできないということですな)




・・・むぅ
マキャベリは、かなり人間を現実的に捉えた人です。
だから、キリスト教が強かったこの時代(1500年ぐらい)では、発禁になったのもうなずける。

これ以外にも「戦術論」を出しているので、読んでみたい。
ただ、この本もそうだが、若干読みづらいので、多少の気合いが必要だが。。。

20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義

2010年09月14日 | 


これは、なかなか面白かった。

大学生をチーム分けして、1チームあたり5ドルを封筒に入れて渡す。
どれだけ悩んでもいいが、封筒を開けたら2時間いないにできるだけお金を増やせ!
という課題を与えてやらせる。
その結果、どんなことが得られるか?というところが起点。


本の内容の一部。




気になった内容としては、
・他人が捨てたアイデアは、磨けば光る原石かもしれない。
 人は、価値を完全に評価していないか、その価値を徹底的に掘り下げる時間がないために、
 アイデアを捨ててしまう場合がある。

・自分の持つスキルの幅を積極的に広げるべき。
 自分が得意なことはこれだと決めてかかると、成功の確率は低くなる。

・リスクは5種類。
 身体的リスク、社会的リスク、感情のリスク、金銭的リスク、知的リスク。

・情熱とスキルと市場が重なり合うところこそ、その人のスイートスポット。

・「生きることの達人は、仕事と遊び、労働と余暇、心と体、教育と娯楽、愛と宗教の
 区別をつけない。何をやるにせよ、その道で卓越していることを目指す。
 仕事か遊びかは、周りが決めてくれる。
 当人にとっては、常に仕事であり遊びでもあるのだ。」 老子

・観察力が鋭く、外向的で、冒険心に富み、楽観的で、なおかつ物事に懸命に取り組む。
 それが起業家のスキル。

・人間は、2タイプ。
 自分のやりたいことを許可されるのを待っているタイプと
 自分自身で許可して進めるタイプ。

などなど。
大学時代、こんな講義に出会いたかったです。
ま、別にいいんだけど

さて、今から神戸で遊んでこよっと!

海と毒薬

2010年09月13日 | 
あっという間に2週間ぐらい経ってしまった。
ホント早くてびっくりする。
ちなみに、まだ大阪。
予想以上に忙しくなってしまって、しばらく帰れない。
こういうのを「嬉しい悲鳴」というのでしょう

さて、「海と毒薬」。
書店にフラッと立ち寄った時に、名作シリーズとして推していたので読んでみた。



この作品は、戦時中に九州の大学で行われた、米兵の捕虜を使った人体実験の話。
後から責められるにせよ、当時はどれだけ狂った世相だったのかということが理解できる。
読み終わった後にもちろん救いはないので、どんよりしてしまう。
これを読み終わった後の夕食は全くテンションが上がらなかった

時間がないので、一気には難しいが、有名な文学作品は少しずつ読んでいきたい。
できれば、シェイクスピアなんかもきちんと読みたいのだが。
ま、徐々にということで。

花まんま

2010年08月10日 | 
かたみ歌が良かったので、すぐに購入。



昭和の大阪を舞台にした短編小説集。
これもまた、独特の不思議なお話を収録しています。
よかった。
こういうの、ほんと2日ぐらいの移動時間で読んでしまいます。
日常から離れられる良い作品でした。

最近、ろくな休みがないから、本を読む時間がオフなんだなー。

俺俺

2010年08月09日 | 
最近、狂ったように本を読んでいる。
しかも、どんどん読む速度が速くなっているようで。
限られた時間に多くの情報を入れるという意味では、効率よくなってます。

今回読んだのは、かなり衝撃的な作品。



アマゾンより引用
「マクドナルで隣り合わせた男の携帯電話を手に入れてしまった俺は、なりゆきでオレオレ詐欺をしてしまった。そして俺は、気付いたら別の俺になっていた。上司も俺だし母親も俺、俺でない俺、俺ではない俺、俺たち俺俺。俺でありすぎてもう何が何だかわからない。電源オフだ、オフ。壊ちまうす。増殖していく俺に耐えきれず右往左往する俺同士はやがて―。孤独と絶望に満ちたこの時代に、人間が信頼し合うとはどういうことか、読む者に問いかける問題作。」

いやー、すごかった。
どんどん加速度的にカオスの世界へ。
一気に読んでしまった。

そういや、小学校3,4年の頃、鏡に映る自分の姿を見て
「自分は何者なのか。どこから来て、どこに行くのか」と
真剣に考え込んだ時期があったことを思い出した。
嫁にその話をしたら、変わってるね・・・という反応だったが。
みんな一度はそんなことあるんじゃないの??

そんなことを思い出してしまうような作品でした。
色々考えられます。

仕事は楽しいかね?

2010年08月08日 | 
随分前に売れていた(たぶん)本を買ってみた。




試してみることに失敗はない
(人は変化を嫌うが、試すこと自体は好きなものだ)

目標を立てることに固執しない
「成功している人は、みんな、人生のある時点で仕事に多雨する目標を変えた人たちだ。」
 
成功するということは、右に倣えをしないこと。

“適切な時”とか“完璧な機会”などない。
<この場で><ただちに>始めるべき。

みんな組織に入って、平均より上を目指す。
しかし、「平均以上の人があまりに多くて、結局は平均」だ。
その競争で誰が勝つのか?全員が負けるゲームだ。


というようなメッセージが散りばめられている。
たまたま吹雪のために空港が閉鎖され、そこである成功者の老人と出会う。
一晩話しているうちにレクチャーを受けるという内容。
刺激にはなったなー。

新宿鮫

2010年08月03日 | 
全9作を読破。
新宿に近い場所の住人としては、読んでおかないと!ということで。



これは、ホントに面白かった。

<主人公に設定>
新宿署の刑事、鮫島。
国家公務員採用Ⅰ種試験に合格し、警察庁に入庁した「キャリア」のエリートだったが、
ある事件をきっかけに、警視庁の機密を握ってしまう。
その結果、上層部から疎まれ、警察機構内部におけるアンタッチャブルな存在となり、
新宿警察署生活安全課の警部というポストにとどめ置かれ、現在に至る。
新宿、とくに歌舞伎町の裏事情に精通しており、
犯罪者に音もなく忍び寄り、食らいついて離さないことから、「新宿鮫」と呼ばれて恐れられている。


このキャラクターがたまらん。
かといって、外見はそんなにいかつくないという描写になっているので、
普通のヤツだけど気合が入っている、ということらしい。
いいすねー。

時々声を出しそうなぐらいギリギリの場面があったりして。
一人で身悶えていたら、嫁に変な顔された(笑)

なぜだか、ほぼ日で続きが連載されている!
早く本でも出してほしいっす。

かたみ歌

2010年08月02日 | 
本屋にぷらっと立ち寄った時に、何となく目について買った本。
ヒットだった!



ホラーというには全く怖くないけど、東京の下町を舞台にした、とても不思議な話。
下町の商店街が舞台。
章ごとに主人公は変わるが、全てこの商店街の住人。
そして、どの章にも登場する古本屋の主人。
全部違うストーリーかと思いきや、最後の方で結びつく。
ぐいぐい引き込まれてあっという間に読んでしまった。

引き続き小説にはまりそうな感じです。