第四部 Generalist in 古都編

Generalist大学教員.湘南、城東、マヒドン、出雲、Harvard、Michiganを経て現在古都で奮闘中

ベッドサイド臨床実技試験終了 MCTM day 140

2016-02-17 14:06:17 | Mahidol University編

 

 

皆様こんにちわ。

Long case examinationが只今終わりました!!!
これは全範囲の疾患の診察から診断治療にまでを評価する1年間にわたるトレーニングの実技最終試験です。
 
試験前日に突然、明朝試験だとYou got a mail 的なメールが来ます。実際に所見がある患者さんをICUだったり、病棟だったり、外来だったりに出向きます。この2週間は、大学院生は病棟に入ることを禁止されていてかなりよく考えられています。
 
Full History taking 15min
Full Physical exam 10min 
Summarize 5min Problem List とDifferential diagnosisを上げる
Discussion 25min 
 
で行うというものです。
試験前は今日は誰が呼び出されたとか、カンボジアの友達がボコボコにされたとか、イケメンドイツ人はICUで出血している患者さんで困ったとか、、恐怖でしたが、
朝待っていると「ワタリはOPD(外来)だから」と行くことに。
※ 試験官が特に症例を公評しても問題ないということで記載します(毎回変わるから)。
 
いつもの3Fの外来ブースですので、ニコニコ+ サワディカしまくりながら入ると
 
既に若い男性が診察台に寝てます。見た感じ、多分黄疸があります・・・
 
病歴聴取は大好きなので徹底的に聞きまくります。
1) Full History taking 15min
タイ南部に一ヶ月前に帰省した以外は特にExposureされてなさそうな20才の男性が2週間前からの尿の色の変化、3日前から尿が黒くなったと来院。発熱、腹痛、呼吸系、泌尿器系全くなし。Mosquito/Thick/Mite/ insect bite biteなし。発熱も全くなし。皮疹も気づかず、体重の変化なし、寝汗なし。他、Past medical hisotry and Underlying disease、Travel history、Animal contact、Family history、Allergy、Drug、Sexual history, 全てなし。勿論Fava beanたべたんちゃうん、とか生魚食べてOpistorchisなんちゃうとか、G6PDやThalassemiaとか色々しつこく聞いたのですが、全部否定される。
 
2) Full Physical exam 10min  所見を大きな声で一つ一つ言っていく作戦にしました。
 Positive findingはJaundice、Hepatomegaly (2FB RCM)ありました。他はKnock pain、Splenomegaly、Shiffting dullnessなど含めてnegative. 爪の異常やとVascular spider、Palmar erythema なども探したけどなし。
 
※実はShiffting dullnessの所見のとり方が、Bate VS Macleoid'sで少し異なります。よってクラスメートで米国系Physical VS イギリス系Physicalの教科書で学んだ医師とでちがう違うと争いが始まったりしたのが面白かったです。僕はこれからMacleoidを使う事にします。
 
3)Summarize 5min Problem List /Differential diagnosis
通常のJaundiceの鑑別方法とLiver か Non-Liverか溶血か非溶血か。
 
4)Discussion 25min 
ここから自分が行う検査を一つ一つ開示され、どう解釈するか試されます。
 
CBCはNormal➠Liver function test➠T Bil 4.2, D-Bil 3.6, AST 80, ALT 300, ALP 150
(こんな感じで、日本の様に一つ一つの検査の考察なく、ドカンと検査すると大減点ですので注意です。)
 
腹部エコーはHemangiomaがある程度でReportは正常。
HBV, HCV➠急性感染 陰性。
まさかとは思いながら、HAV IgMとHEV IgMを提出した所で、検査はこれ以上出してはいけないと言われる。
 
検査結果 IgM HEV +
答えはHEV急性感染でした。
 
下水道や飲水が整のっており、生肉を食べないタイではE型肝炎は珍しく、どこでどう感染したか原因が解りません。
症状は乏しく、日本でも隠れている事が多く、 Drug induced hepatitisと診断され検査していなものは誤診されている可能性があると報告されています。(ほぼ特に問題ないですが)
 
Discussionは続き、通常の治療と、もし重症化したらどうするか。重症化する場合は度のような患者か、
確率されていないが、リバビリンやIFNの治療もあるなどの議論を行い終了です。
 
 
自分のTopic reviewがHEV vaccineであった為か、偶々当日にその急性HEVの患者さんが来ていた為か、はたまたHEVが珍しい為か、先生達の優しさでしょうか?結果的には自分が得意とする実技試験となりました。
 
偶々だったのか、日本から来た不慣れな医師に故意に配慮してくれたのか?
 
この一年間の回診や毎日のDiscussionでトレーニングしてきた事が詳細に問われて、一つ一つの症例を思い出しながら、当初怒られたり、あまりにも自分が出来なさすぎた事が自然と思い出されました。
 
それが、いつの間にか出来るようになっている事が素直に嬉しく、また教官達の親心的な優しさにただただ感謝した、そんな最後の臨床実技試験でした。
 
 
 
 
 
 
 
 

 

 

 

 

 


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