第四部 Generalist in 古都編

Generalist大学教員.湘南、城東、マヒドン、出雲、Harvard、Michiganを経て現在古都で奮闘中

SSCFC その5「頭痛」、久々の母校とうどん

2016-10-27 09:24:24 | SSCFC

皆様こんにちは。

神がかっている街、出雲はなんだか空気が澄んで冬の気配が近づいてきております。

ほとんど週末は出張ですが、先週末は岡山大学に「しくじり診断学=誤診学」の話をしにいきました。

久々の岡山。縁が無く、まる8年ぶりです。

私の初期研修の病院は良く考えたら3月末には勤務開始というスパルタ病院で、卒業式すら出ないで米国の医師試験の勉強をしながら引っ越していたのを覚えています。

 

毎日食べた最も好きな昼ご飯「たぬきのぶっかけ饂飩となすの天ぷら」を味わう事ができて何ともいえない懐かしさを感じました。

さて、今回のSSCFCは頭痛のみかたでした。

 

【99A44, 96D43, 95F12,103H28, 103B56】

45歳男性、頭痛を主訴に島根大学医学部病院 医学生ミラクル外来を受診された。

【主訴】頭痛

【現病歴】

生来健康な40歳男性。1ヶ月前からの頭痛と吐き気を訴えている。徐々に増悪傾向があるために心配で来院。吐き気は頭痛とほぼ同時に起こり、朝に多い傾向がある。発熱は認めず、体重はこの3ヶ月で4kg減少した。

半年前に職場で昇級し、管理職になった。夜遅くまで残業をしておりストレスを感じて居る。またその為に妻から不満が上がっており、家庭内でも居場所がない。

どんな事を追加で聞きますか?

・追加病歴:頭痛の性状はO(nset)1ヶ月前に誘因無く、P(lace)痛みの場所は頭部全体、Q(uality)重く拍動性、R(adiation)毎回同じで移動や放散痛はない、S(ituation)朝起きると頭痛がしている、T(ime course) 朝食後にはやや改善する、1-2時間程度。最初は1-2/週、今はほぼ毎日。キラキラ光ったり、ぼやけたいなどの視覚症状は無い。日中の作業はあまり問題無い。

・めまいや難聴や耳鳴りは自覚しなかった。明らかな手足の痺れや麻痺は無いとの事であった。海外旅行には行った事がない。性交渉歴は特に問題がない。職業は大手会社員、営業課長。

・他の症状として、運動や姿勢に関係なく、背部がここの所痛かった。

【社会歴】酒ビール1本毎日20年・タバコ40本×25年

【既往歴】特になし。

【内服薬】漢方薬(六味丸料)

【家族歴】父親 肺癌(40代で他界)、母親 乳癌(他界)、姉

【現症】JCS0、GCS15、180cm BW 71kg(Max86kg)、BT36.8℃、HR 78、BP 132/78、RR18、SpO2 99%RA

HEENT:口腔内乾燥なし、眼瞼結膜蒼白なし、眼球結膜黄染なし。

Lung:清明、心音:S1S2正常、心雑音なし。

腹部所見:特に異常なし。四肢:特に所見なし。

脳神経系→何をとりますか?

 

【検査】

CBC:WBC 6800、Hb15.8g/dL、Hct36%、PLT35万

生化学:TP7.0g/dl、Alb 3.7g/dl、BUN 16mg/dl、Cre0.8mg/dl, AST 30I/L, ALT 20I/L, Na 137mEq/L, K 4.3mEq/L、CRP0.0mg/dL、HbA1c 6.5mg/dl, BS 98mg/dL.

眼底鏡:うっ血乳頭を認める。

追加検査:何をしますか?


 医学生からの質問、疑問、難問、知らなかった事、知りたかった事。

POUND 偏頭痛の問診はこれを参考に聞いて下さい。

P:Pulsating(拍動性)
O:hOurs(4~72時間)
U:Unilateral(片側性)
N:Nausea(吐き気)
D:Disability(日常生活に支障)

4/5でlikelihood ratio 24

3/5でlikelihood ratio 3.5

2/5以下で0.41です。


頭痛の鑑別診断

ワイン、チョコレート、カフェイン、チーズ摂取

側頭動脈炎

Morning Headacke

企図振戦の取り方

大後頭神経痛の痛み方とみかた。

癌の転移から頭痛が起こる事、朝に頭痛がするわけ(PaCO2↑、血管拡張のしくみ) 

問診の取り方:痛みは全例OPQRSTに沿って

前兆のパターン色々(ジグザグ、星、暗転、半盲、失語、感覚性運動性)

眼底鏡の見方(うっ血乳頭は境界が曖昧で赤みがかかる。)



SSCFC その4 「めまい」 マッチングについて

2016-10-21 11:40:55 | SSCFC

皆様こんにちわ。

はや、教員として早50日が経過しました。そういえば昨日は臨床研修病院マッチングの発表でした。

自分の時を思い出し、色々な感慨深い人生の変遷を意識するものです。

大きい運命のようにも思えますし、小さい事のようにも思えたり。

結果的には自分はこの道で良かったでしょうし、自分で学習して行動できる人であればどの環境でもどの病院でも結局変わらいようにも最近思えてしまいます。

 

尊敬する松下幸之助さんは新入社員の面接で以下のポイントを大事にしていたそうです。

スキルがあるかどうか(勉強ができるかどうか含む)などは現段階で問う必要が無い、情熱があればそれらは次第に身につけるからと。ありあまる情熱を持った人間を採用すると。

 

結果が希望通りであった人も、希望通りでなかった人も、大事な事はどの病院に就職したという事ではなく、その病院で何を感じ、何を身につけるかということかと思います。

輝く情熱を持った若者を支援するのが年長者達のつとめであると勝手に思っています。

 

(最近マイブームの自虐シリーズ)2017年卓上カレンダーとゴミ袋も買いました
 

さて我らが吉田くんひきいる島根県はマッチング開始以来2番目に多い県全体の研修医の先生のマッチだったそうです。

大学だけでなく、かといって県全体を、それでいて日本全体を考えながら少しずつ自分に出来る事をやっていきたいと思います。

毎週水曜日はSSCFCの日です。今回は試験直前でなく参加者がとても多かったので、鑑別が多くあがりました。

日本語でいう患者さんが訴えた「めまい」を分類し、Vertigo、Dysequilibrium、Dizziness、Presyncope等と考えなければならない事。

つまりは病態が異なるということ。

直ぐCT施行や脳外科・循環器内科、耳鼻科へ紹介するのではなく、最も有用な事は病歴と身体所見である事などを卒前教育の段階ででお話しております。

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【97H13,94B14, 102C26, 109C28,103I73】

45歳の女性、目眩を主訴に島根大学医学部病院 医学生ミラクル外来を受診された。

【主訴】目眩

【現病歴】

既往に1型糖尿病がありインスリン治療を行っている方。来院3週間前に感冒症状があったが自然軽快した。昨日の午後昼寝をしていた所、突然目眩がし驚いたが、直ぐに改善した為に経過をみていた。しかし、本日早朝に全く同じ症状が出現した為に救急外来受診。本人の父親が最近脳梗塞になった為に心配している。

最近便の色の変化も自覚している。

 

どんな事を追加で聞きますか?

・追加病歴:過多月経による鉄欠乏性貧血があり、1週間前から鉄剤を内服開始している。目眩の性状は昼寝から起き上がろうとしたところ天井がぐるぐるまわるような目眩が出現した。気分が悪く吐き気がするために横になっていた所改善した。目眩は安静にしていると生じない。頭痛は無い。難聴や耳鳴りは自覚しなかった。明らかな手足の痺れや麻痺は無いとの事であった。海外旅行には行った事がない。性交渉歴は特に問題がない。血糖コントロールは良好で過去数年間低血糖発作を起こした記憶はないとの事。職業は事務職で夫と二人の子供がいる。発熱や悪寒、体重減少などもなかった。

 

【社会歴】酒・タバコなし

【既往歴】糖尿病、子宮筋腫

【内服薬】鉄剤、(インスリン自己注射 コントロール良好)

【家族歴】父親 脳梗塞、母親 糖尿病

 

【現症】JCS0、GCS15、163cm BW 50kg、BT36.8℃、HR 78、BP 132/78、RR18

HEENT:口腔内乾燥なし、眼瞼結膜蒼白なし、眼球結膜黄染なし。

Lung:清明、心音:S1S2正常、心雑音なし。腹部所見:特に異常なし。四肢:匙状爪(Spoon nail)。脳神経系→何をとりますか?聴覚評価:どう評価しますか?

 

【検査】

CBC:WBC 6800、Hb9.8g/dL、Hct27%、PLT35万

生化学:TP6.5g/dl、Alb 3.7g/dl、BUN 16mg/dl、Cre0.8mg/dl, AST 30I/L, ALT 20I/L, Na 135mEq/L, K 4.3mEq/L、CRP0.0mg/dL、HbA1c 6.5mg/dl, BS 98mg/dL

 

追加検査:何をしますか?

CT 本当に必要ですか? MRI本当に必要ですか? 脳外科コンサルト本当に必要ですか?

 

【国家試験の問題を症候学・診断学的にやってみて知らなかった事、しりたかった事】 依頼表より

・末梢性/中枢性めまいの鑑別

・神経所見の取り方

・蝸牛症状の有無で鑑別を行う

・めまいと脳の解剖

・BPPVとメニエールの違い

・黒色便→鉄剤をチェック

・EPLY法

・回転性めまいの聴き方→ぐるぐる点状が回る以外に、景色が流れる、直線的に移動するような事がある

・Number Need to Treatが分からない

・音叉による聴覚検査

・DixーHallpike試験

 

 


SSCFCその3「浮腫」

2016-09-29 10:10:29 | SSCFC

皆様こんにちわ。

今回、久しぶりに映画を見にいきました。ハドソン川の奇跡です。医療者として超緊急時の対応などで自分の判断は良かったのか良くなかったのかの葛藤でいつも悩まされますが、まさに自分のジャッジでアウトカムが大きく変わる瞬間の緊張感は痛いほど共感しました。さて赴任して一ヶ月、趣味は走ってストレス解消をすることですが、子供たちを寝かしてから妻の許可を取って行く(申し訳ない!)映画館のレイトショーが唯一のリラックスタイムです。

 

さて、今週のSSCFC3は浮腫でした。診断を当てる事に着目するのではなく、診断の過程をわいわい楽しむカンファです。ちょっと今回のは難しく設定してあります。

次回の希望は「めまい」です。予習は不要。

 

【106A38、108I67、107D54、98A37】

50歳の女性が足の甲のむくみを主訴に島根大学医学部病院 医学生ミラクル外来を受診。

【主訴】足のむくみ

【現病歴】

2ヶ月前より、歩行時のふらつきと両側下腿の浮腫を自覚していた。2年前から慢性的な食欲不振と吐き気が出現し、この3ヶ月で体重が5kg現症した。複数の医療機関を受診し、貧血、自立神経失調症等の診断を受けて対処療法として鉄剤とベンゾジアゼピン系の抗不安薬を内服している。6ヶ月前に両下腿を中心に、温度や痛みなどの感覚が鈍い事と軽度の浮腫に気付いたが経過を見ていた。ここ数週間で浮腫が増悪して朝に改善を認めなくなった為に受診。

・追加病歴:

発熱・発汗は自覚していない。便の異常は認めていない。尿はやや泡が立つように感じている。ほぼ同時に両側下腿が浮腫んできた。また本人は気付かなかったが、一緒に来院した夫より本人の声が枯れてきているように感じた。旅行歴なし。性活動歴問題なし。

【職業】事務作業で日中はずっと座っている事が多い

【社会歴】酒・タバコなし

【既往歴】貧血?自立神経失調症? 手術歴無し。

【内服薬】鉄剤、抗不安薬

【家族歴】父親 結核、母親 糖尿病性腎症で透析、姉 肝硬変で他界

【現症】JCS0、GCS15、162cm, BW43kg、BT36.8℃、HR 80、BP 臥位110/74、座位102/60, RR18。

HEENT:口腔内乾燥なし、眼瞼結膜やや蒼白。眼球結膜黄染なし。やや舌が腫れぼったいように感じるが定かではない。

Lung:清明、心音:心尖部でLevine 2/6の収縮期雑音を聴取。腹部所見:腸音正常、

肝臓を肋骨弓下2横指触知。CVA叩打痛なし。全身のリンパ節は触知しない

四肢:両側下腿にfast pitting edema。脳神経:両側下肢遠位を中心に温痛覚の低下を認める。

【検査】

CBC:WBC 6000、Hb9.0g/dL、Hct27%、PLT25万

生化学:HbA1c 5.3、TP5.0g/dl、Alb 2.5g/dl、BUN 8mg/dl、Cre0.6mg/dl, AST 30I/L, ALT 20I/L, Na 142mEq/L, K 3.8mEq/L、CRP0.3mg/dL、CH50 35IU

尿検査:尿蛋白3+、糖-、潜血-、尿蛋白4g/ 

追加検査:何をしますか?

【胸部XP】心拡大なし、肺野清明

【心電図】低電位

【腎生検・直腸生検】Cong red染色で陽性


SSCFCその2: 恥ずかしがり屋の医学生対策 and 「発熱」

2016-09-21 11:45:00 | SSCFC

皆様こんにちわ。

眼がキラキラしている医学生勇士の為に放課後に週1(時に隔週)程度で縦割りの受験勉強ではない横割りの症候学(Shimane Symptomatology Clinical Fight Club)を行っています。

そんな中、いろいろと前から試してみたかった発言するのが恥ずかしい、人前で間違いたくない医学生の為にやっている方法があります。

・・KJメソッドです。かっこいいじゃないですか。KJメッソドという響き。実はカワキタジロウ先生からきています。

これは、3行の切り取れる紙があって演者が聴者に考えてもらいたい内容を30秒から1分程度でパッと書いてもらって

隣の人へ回す。そこからインスパイアされた人がそれとはまた違う事を書くなど、いわゆるブレーンストーミングができます。

しかも、恥ずかしがり屋の日本において極めて有用であることを自覚してます。

鑑別診断を挙げてもらう時などには本当に威力を発揮して、15人も人がいれば、病歴だけで結果的には正診に導いている事が良くあります(検査の情報は不要で確認の為に最後に必要としています。検査偏重とは異なる実臨床に近いですね)

よって、一人だけの意見ではSystem 1 intuitive diagnosis(直感的診断)であっても、それを集合体におけるSystem 2 analyteic diagnosis(分析的診断)を加える事でかなり診断に短時間で近づく事を体感するにはもって来いの方法です。

診断学的に言えば、System3という方法も兄者から唱えられておりますが。それは実臨床現場ではバズーカー並みの威力ですが、こういうカンファでは使ません。

Shimizu T, Tokuda Y. System 3 diagnostic process: the lateral approach.International Journal of General Medicine. 2012;5:873-874. doi:10.2147/IJGM.S36859.

ということで、恥ずかしがり屋の日本の医学生対策T・Wメソッドといって勝手にやってます。

双方にWin-Winの方法だなぁと以前より感じております。

またすべてその場その場で話す内容は変わりますので、その時に不明だった、わかっていない、わからなかった、知りたかった、次回知りたい、などなどを必ずメモしてもらい、いずれこれをまとめて単なる国家試験を解く(キーワードを見つけて正解を選んでいく)という勉強以外に医学生が本当は知りたいけど日本で医学生向けに注目されていない臨床教育などを発表していきたいと思っています。

 

医学生の質問集、それは未知なる領域の、夢の宝が満載です。

 

【104I47、101A19、99G20】 SSCFC Vol2の解答

45歳の男性が島根大学医学部病院 医学生ミラクル外来を受診された。

【主訴】発熱、倦怠感を主訴に来院

【現病歴】

2週間前から倦怠感、食欲不振と発熱を認めていた。1週間前から右手関節と左膝関節に痛みを感じるようになった。発熱は夕方から夜にかけて認めており、寝汗を書くこともあったという。吐き気や嘔吐はなかったが、食事摂取量は普段の半分位に落ちており、体重も4kg減少したとの事であった。

・追加病歴:海外旅行には行った事がない。性交渉歴は特に問題がない。職業は事務職。生食歴は特に問題が無い。数ヶ月前より忙しくて、皮膚科に通っておらず、アトピー性皮膚炎が増悪していた。丁寧に問診をすると、そういえば1ヶ月前に歯科治療を受けたが特に問題は無かった。周囲に同様の症状はいない。

【社会歴】酒・タバコなし

【既往歴】アトピー性皮膚炎

【内服薬】なし

【家族歴】父親 結核 

【現症】JCS0、GCS15、170cm BW 72kg、BT37.8℃、HR 90、BP 130/64、RR18

HEENT:口腔内乾燥なし、眼瞼結膜蒼白は無いが赤い小斑点数個あり。

Lung:清明、心音:心尖部で最強点Levine 4/6の収縮期雑音を聴取。腹部所見:右CVA叩打痛あり。四肢:左手関節と右膝関節に熱感、発赤、腫張を認める。皮膚・四肢伸側に重度のアトピー様所見、一部掻爬により出血あり。

【検査】

CBC:WBC 10800、Hb13g/dL、Hct36%、PLT35万

生化学:TP8.0g/dl、Alb 3.7g/dl、BUN 16mg/dl、Cre0.8mg/dl, AST 30I/L, ALT 20I/L, Na 135mEq/L, K 4.3mEq/L、CRP6.2mg/dL、


追加検査は何をしたいですか?

血液培養:未着

ESR(赤沈)68mm↑、RF因子陽性、抗CCP抗体陰性

【胸部XP】心拡大なし、肺野清明

【心電図】正常所見

【心エコー】別紙参照


Shimane Symptomatology Clinical Fight Club始めました。その1 「失神」

2016-09-07 08:22:34 | SSCFC

皆様 こんにちわ。

僕はのうのうと日本の偉大さを噛みしめつつ、若者と戯れつつ楽しんでおります。

さて、熱心な医学生達からどうしてもという依頼があり、症候学のワークショップ(一通りの主訴が終わるまで続く予定です)を業務終了後 放課後に特殊訓練??を行なう事になりました。

どうしたら、熱心な医学生を大事にして、さらに自分も熱心になれるか、またあまり医学の勉強に興味が無い医学生も巻き込んで行けるかなどもつらつらと考えながら、マーケティングの原理であり、【医学生の需要と供給を考える事】が一番大事だと常日頃思っております。

それは、今まで土日にボランティアで接してきた医学生達は熱心な人が多く、日曜日にわざわざ学びに来るような人達は、いわゆるSelection biasであったと思います。その経験から、下記の事を着目してみようと思います。

医学生が心惹かれる言葉・・国試の問題 →よって国試の長文臨床問題をそのまま拝借しケースカンファ用にModify

医学生が好むスタイル・・Interactive→よってホワイトボードのみと会話スタイル

医学生が好むアウトカム・・その後すぐに明日から使える→分からない事・知らなかった事を記載して持って帰る、できればその場でスライドや配付資料があると得した感がある?

医学生が好む難易度・・自分のレベルよりちょっと難しい→難しいことをユーモアたっぷりにシンプルに話す事につとめる

医学生に大事な内用・・試験に出る、理解が進む→病態・生理・薬理に注目する

医学生が好まない事・・人前で意見を言う→ここが一番難しく、雰囲気作り。

これらを、どうするか医学生勇士達と考えた上で自発的な勉強会

Shimane Symptomatology Clinical Fight Clubを始める事になりました。

略してファイトクラブ・・って、なんやねん。。神髄はやはり闘魂です。

合計18ー20数回になると思います。今後のいろいろな発展を考えて、問題症例のみを提示しておきます。中身は集めてまたどこか公的な場で発表できるかと思います。

------------------------第一回----------------------------------------

【107E58-60】Revised 

79歳の男性、施設職員と島根大学病院内医学生ミラクル外来を受診された。

【主訴】失神?ふらつきを主訴に来院

【現病歴】

・5年前に妻を亡くし、独居生活。隣町に住む娘が週に1回程度は様子をみにきていたが、数ヶ月前から徐々に物忘れが進み、金銭の管理、内服薬の管理が出来なくなってきていた。食事は給食サービスを受けていたが、服薬管理など心配した娘が3週間前から老人ホームに入所させた。以降は介護職員が食事と服薬等の管理をきちっと行なっていた。しかし、入所して数日後位から、起立時や歩行時によろめき落ちるようなふらつきが認められて心配した職員に連れられて受診となった。

・追加病歴:

・トイレから出て立ち上がってからその瞬間に意識がなくなるようなこともあったが、休んでいると1分以内に改善したような気がする。また食事中や、起坐位が長いと同様の症状を呈することもある。

・施設なので詳細はみていないが、排尿の回数、便の異常(回数・色・性状)、発熱や咳、痰などの症状なかった。

・内服薬は10年前から近医より処方を受けており、特に変わっていない。

【既往歴】高血圧:60歳、糖尿病:60歳、認知症 詳細不明 先月

【内服薬】利尿薬、β遮断薬、抗血小板剤、SU剤、ACE阻害薬

【家族歴】父親 脳卒中、 母親 糖尿病

【現症】JCS0、GCS15、165cm BW 67kg、BT35.8、HR 36、BP 128/64、RR16

HEENT:口腔内乾燥なし、眼瞼結膜蒼白なし。

Lung:清明、心音:S1,S2正常、心雑音なし。腹部所見:正常、神経所見:Barre徴候陰性、Rombergテスト陰性、指鼻試験陰性。

【検査】

CBC:正常 

生化学:血糖126mg/dl、HbA1c 6.5、TP7.0g/dl、Alb 3.8g/dl、BUN 18mg/dl、Cre1.2mg/dl, AST 38I/L, ALT 32I/L, Na 135mEq/L, K 4.6mEq/L Ca 8.2mEq/L

【胸部XP】心拡大なし、肺動脈拡張なし、心膜肥厚石灰化などなし、肺尖部に陳旧性炎症性変化

【心電図】

【心エコー】明らかな弁膜症は認めない、EF 65%、Asynergyはなし。

ということで、カンファの内用は:未公開

医学生諸君:あなたはこれからどこまで広く、そして深く考えますか?