第四部 Generalist in 古都編

Generalist大学教員.湘南、城東、マヒドン、Harvard、Michiganを経て現在古都で奮闘中

Harvard ICRT 唯一の短所について

2017-05-24 08:27:03 | Harvard medical school

皆様、こんにちわ。

 

現在ドバイにいます。

ここドバイは砂漠の中の人工的オアシス、どうも生活用水全てを海水から作成していると友人が話していて驚きました。

 

さて、この度全世界の学生が遠路はるばるドバイにまで集合しWorkshop2が開催されました。

僕の目標である、Good clinician, Good educator, Good prodcutive authorの3つをモロに地で行っている尊敬するKC先生をメンターとして、 今後のご指導を引き受けていただいので頑張って残り半年間はICRTの復習します。

 

さて、今後につづく内容は長くなりそうなので次回に回すとして、前回メリットをお話させて頂きましたので今回はデメリットについて言及します。

 

ICRTのデメリットはやはり、

1 飲み友達ができない

2 国の中でもやはり人種や文化的なグルーピングができやすい

3 いきなり知らん人達とグループでAssignmentをするのがストレスフル

4 いわゆる学位にはいくら勉強してもならない(皆様が知りたいのはどうもここのようですね)

 

1-4のデメリットは上記くらいでした。

1-3は比較的Sociableな日本人でも苦労しますし、ここだけは毎日一緒に居るOn campusでしかできない人と人との深い人間関係ですね。Mahidolの経験からすると、やはり一番は海外から出雲にまでわざわざ会いに来てくれる同期達の存在が一番人生において大きいです。

 

4に関しては、海外でPhDに進むことは日本とは比較にならない程の圧倒的な実力がつきます(経験的に)。ただそれ以上の金銭・時間・家族などの負担があります。僕は実力さえつけば全く気にならない為にさほど気にしてませんでしたが他国の医師達はやはり米国に移住する事を目標にしている人が多く肩書的な学位をさらに欲しがっていたようです。ただ友人皆が言ってたことには、Admission してGraduationするという課程で試験を受けながら切磋琢磨した努力は留学といっても見学者的な扱いで学ぶよりはとてもとても良い学びになると感じております。

 

後は、やはり学費でしょうか?詳細は調べて下さい。

 

 メンターKC 曰く、今後Harvardが全世界へむけて教育を資本に売り出していくそうで、教育学だったり、臨床研究だったりのコースがドンドンでてくるそうです。

彼いわく、日本は変わらなければ行けない過渡期にあり、NIHの様に様々な病院のデータを一括に集めて、研究計画書と倫理評価がきちっとしていれば誰でも解析が出来るようになればよいなと思います。

 

また教育に関してもコースが開催されるそうで、いつまでも講義室で座って聞いているのが授業ではなく、Internet を用いた自らのActive learningが地球上のあちこちで既に起こってきているようです。つまり、大学生の中でも積極的に学ぶ人・学ばない人の差別化はものすごい事になると思います。


Harvard ICRTの利点 

2017-05-18 22:20:46 | Harvard medical school

皆様こんにちわ。

現在ドバイへWorkshopとGraduation ceremonyへ出席しに向かっています。

意気揚々と高速で空港へ向かっている途中でパスポート忘れた事に気付くという人生最悪の失態をおかしました。が、なんとかいつもの妻のおかげで出発ギリギリまでCAさんに待ってもらってSafeでした。 

 

さてさて、この半年以上はもうハラハラドキドキでしたが漸く振り返る時間ができた為に、自分が行ってきた勉強などを思い出しながら、Harvard ICRTの事を紹介して行こうと思っています。

勿論、勤務しながら学ぶということは、周囲の理解がとても重要です。

僕の場合は、上司のO先生にとてもとても暖かい励ましと援助をいただきなんとかやってこれました。 

内容はIntroductionとの事ですが、全く疫学や統計がわからない人にはちんぷんかんぷんであると思います。かりに日本語でおおまか理解していても、英語の瞬発力が無いと、これもまた厳しいかもしれません。

 

小テストなどはこんな感じの問題です。STATAを検定など理解しながら使いこなせるかがポイントです。コマンドは覚えるのは大変なので、僕の場合は講義や実習でならったコマンド集をMacのMemoに作成しておいて、それをVariableだけ変えてコピペで使えるようにしていました。SPSSよりアホみたいに早いです。

 


さて、振り返りながら、感じています。

 本当に良い教育とは学びての成長をアウトカムとしているので、例えば眠い授業をして誰も聞いてなかったり、話して側も熱意がなかったりするくらいならば、いっそ優れたDistant learningでやった方が教育効果も高く、人件費なども安く抑えられるのではないかというふうに考える様になった自分がいました。それくらい、非常に洗練された教育を受けて電撃が走りました

師 徳田先生と先週飲みながら、思ったのですが勉強したい日本の医師全員がこれを受講できるような未来になると良いなぁと理想を描いております。

 

具体的なICRTの良い点は

Majorな利点として

☆STATAを格安で購入して、ある程度使えるようになるまで、講義がうまく実践的に構成されていること。かなり実践的です。

☆本当に重要なBiostatisticsやEpidemiologyの分野を集中して学べる事。

☆小テストをこなしているうちに実践的な技術や知識がいつのまにか手に入る事。

 

Minorな利点として

1)何度も何度も繰り返して、授業を受ける事ができる。

2)速度を調整できること。

3)Whats app(LINEみたいなの)を用いて、全世界の参加者と議論やアホな会話ができること。

4)講義の種類が豊富で、グラントの書き方やリーダーシップなどもあること。

5)英語の勉強にもなること

だと思います。

 

今回は、飛行機の時間なのでこのあたりで。次回はデメリットにも探ってみようと思います。

では楽しんできます。


闘魂外来 徳田安春 May ACTカンファレンス in 湘南厚木

2017-05-15 08:51:40 | 総合診療

 

皆様こんにちわ。

先週漸くHarvard ICRTの筆記試験がいい感じに終わり、心晴れやかに色々な活動を開始しております。

本日は私がバンコクにいる前後、滞在中に最も心のホームタウンとしてお世話になった湘南厚木で

徳田安春May ACTカンファレンスが行われました。

(5月から行動を起こそうぜという、抗生剤をもじったネーミングでしたが、腸管吸収がわるくイメージが悪いと医師達からは不評でした・・ゴメンナサイ)

厚木のレジデントの先生達から一例症例提示を。

徳田先生からもmeningitis-retention syndromeの提示があり、初めて知った内容なので勉強になりました。

また、実際にTRの聴診、頸静脈波のみかたなどをベッドサイドで丁寧にご指導いただきました。

まいどまいど、徳田先生の深すぎる見識と美しい診察には感動します。

芸術品のようです。

湘南厚木の総合内科部長に大野先生が就任して、ガチGeneralの教育が始まっております。

 

さて、初日午前中は初期研修医1年目の指導医であった松下先生に昔の記憶が蘇るありがたいカンファレンス。

初日午後から翌朝までは参加型実践実習闘魂外来です。

(全例FASTを交通外傷の患者さん達に当ててもらいます)

実際の症例は扁桃周囲膿瘍・合計7名程度の交通外傷(雨だったので)・CO2ナルコーシス・TB疑い・肺炎球性肺炎・ベル麻痺・脳梗塞・ひょう疽・

などなど、なかなかタフです。戦国無双中にオラオラしていた昔の自分を思い出します。

湘南厚木には本当に多様な中等症の症例が集まり、僕も非常に臨床の楽しさを感じることができました。

 

普段は大学で見学が主体のポリクリ生も、この日限りはFirst touchを出来るし、良質の痰(P2)がとれれば自分たちだけでGram染色をして

Gram陽性双球菌と診断したり、交通外傷では全例FASTやってもらうことなどで教科書だけの机上の空論でない

実践的な医学の学びができたのではないかなと思います。徳田先生とも話しておりましたが、今後も時間許す限り実践(実戦)型実習をドンドン日本でやっていこうと思います。

 

 

 

 

 

 

 


タイの医学教育

2017-05-14 01:15:42 | Mahidol University編

日本でも地方などでの医師不足がたびたび問題となりますが、タイの現状はそれ以上に深刻です。タイは国自体が発展段階であるため、優秀な医師の多くが海外へ流出してしまったり、給料が数倍以上高い都市部の私立病院へ集中する傾向があります。
 ただ日本よりも優れているなぁと感じることは、医学部での教育の違いがあります。タイの医学生はより実践的な卒前教育がほどこされ、卒業後に僻地の医療現場である程度すぐに活躍できるレベルまで鍛えられています。
 1年目研修医達が高額な検査に頼らず、詳細な問診と丁寧な身体所見で診断を適格に下していく姿は、正直経験に勝るはずの日本人医師としてビビリます。
 彼らは日本では敬遠されがちな英文原著の優れた教科書をあたりまえに用いており(タイ語の教科書はあるにはある)、臨床実習は米国的指導スタイル、医学生の時点で日本の研修医程度の業務は実際に行っているように感じます。
 現在勤めている島根大学にタイからマヒドン大学の医学生が臨床実習にかなりの数来日しており、ケースカンファを行うと、彼らの優秀さが素人目にもわかります。きっと日本の医学生もわ...かる人はわかってくれると思いますが、テストの合格や、資格や肩書でない実力をつけるための学びや教育スタイルというのが日本でも必要であると思っています。それでも多くの偉い先生は頭ではわかっていても、変化は面倒なのであまり好まれないかもしれません。
 日本の医学部でも、世界中の何処に出しても恥ずかしくない医師を育てていかなければならないと医学教育に携わる身として切に感じました。