第四部 Generalist in 古都編

Generalist大学教員.湘南、城東、マヒドン、出雲、Harvard、Michiganを経て現在古都で奮闘中

熱帯のバンコクにて丸一年が経ちました・・MCTM day 173

2016-03-23 23:51:26 | Mahidol University編

皆様こんにちわ。

ふと、帰り道の雑踏で気付きましたが、丸一年が経ちました。

その感想はまたにする事にして、久々にMCTMの日常を記録していこうと思います。個人的には最終ディフェンス(研究発表の事です)が終わりほっとしているのもつかのま、その70Pに及ぶものを製本をしなければなりません。私の研究テーマのResultは指導医達が誰にも見せたくないとの事で、折角頑張って書いたResult and Discussionのグラフや図を容赦なく約70%Cut offされるという始末➠カロリーじゃねぇんだよぉ!(大学内の競争が厳しすぎる)。

まぁ私の目標は実力をつけることなので別に良いのですが・・文化の違いを未だに感じてしまいます。

 

(飲み会:なぜか、ションベンしたら3000THBの看板を気に入り記念撮影)

未だに結局データ集めすら完遂していないのですが、スーパーハードワーカーのインド系医師と私が合格一番乗りだそうで、仮にそういう煩雑なものが終わっても、真面目にやればやるほど実際にはどうがんばっても3月31日に全てが完遂するのは難しいかと感じました。

書類の縁のマージンが25mmや37.5mmでない、ヘッダーは10で奇数ページはどうの、最初に1行スペースを入れる、などの極めて細かい作業が必要です。しかも印刷製本に15日かかります。

(上の写真;Gram染色の当てあいゲーム。下写真はテスト中の風景(厳密にはテスト終了後)➠撮っていいって言われたので載せます:もうIpadで試験の時代ですね~)

 

さらに、MCTMでとても新鮮で感嘆したのですが、TurnitinというPlagiarism(剽窃)防止の為に、それを目の前でサブミットしてから、その書類と証明書を指導医にもらってから投稿するなどの決まりもしっかりと規定されており、私がかつて所属した基礎医学の大学院に比べて極めて厳しいです。日本では小保方さんの事件があって、今は厳しいのかしら?Turnitin凄いですね、一行でも同じような文章があれば必ず検出してきますから。私は問題ありませんでしたが、今後の論文投稿は念の為に全てコレで調べてから、投稿しようと思います

MCTMのメンバーからはドロップアウトや、延期の人も出てきており、3人以上は持ち越し5月頃になるかもとの事です。

かくいう私も、Londonで行われるISTMの試験が6月1日に終われば、日本とバンコクを6月に2回短期間でいったりきたり、その後オランダに学会にいったりなどしつつ、論文化する為の最大にして最後の山場が夏に残ってます。

いつまでたっても開放されず、本当に面倒ですね、、とっても。

 

さてさて、嫌な話はおいておいて。たまには楽しい雰囲気も記録して残しておこうと思います。

 

今日はプレジデントとして、クラスの女性医師たちのストレス溜まりまくっている状態を開放すべくバックパッカーの聖地カオサンに飲みに行ってきました。美味しいし安いです。また多国籍な雰囲気にきっと好きな人も多いでしょう。10人全員で飲んで3800THB(15000円位)、勿論日本人代表として1000THB払いました(でも飲み会代 3300円 悪く無いですね)。

米国の国籍をもつミャンマー人の男性医師と腹を割って話せて(遅すぎですが)良かったです。母国では医師免許がありますが、収入の為に米国では工場や、軍隊でも働いたことがあるらしく、彼の努力にも驚きました。

そんなこんなで、私の定義上の一年間はそろそろ過ぎ去ろうとしています。引き続きバンコクや日本での奮闘はつづけることになります。

 

 


バンコクでの銀行口座開設について

2016-03-17 14:24:20 | Mahidol留学情報

 

 

皆様こんにちわ。

ようやく、ようやく、あたふたしながら自分の研究テーマの最終発表試験が終わりました。

今日だけは色々日本の仕事をしたり、これを書いたりゆっくりすることができ、ほっとしてます。

 

さて、2016年DTMH入学予定の先生からご連絡があったのですが、(書いてくれと!笑)

Mahiodlに入学する医師の中で多いのは下記です。それ以外は全く聞いたことがありません。

殆どの方は SCBかKasikornにしております。

 

サイアム商業銀行 Siam Commercial Bank(SCB)

カシコン銀行 Kasikorn Bank

バンコク銀行 Bangkok Bank

クルンタイ銀行 Krung Thai Bank(KTB)

 アユタヤ銀行 Bank of Ayudhya(Krungsri )

 

その理由は、

① 大学正面玄関入り口に大きな支店が隣接しているから。

②街のどこにでもあるから。24時間ATM何回引き出しても無料!(日本より便利)

③CenturyにはSCBとBangkok銀行の土日もやってる支店が入っているから(Mahidolの御用達)

④ランナム通りに大きなKasikornの支店があるから

などなどです。よって、僕は紫色のカードがバンコクぽっくて気に入ったという理由【のみ】でSCBにしました。

Kasikornは緑の、SCBは美しい紫が映える目立つ銀行です。

口座の開設は極めて簡単で、2016年1月現在、銀行口座を作るには、パスポート、入学許可書のみ、記入するための住所で簡単に作成できます。さらにVISAがもしあれば問題ありません。私は入学前の家を決める予備旅行の段階で既に2ヶ月前に作っておきました。

写真はキャンパス正門の両側にある銀行の支店です。
 
 

 

レートやトランスファーで迷っている方がおられるかもしれませんが、そもそもこれ等の銀行のレートは極めて悪く、おまけに手数料が大きく目減りが著しいので、下記図などのアプリやインターネットのサイトが山程ありますから参考にしてください。

 

一番良いのは現金99万円を持込み(それ以上は関税で問題になりますから必ず守って下さい)、その日一番高いレートの両替所で両替です。

これに限ります。 ただこれは慣れた(怖いもの知らずの日本人)人のみです

※ 私は一切責任をとりません!!

私は月に多い時で2−3回、少なくとも月1回は帰国しておりました為にその都度に現金を持ち込み、為替相場を毎日みながら市中で両替して、銀行に預けるということをしておりました。

結構、差がつくもので、例え私が来た時は2600THB/10000JPYでしたが、大きく上下の変動を経て現在は3000THB/10000JPYです。50万円を両替したとすると、20000THBかわりますので、現在の金額で6万7000円は変わります。凄いですねよね、それだけあれば、【年間の飲み会代】が一気に払えます。

 

また銀行と市中の両替所(Bangkok銀行が今日は最低レート)で100THB/10000JPY以上の差があります。よって、今日この日に銀行で50万円両替するか、市中でするかだけで5000THBの差があり、結果的に1万6500円の金額の差がでます。これだけあればは2−3週間の食費が簡単に捻出できます。Mahidolの学費は年間9000USD程度と日本よりかなり高額です(インターナショナルスクールとしての教育はその分良いと思います:そもそも日本にこれだけプロフェッショナルインターナショナルスクールがあるかどうか)、少しでも出費を抑えたければこのような知恵が役に立つでしょう。

 

以上、ちょっと普通とは異なるやり方なので、参考になるかわかりませんが、少なくとも幾度か帰国する方はには有用でしょう。くれぐれも高額な紙幣を持ち歩くときは最大限の注意払ってください。※私は本当に責任持ちませんから!! 

 

 

 

 


日本からの見学者 メリオイドーシスに驚く

2016-03-05 15:31:11 | Mahidol University編

 

皆様こんにちわ。
今回はMCTM Final defenseで手一杯の私にかわり一昨年共に東京城東病院で診療をしていたM内医師にブログを書いてもらいました。
彼は「明日行きます!」的な軽いノリで病院に乗り込んできたために、病棟や患者さん、普段の仕事などを紹介しました。
実はその2日前にも、湘南鎌倉の後輩が、病院を見せろとせがむので、案内してます。
(今年は頑張りました。1年間でTotal 20名弱の方は時間ある限りご紹介させて頂いたと思ってます。医学生だけで7名いました)

僕の指導医は本気で教育好きなので、知らない米国型日本人が来ていると知ると、「よし患者診に行くわよ~」と軽いノリで結局一緒に回診することに。さてさて。。以下、M内医師です。
 
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32日にMahidol Universityを見学しました!

3月の始めにも関わらず気温は30度超。

30分かけて歩いて行きましたが着いたときには汗だく。。

ただ病院は綺麗で冷房も効いていてとても快適でした。

日本にいる間にとてもお世話になったTari先生がこの大学で勉強しておられ、案内してもらうことに。

17階層の病院内をいろいろ散策しながら紹介していただきましたが、途中からTari先生の上司であるアジャンDr. Vipaが登場し、ケースカンファ勃発。(アジャンのスペルはなんと先生でも知らないという・・・笑)

Undiagnosed DM40代男性。

不明熱とnon-productive coughの肺炎疑いで紹介され来院。X線でright lower lobe reticulonodular and cavitary lesion. いろいろ質問し鑑別診断を挙げるも全て違うと却下。

答えはなんと

 

Melioidosis!!!!※

 

USMLEの勉強のときに名前しか聞いたことない病気がでるとは・・・。

実際に患者さんを診て診察もしました!

他にもNaegleria fowleriの患者さんもいる!と聞いたので、その患者さん見たい!っと思ったのですが、現在ではなく、過去に入院していたとのこと。

ただDr.Vipaだけではなく、東京城東病院以来のTari先生とのcase discussion

さらに一度も見たこともない病気ばかりで、気温だけではなく完全に激アツでした!

Tari先生、お忙しい中、本当にありがとうございました!

また次の機会があれば是非よろしくお願い致します!

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PS M内先生、次の機会はもう無いです。まずは湘南鎌倉で徹底的に鍛えてもらってください。

 

※メリオイドーシスについて(管理人 注釈)

土壌や汚水で感染するGram陰性桿菌(Burkholderia pseudomallei)で、結核に似たような肺炎像だったり、潜伏期間が時に10年以上だったりと言われる非典型的細菌感染症です。Tropical medicineを学ぶ医師では知らないものはいないくらい有名ですが患者数は多くなく、タイやオーストラリア北部がEndemic areaです。ざっくり言うと、診断は通常の培養(感度低い)以外に血清学検査を行います。治療は通常はセフタジシム(Asiaでは)かカルバペネム(先進国)を用います。治療期間は場合によります。ゲシュタルト的には【タイ・北部オーストラリアの地域でDM(未診断が多い)患者が、発熱と呼吸器症状(細菌性肺炎から結核的な画像所見と幅広い)や肝膿瘍に類似した症状や所見でやってくる】というイメージです。この疾患に対する日本で一番の専門家はおそらく当臨床熱帯医学大学院出身の羽田野義郎先生です。