第四部 Generalist in 古都編

Generalist大学教員.湘南、城東、マヒドン、出雲、Harvard、Michiganを経て現在古都で奮闘中

バーチャルリアリティー患者を用いての医学生大講義

2017-02-25 02:47:26 | 総合診療

今週は久々に学生さんの講義でド緊張しました。腋アセ半端なかったです。

最近は、如何に医学生さんたちが眠くならないか、退屈しないか、それでいてノートや配布資料を暗記するのではなくエピソード記憶化して理解をすすめる事ができるかということを考えて授業に望んでおります。今の所頂いた4コマ目までは誰も寝ていなかったように見えた(目を明けたまま聞いていない可能性もありますが)ので100点満点としておきましょう。

今日は大変しんどかったです。うまくいくかどうか不安でした。普段、単に授業をする事は全く問題ない(どうせ得意な分野を話すだけですので)のですが、実はミスは許されない当日一発勝負のBody Interactという新しいバーチャル・リアリティーのソフト(ほぼ全ての検査や細かいオーダーやコンサルトなども出来てしまうポルトガルで開発された新しいソフトです)を用いて大講義室で如何に楽しませるか実験も兼ねていた為なのです。

 まだ開発段階なので開発元いわく世界初の試みだそうです。加えて、全学生の反応を同時に記録してCSVで一瞬に記録できるクリッカーを用いてPre-testとPost-Testを客観性を持たせる為に日本の国試問題から作成しました。

結果は見ての通り、「おかだ」が一番人気です!

ではなく、詳細な事はどこかで報告するとして、従来型の教員が話すだけの大講義形式より98%が(93人)理解が進む、94%(95人)が楽しい、94.6%(94人)が眠くならなかったと解答。またクリッカーを使用して同時に解答と解析ができますが、95.8%(95人)がクリッカーを用いた授業の方が双方向性で楽しいと解答しており、あまりに顕著でありました。大学の備えるハード面豊かさと裁量権ある自由なフィールド(島根だから?)はハンパないです。

今回、この1週間不眠で一緒に取り組んでくれた大和田さんと、ソフトの機会を下さった二階先生、いつも強力支援の鬼形先生に感謝です!

色々な教育の質改善の為に業界に携わる業者の方で、【新しい試みをしたい方は是非、島根大学】まで御連絡下さい。


エコーの勉強会に出てきました

2017-02-03 23:35:41 | 総合診療

みなさま、こんにちわ。

愛知に2日間缶詰でエコーの勉強をしに来ていました。島根県の若手の単独診療レベルを上げて行く為に色々な取り組みを島根県として考えており、その事業の一環です。また、今後ABCDエコーだったり、NEJMに2011年に発表されているようにPoint of care ultrasonographyなどが今後必ず日本で流行ってくると思います。IpadやIphoneなどの装置とプローブをつなげ、どんな環境でも、聴診器代わりに(いやそれ以上の)病態を把握し、情報を収集する事がメインになると思います。

さて、僕はエコーが比較的苦手です。その分フィジカルと病歴が好きです。

今回はプロの教え方を教えてもらい、それを吸収して自分のモノにして自分が研修時代に苦労して時間をかけたものをシンプルに短時間で教えられるレベルに持っていくということが目論見でした。

エコーが苦手な理由は簡単で365日24時間いつでも、全てのエコーを快く検査してくれる技師さんがいる大病院で育った為だと思います。勿論、下手な自分がやるよりも患者さんの為に長所があったのと、その間に他の患者さんを診なければならないくらいいつも忙しい診療をしておりました。

学生さんからは頻繁に「全科揃った大病院で研修すべきですか」など質問されますが、最近解った事には下手にそろっていると責任を持って学ぶ機会が喪失するデメリットも実はあるということで、全科コンサルトと検査のオーダーが充実していることで、特定の領域以外は実学として学ぶ機会が喪失する可能性があります。勿論その答えは、人によります。

どの病院で研修し、何年目で何の資格をとり、何科に進みたいのかという前に、自分は10年後どういう医師になっていたくて、どういう医師にはなっていたくないかが大事かと最近は思っています。

自分が成長してく過程は他者との競争などでもなく、最短を目指さずとも結構シンプルに考えてよいのかなと考えています。