第四部 Generalist in 古都編

Generalist大学教員.湘南、城東、マヒドン、Harvard、Michiganを経て現在古都で奮闘中

全国県別の総合診療医専攻医2020年度版 しまねの総合診療医

2021-03-04 11:21:28 | 日記

みなさまこんにちわ。

本日は、厚労省に提出する書類を作成しおえました。夜は夜で、朝近くまで授業をやってるので、人生で経験したことがないタフな生活(苦笑)で、体調を崩しまくりながら、切開排膿なども受け、友達のEndo先生に治療してもらいながらなんとか全行程作業を終えました。

総合診療!!人口が少ない島根県ではもはや絶対必要必然で、そもそもこれからの小子高齢化と横断的診療の必要性が叫ばれる昨今ではマストな領域です。

ようやく海外諸国の常識のように医療の質・費用対効果・安全性など踏まえながらだれしも総合診療医の視点や診療スタイルが必要だと思えるようになってきているカルチャーが島根にはできてきています(多分)。

2021年度はこのような形になりました。 全国の皆様、来年度以降は是非しまねに見学に来て下さい。費用などBack up 準備します。

         総合診療専攻医数  県内全体専攻医数
 
2018年度4月採用     0名        37名
2019年度4月採用     3名        44名
2020年度4月採用     5名        46名
2021年度4月採用予定   7名         61名
でした。

しかし、人口が東京などの大都市に比べると一桁少ないのでこれを、実数だけ見ると一見総合診療医はめちゃくちゃ少ないのかとずっと思っていのですが、実は真逆でした。

しまねの総合診療医のカルチャーは徐々に徐々に爆発してきております。僕みたいな変な総合診療医が騒いでいるのも意味があったのかと。

そこには、派閥意識や出身大学などの差分は一切不要です。県内をあげて、良い総合診療医を育てられるかどうか。それだけが重要。

5年も居てあちこちへ移動していると全員顔が見える関係になってくるのですね。県行政トップの先生達とも忖度ゼロで風通しが良く話し合える環境がここにはあります。

そして実感したのが各病院診療所に本当に素晴らしい先生達しかいなくて、現場現場でリーダーとしてアクティブにがんばっています。しかも人格者がとても多いです。

メンティーもちょいちょいできて、それぞれのいろいろな苦労や悩みを聴くことも少しずつ増えました。

 

若者が総合診療に感じるカルチャーや見えない空気感というのはサロゲートデータとしてなんとなく割合で表すことができるかなと思いました。

それで、2020年度の専攻医登録割合を専門医機構からいただきましたので計算してだしてみました。

 

驚きました。

素晴らしい成果を見ることができましたので、もっとこれは島根としてアピールしないといけない!!と思います。

(僕でさえ気づいてなかったのですが、体人口比や、全後期研修医数で割当で出すと全国で島根はぶっちぎっていると。)

 

僕はなんにもしていないので、すべては臨床現場で日夜、情熱をもって奮闘している総合診療医の仲間の皆様のおかげで、尊敬しかありません。やはり総合診療医はITを駆使して、ヒエラルキーやバイアスなどを無くし、病院の壁を越えて、医療の現場で育てる時代がきました。

そう、5年前にここに着任時から大きな声で恥ずかしくもなく言っていた構想(妄想)がようやくこの目に見えてきました。

Full timeの大学院生卒業まであと2ヶ月、そして仲間たちとのプロジェクト開始まで1ヶ月、走り抜けます。そして、終わったらいっぱい寝ます。


全国県別 専攻医数に対する総合診療専攻医数の割合

総合診療専攻医数 都道府県内専攻医合計数  (%)
島根県 5 46 10.9
奈良県 10 115 8.7
長野県 10 124 8.1
富山県 4 52 7.7
滋賀県 6 87 6.9
長崎県 5 87 5.7
沖縄県 6 113 5.3
北海道 16 304 5.3
群馬県 4 85 4.7
岩手県 3 73 4.1
鳥取県 2 53 3.8
佐賀県 2 53 3.8
大分県 2 58 3.4
福島県 3 88 3.4
山口県 2 59 3.4
埼玉県 11 341 3.2
青森県 2 68 2.9
愛知県 15 522 2.9
神奈川県 13 549 2.4
愛媛県 2 85 2.4
静岡県 4 173 2.3
東京都 41 1799 2.3
茨城県 3 135 2.2
和歌山県 2 90 2.2
福岡県 9 426 2.1
徳島県 1 48 2.1
岡山県 5 243 2.1
三重県 2 102 2.0
秋田県 1 55 1.8
岐阜県 2 111 1.8
石川県 2 113 1.8
熊本県 2 113 1.8
山形県 1 57 1.8
福井県 1 57 1.8
宮城県 3 172 1.7
千葉県 6 383 1.6
兵庫県 6 457 1.3
鹿児島県 1 106 0.9
大阪府 6 685 0.9
栃木県 1 122 0.8
京都府 2 260 0.8
広島県 1 145 0.7
新潟県 0 123 0.0
山梨県 0 53 0.0
香川県 0 37 0.0
高知県 0 44 0.0
宮崎県 0 45 0.0

 

 


Freeleticsはじめました

2018-08-15 12:19:46 | 日記

みなさま、こんにちわ。

最近職業上、学生や研修医に質問されることが多いのですが、結構その内容に対して深い科学的な考察をすれば、

それはそれでちゃんとした記事として書くこともできるのではないかと思います。

今後のためにメモ書きをしておきます。

1)勉強に集中できません。

2)英語はどうやって勉強したら良いですか?

3)Generalistになりたいけど、道が見えない。

4)目の前のやるべきことが多すぎで流されるのですが、どうやって乗り越えてますか?

5)研修医終わった後の将来が不安です。

6)指導医とうまくいってません(指導医の臨床に疑問です)

 

まぁ、なんとなく、いつもどこでも、こんな内容が多い気がします。

何を隠そう、自分はいつでも不安です。常に何かを目指して前進しているので、安定した生活とは程遠く、いつも不安だなぁと。

患者さんのこと、大学教育改革のこと、進路のこと、海外のこと、研究のこと。

なんかよくわからない不安が出てくることは多分動物の本能として必ずあると思うのですが、

それから逃げずに向き合って何故不安に思うのかを俯瞰的にメタ認知することで結果的にはストレス緩和をしている自分がいます。

徹底的に紙に書き出していると簡単に乗り越えられることも多い気がします。究極的には「他者の課題」として捉えると、気が楽です。

Harvard Business Reviewでも強烈に影響を受けた記事がありまして(6 Things Every Mentor Should Do, MARCH 29, 2017)

Choose Mentees Carefully
Effective mentorship takes time. Mentors trade away hours they could use to pursue their own career goals and spend them on someone else’s. Although the prospect of having an energetic, personable junior partner for a multitude of projects is appealing, having the wrong mentee can be painful.

今までメンターたるもの全てのメンティーを受け入て頑張らなければと信じていたのですが、メンタリングに関しては多分全く逆で、やる気のない人に相手している時間ほど生産性が低いことはなく、熱心でやる気のある志や方向性が同じようなメンティーだけをメンタリングをすべきであるという内容です。指導医としてある程度の時間もたち、納得です。

 

不安や壁の乗り越え方は、昔から色々本を読んだり師に聞いたり、自分なりの方法論はあるのですが・・それが他の人にも良いとは限りません。

しかし、経験的に走ったり運動をして汗が出るくらい、脈拍が振り切るくらい負荷をかけると、心のそこからエナジーが湧いてくるような気がしていますし、誰でも同じような効果が得られるのではないかと思います(Pubmed 見る限り、多分これはScienceとして証明可能)

ですので、相談してくださる受験勉強中の医学生諸君、やはり「適度な負荷をかける運動」を取り入れながら勉強する方が僕は良いと思います。

ぜひ頑張ってください!

 

運動といえば、最近ハマったものがありまして、Euroの友達が教えてくれた自重トレの「Freeletics」は何やら続けられそうです。日本語にもなっているようです。このアプリ、非常に自分の今後を楽しみにしております。高いジムに行かなくても、またその移動の時間をかけるヒマがあれば、無料で継続できる運動としても良いかもしれません。

一緒に昔からつけている体重カウントのアプリも併用することで、机仕事をこなし、目がつかれ、頭が鈍ってきたら鍛える!この繰り返しです。

現在の体重が79.4kg/182cmでしたので、どこまで毎日ジムに通って走っていた昔に戻れるか。やってみます。

(COI一切ありません)

 

(自分の将来は二つに一つだ、前進するか、言い訳するか 筆者訳)

 

 

 


しまねで暮らす意味

2017-07-16 22:24:14 | 日記

みなさま、こんにちわ。

最近は、どうも停滞期で温泉にひたり、近所のゆめタウンに通い、しかも自宅で子供達と映画を毎週見るなど、ゆるりと過ごしています。

(とは言いつつも色んな締め切りに追われています。)病院で暮らすことが医師として最良と考えていた時期があるので、その時と比べれば家族と過ごす時間が10倍くらい増えています。

暮らしの変化は激変です。今日はちょっと島根の良さを見てましょう。

過剰なストレスは仕事の効率を低下させると思っていましたが(裁量権が乏しく、支配され続けるなど)、ほぼありません。

島根の余暇時間は全国一位らしいです!なるほど、だからみんなゆったりと、もり○まのパン屋さんでパン食べてたり、ゆめタウンに家族づれでやたらいるのか。。

平日は確かに、通勤も含めて早朝と夕方のストレスが少ない気がします。そして、出生率の異常な高さ(すいません、周りに子供3−5人がおられる方が多すぎて本当にそう思います)。

東京にいた時は、電車に乗って小さい子供2人と移動する時の視線や周囲へ細かい配慮しなければならない暗黙の雰囲気がストレスでしたが、出雲に限ればほぼゼロです(松江は知りません)。

また、行政が本当に働く女性をうまくサポートしているので、自分の周囲に限ればセンターのスタッフ全員が既婚で小さい子供達を子育てをしながら勤務されています。

 

上の図も、実際に東京やバンコクで暮らして、島根と比較して見て全くその通りかなぁという印象です。

人間が人間らしく暮らせる空気がありそうです、このあたりはなかなか文章化できないのですが、

ギスギスというか、電車の中で「チッ」と舌打ちをされたり、怒鳴っている人を見かけたりすることがあまり無さそうです。

僕は昔、生物学を一生懸命勉強していたのですが、やはり人間も動物であり、動物としてのテリトリー(生存スペース)の奪い合いや侵入と防御からくる

ストレスはできれば避けたいものです。

 

ただ、教育の面は例えば小さい頃から塾に入れなければならないなどの場合は都会に負けると思います。そんなところがあまり無いです。

それ以外のデメリットは、飲み屋や娯楽が少ない(パチンコ屋も無い)等があるので、ストレス解消でそのような事を主体にされる方には確かに暇かもしれません。

また車が必須です、運転嫌いは生存困難です。

僕の場合は、空き時間は子育て、読書、研究、執筆、診療、講演、レクチャー、盛りだくさんですし、基本テレビも見ないのでむしろ誘惑が少なくて

妻は喜んでおります。強いて言えば車弄り(ヤン車では無い)が趣味です。