第四部 Generalist in 古都編

Generalist大学教員.湘南、城東、マヒドン、Harvard、Michiganを経て現在古都で奮闘中

後期研修医の募集を開始しております。

2014-10-27 14:54:45 | 総合診療
皆様こんにちわ。

全国に自慢できる若手スタッフが集って来ました。
次に総合内科後期研修を志望する若手医師を募集します。

既に5名に内定を出しておりますが、日本の総合内科におけるリーダーとなる人材を多数輩出して行く為にさらに募集します。
詳細は図式等の都合上、東京城東病院後期研修医募集ホームページをご覧下さい。
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初期研修2年目・および総合内科研修をお考えの医師の皆様へ

2015年4月、日本初、今までにない形の総合内科の後期研修プログラムが東京に誕生します。その名は東京城東病院・総合内科アドバンスドレジデンシープログラムです。

 JCHO東京城東病院は東東京(江東区亀戸・最寄駅:都営新宿線東大島駅)にある地域に根ざした129床の病院です。JCHO研修センター長である徳田安春の「次世代を担う総合内科のリーダーを育成する教育病院を」という願いから、JCHO全57病院における教育フラッグシップ病院として平成27年4月1日よりプログラムを開始することにしました。初期研修修了以上の全ての医師が対象です。

「ドクターGのような総合診療医に憧れる!」
「専門科に進む前にもう少し内科全般を勉強したい」
「開業前にもう少し内科の訓練をしたい」
「家庭医を目指しているが、病棟の訓練もしたい」
「臨床だけでなく、研究もやってみたい。論文も書いてみたい」
「臨床教育者の道を歩みたい」
「専門はまだ決めていないけれど、内科医としてやっていきたい」
「留学(臨床海外留学、MPH、MBAなど)に興味がある」
「内科医を目指しているけれど、忙しすぎず自分のペースで研修したい」
「臨床推論にとても興味がある」

総合内科の門をたたく皆さんは様々なキャリアの目的をお持ちだと思います。総合内科の領域は幅広いだけに、その土台をつくる研修においては幅広い領域が皆さんに開かれています。臨床では病棟・外来・ER・往診などあらゆる現場に対応できる幅広い力をつけることになり、同時に後期研修レベルで持っておきたい臨床研究の力、そして教育の力やリーダーシップ、マネジメントを訓練する場も必要でしょう。このような観点から、我々のプログラムを経たメンバーには卒業時に、世界のどこに行っても通用する臨床・教育・研究の力を鍛えるチャンスを提供したいと考えました。

その一方、後期研修医以上ではプライベートや自分の学習環境などの時間を確保したい気持ちも強くなると思います。体力的にも初期研修同様の負荷は大変と感じる方もいるでしょう。このような観点から、業務に忙殺されるばかりでなく誰もがモチベーションと生活のクオリティを保ちつつ研修を続けることができる、そんなプログラムを目指しました。
忙しいながらも勉強になり、楽しく、学びの自由度も高く、創造性を育む時間的なメリハリがあり、かつ臨床研究と教育の訓練にも軸足を持つプログラムの誕生です。

プログラムの中心メンバーは、「診断戦略」「愛され指導医になろうぜ」の志水太郎医師、元湘南鎌倉総合病院チーフレジデントの和足孝之医師、そして全国から集結した熱意と経験豊富な総合内科医、家庭医、救急医達です。もちろんドクターGの徳田安春医師も毎週来院、当院を重点的に教育回診などを行います。

プログラムの名前を“アドバンスド”と銘打っていますが、これは日本のどこにもない、進化した研修システムのことを指しています。現状のレベルに臆することなく気軽に飛び込んできてください。私たちがメンバーに採用時に期待するのはPassion(患者への情熱、学びの情熱)とCompassion(患者、スタッフ/仲間へのやさしさ、思いやり)、この2つだけです。臨床・研究・教育スキルは私たちと一緒に伸ばせばよいことです。楽しく、最高に伸びる、素晴らしい研修の期間をあなたと一緒に過ごしていきたいと私たちは願っています。

あなたのご参加をメンバー一同、心より楽しみにお待ち申し上げています。

                   東京城東病院 総合内科チーム一同





東京城東病院 総合内科アドバンスドレジデンシープログラム(JD Continuum program)の特徴:

Ⅰ. 総合内科研修アウトカム指標(後述)
Ⅱ. 国内初、フレキシブルブロックローテーション制度 
研修では、4週間×13ブロックからなるスケジュールを基本デザインとしています。各ブロックの間、その該当業務を集中的に研鑽します。各個人の個々の研修希望をできる限り尊重したいと考えていますので、各人により、プログラムが異なってきます(ブロックごとの配分や救急当直の継続、継続外来等)。これはどのようなタイプの総合内科の訓練を受けたいかという各個人の夢と目標にフレキシブルに応えるためのものでもあります。具体的には上記グラウンドデザインを基本に、採用が決まった時点で各メンバーの希望と調整しながらオーダーメイドのプログラムを策定します。ここに記載がない各人の希望も、幅広く取り入れる予定です。

① 病棟ブロック:デルタフォーメーション・チーム制
病棟日勤の担当です。患者の主治医チームとして日勤ブロックのメンバーとなります。チームは屋根瓦式の構造です。このブロック、夜間当直はありません。

※デルタフォーメーション・チーム制:3日に一度Call dayがあり、その日は1チームの入院担当日となります。他の2チームに原則入院は入らず、病棟管理の予定をフレキシブルに組むことが可能となります。
また年度後期にはチーム内での役割分担も、指導医と研修医の役割を切り替えて研修医が「1日指導医」として指導医の訓練を受けることもできます。

※この配置図での「研修医」は後期研修医を指します。またこの研修医のもとに他施設ローテーションの初期研修医や「闘魂ホスピタルケア」の実習学生がつくことがあります。(闘魂ホスピタルケア:実践型の学生病棟実習)

② 夜間病棟“ナイト”ブロック:このブロック期間は日勤がなく夜間のみの勤務です。ナイトブロックの研修医は夜間の病棟・救急外来をカバーします。

③ 外来ブロック:一般内科外来研修に特化したブロックです。日本有数の家庭医らから外来指導をマンツーマンで受ける事ができる、他の総合内科プログラムではなかなか見られない贅沢なブロックです。これの研修で社会医学、慢性期ケア、地域医療マネジメント力の補完も計ります。

④ 救急外来ブロック:救急外来に特化したブロックです。シフト交代制で、決まった数以上のコマ数を勤務することになります。

⑤ 臨床研究ブロックAcademic General Medicine Rotation (AGMR) 臨床研究ブロック:1ブロック(4週間)の臨床研究のブロックです。その期間、プログラム推奨の総合内科的テーマに関する研究・執筆に集中的に取り組んで頂きます。First AuthorとしてのPeer review Journal(英文)への投稿(年間3本)は必須クリア課題です。指導の下、頑張りましょう。当ブロック期間は病棟業務などDuty workを軽減します。 

⑥ 地域在宅医療ブロックCommunity Healthcare rotation(CHR): 1ブロック(4週間)の地域ローテーションのブロックです。総合診療の重要な一部である地域医療教育の一環として、外部クリニックや往診の機会を得ます。 

⑦ 選択ブロック(2年目以降):1年間のブロックローテーションを行った後に、各自が学びたい専門科を自由に院内外専門科で一定期間研鑽します。

⑧ その他:研修採用が決定した時点で、上記にない研修の希望があれば応相談とします。

Ⅲ. 臨床・教育・研究の訓練、および研修環境の新しい提案

① 臨床力を高める
・病院総合医(病棟)家庭医(外来)・救急指導医によるバランスの良い総合医トレーニング
・「断らない」救急からの入院を診る、バラエティに富んだ臨床経験値の向上
・現場での判断スピードと妥当性を向上させる訓練
・「診断戦略」理論体系に基づいた診断の力を伸ばす実践トレーニング
・身体診察の訓練:身体診察指導医認定「ブラックベルト(黒帯)/Master of Physical Examination」授与
・完全ブロックローテーション制による集中した研修内容
  →病棟、外来、救急、リサーチ、地域医療ブロック
・病棟はデルタフォーメーション・チーム制(屋根瓦)によるメリハリある研修に集中できる環境
・全科遠隔コンサルトシステム(Joto Spider Net system)
・”A RED SPOON”を始めとした標準治療・マネジメントの管理能力の獲得

② 臨床研究・出版
・リサーチブロック制度による研究に集中できる研修環境
・英文peer review journalを年3報以上出版のサポート(採用時の英語力不問)
・国内商業誌執筆のチャンス多数
・新規性のあるアイディアには単著出版のサポートもあり
・MPH(公衆衛生学修士)、MS(科学修士)、MBA(経営学修士)進学のサポート
・専任統計専門家によるサポート

③ 教育者・指導者としての力を鍛える
・「愛され指導医になろうぜ」著者によるリーダーシップ・マネジメントの実地訓練
・「闘魂外来」「闘魂ホスピタリスト東京」による研修医教育、学生教育の濃厚な経験(希望と能力に応じる)
・「臨床教育者スキル・ブースタープログラム」への参加(希望者)
・臨床教育者若手医師集団「Galaxy」メンバーへの推薦(希望者)

④ 回診・カンファレンス
・ベッドサイド重視
・毎日チーム毎ベッドサイド回診
・毎日ベッドサイド・ミニレクチャーひとつ(15分以内)
・臨床業務を妨げないカンファレンス開催(30分間・午後のみ)
・カンファレンスでのパワーポイント使用の廃止(例外有り)
・思考共有型のカンファレンス:診断戦略カンファレンス、ケースシェアカンファレンス
・多職種カンファレンスによる多職種連携の重点化
・徳田安春医師によるフィジカル回診(毎週)
・院外講師によるラウンド(国内・国外)

<週間カンファレンス(予定)> 平日14:00-14:30(30分間厳守)
月 診断戦略カンファレンス
火 徳田安春フィジカル回診
水 システムクリエイトカンファ・バンドルカンファ
木 気になる論文シェアカンファ(10ジャーナルより)
金 ケースシェアカンファ 
第2金曜の夜19時~Tokyo GIM
他、院外国内国外の有名招聘講師。

⑤ 研修環境サポート
・ブラザー&シスターシステム採用:説明
・体力に優しいメリハリのあるスケジュール:
→病棟日勤ブロックは当直無し、当直はナイト(当直)ブロックのみ


- 海外留学サポート(USMLE、MPH受験のアドバイスとポイントをサポート)

6. 資格習得
 日本内科学会教育関連施設認定への承認(予定)。内科学会認定医・総合内科専門医、および日本PC連合学会病院総合医への道が開かれます。
 リウマチ膠原病科専門医および腎臓内科専門医の研修認定施設であり、それぞれの専門医への道が開かれます。
                     

募集要項

研修期間 2015年4月初旬より(開始日時については応相談)
研修方法 各プログラムにおける後期研修:1~3年間の研修
募集人数 9名(多数問い合わせ・既内定者5名あり)
応募資格 卒後臨床研修修了者または修了見込者
採用方法 面接を最重視します。採用基準は医師・後期研修医師としてPassionとCompassionのバランスの取れた方を重視します。面接日は病院見学の後に面接を行います。(日時は応相談です。遠慮なくご連絡下さい。)
 
処遇
1.職名     後期研修医
2.勤務形態 非常勤医師
3.給与     JCHO規定に沿う(遠慮無くお問い合わせ下さい)
その他手当あり
賞与:     JCHO規定に沿う
4.有給休暇   10日/1年目(JCHO規定に沿う)
5.住居手当 JCHO規定に沿う

その他
1)研修修了者には、修了証書を授与する。               
2)研修終了後、改めて雇用契約を結び医員入職が可能。         

出願〆切
平成24年12月15日(過ぎた方でも条件によっては面接を考慮します)
      
お問合せ先
東京城東病院 総務課内 総合内科メンバーセレクション事務局まで
E-mail:main@joto.jcho.go.jp




愛されシニアになろうぜ、身体所見教育法の極意終了しました。

2014-10-13 16:54:41 | 総合診療
7月に着任し、足掛け3ヶ月。
ついにここまでたどり着きました。

そもそもが医師として後続の医師へ教えなければならない重要な事
であると思いますので特別な事をしているとは思っていません。

当院には私より若い人が居ませんので、必然的に外部の若い人へ
教えに行く形になります。

恥ずかしい内容であれば全国から来て頂く
方に申し訳ありませんから、話し手の需要と聞き手の供給を完全に
一致させる必要がありました。

誰もが人に教えるという作業は不安になるものです。
自分なんかでは教えられない、
そんな立派な人間ではないし・・。

日本独特の文化、謙譲の美徳だけで説明できるものではありません。

だからこそ、自らが人に教える為に学び、人に教える事で学ぶ。
Learning twiceです。

10月12日 勉強会終了後。

太郎先生の加入があってから、大きくこの日本全体を巻き込むうねりが
起きてきている事を体感しました。

何かが変わっていく時というのはこういう事なのかと。

東京城東病院は一歩一歩確実に進化しています!




ジャンプエデュケ-ションは蜜の味

2014-10-09 01:46:45 | 総合診療
皆様、おひさしぶりです。

9月から10月にかけて開始まもない当院を見学に来てくださる
先生方の対応で毎日が大忙しです(といっても月・水・金のみですが)。

この数ヶ月、大きな動きが身辺で起きております。

給料が良いわけでも無く(普通という意味です)
都心にあるわけでも無く(私からすれば東大島は都心です)
立地が良いわけでも無く(スカイツリーも病棟より大きく見えますよ!)
ブランド病院とは決して言えず(個人個人の情熱が今後ブランドになります)

そのような当院に見学に来てくださる先生に申し訳なく思う反面、
さらに良い研修を、教育現場を、将来のリーダーを育てる為の環境を
全力で作っていく努力をしております。

見学に来られた先生方とじっくりとお話をすると、
殆どの先生が地に足をついた研修をされて来ているという事がよくわかります。
医師としての基礎体力があると感じるのです。

私の経験では研修病院にはライバル同期がいるもので、
早い年次に内視鏡を学ぶ事ができたらやれ凄い、
カテーテル検査を初期研修医の時にさせてもらえたので凄い、
云々、手技的な事での見えない競争というものがあったりします。

たしかに早い段階で内視鏡などを行えば、直ぐに上手くなると思います。
一歩、同学年医師達より秀でた気にもなりますし、なにより目に見えて成長を自覚でき
【自分の成長が甘い蜜】となります。
成長の過程を確認しやすいために若い時ほど焦って飛びつきやすくなるのも納得です。
(私もそういう時期がありました)
この教育スタイルはJump Educationと呼ばれたりします。

一方で、今だからこそ思う本当に学ばなければならないもの。
例えばの話ですが、消化管出血を疑う際のバイタルの変動や緊急内視鏡の適応の判断。
簡易Tilt テストだったり、直腸診で便潜血を確認したりする等の

・問診の基本
・身体所見の基本
・病態理解
・それ以外の鑑別診断の挙げ方と否定の仕方
・対患者関係と社会的背景の考慮

などなど、医師の評価や成長として見えにくい領域に関しては置き去りになってしまう
可能性が高くなってしまいます。
他者からも評価されにくく、自己評価もしにくい領域だからです。

最初の初期研修時代にJump educationにハマってしまうと守備範囲が極端に狭い医師
になってしまいますので、初期研修の間はあまりお勧めはできません。

そういった一見みえづらい医師の優れた技量を大切にし、
上の医師から下の医師へ自然に踏襲される。

この文化を構築できるように、10月は奔走してまいります。