第四部 Generalist in 古都編

Generalist大学教員.湘南、城東、マヒドン、出雲、Harvard、Michiganを経て現在古都で奮闘中

DTMH 修了式

2015-09-30 20:04:09 | Mahidol University編

DTMH修了式

4月1日に緊張の連続(当初は友達できるかレベルで不安でしたから)で始まったDTMHコースがついに先日9月25日をもって修了しました。
人間が持つ適応力は恐ろしく、言語や文化や宗教を超えて一緒に学んだ同期の医師達はかけがえの無い大切な仲間となりました。

何より大事な勉強に関しては、4月にアドバイスしてくれた羽田野先生の言葉が非常に威力を発揮しました。
「単なるテストの為では無く自分の将来にとって何が大切かを大事にしながら勉強すると良い」と頂いた最初の言葉のおかげで、億劫だったテストやら何やら不安な気が晴れました。

この半年は平均月1.8回は帰国して、日本国内での仕事と自分の臨床力を落とさない為の修行と生活費の捻出をするという事と並行しながらという少々Painfulな日々でしたが、それ以上に自分の根幹を鍛える良い経験になったと思います。当初心配であった学業は、結果的には遥かに自分が予想した以上の実りと成績で卒業できました。

英語で話す事が何より苦手な自分に取って、リーダーとしてスピーチする事がやたらと多いプレジデントとしての役職は自分の一番弱い所と強い所を醸しだすのに最適な経験となりました。当然ながら、自分の有利な環境でいたら自分はここまで苦労しなかっただろうし、逆を言えば成長できなかっただろうし、色んな意味で支えてくださった先生方、同期の医師達、家族、全ての人に感謝の気持で一杯です。

打ち上げで同期の連中は皆が口を揃えて感想を述べていました。「楽では無いけど一番人生で充実していた」と・・・。
これも、やっぱり一生会えないかもしれない同期の医師達が集まり、合宿の様にワイワイと学ぶといったMahidolマジックの技なのかもしれませんね。

私は、日本で断らない救急系病院で4連続当直の3連続日勤(つまりぶっ通し)をやり終えた所で、現在羽田のロビーで物思いにふけっております。明朝12時間後に始まるMCTMコースの初日の授業に参加する為に今からバンコクへ帰ります。飛行機にのって、バンコクに着いたその瞬間から、このブログのタイトルと内用はMCTMのものへ変更される予定です。とりあえず、折り返し地点を通過し、明日から自分とのさらなる闘いへ移行します。引き続き、来年以降にこられる方々に有意な情報を掲載したいと思います。


あっ、いい忘れました。マヒドンに来られるかたは、必ず自国の民族衣装を持ってくるようにしたほうが良いです。日本人では暑いのでやはり、浴衣でしょうか。


臨床統計学の授業について DTMH Day 170

2015-09-26 10:10:19 | Mahidol University編

昨日、修了式がありました。
順番は逆になってしまいますが、これは今後の日本人参加者にとって絶対に有用な情報となるために貯めておいたものを記載しておこうと思っています。

意外と楽しい、統計学。
私は英語の授業についていけるかしらと心配だったのですが、羽田野先生が事前に日本語で読破しておくべき本などを教えて頂きましたので、思った以上に問題になりませんでした。というよりも、日本語の漢字中心の統計学用語に比べればよっぽど分かりやすいのではないだろうかと...今になってはそう感じます。日本に帰ったら、今から日本語の教科書を読んで勉強せねばなりません。

MCTMコースに進むかたは、もしくは臨床研究を少しでも勉強したいと考慮しているかたは迷わず、Elective courseのBisotatisticsとClical researchを選択すべきです。ASEAN諸国の医師と違って、これらこそ数的思考能力に長けた日本人の強みであると思います。また日本で私が修士課程に属して居た時よりも非常に実学にもとづいており、間違いなく自分の骨と肉になり、即戦力になります(日本のなぁなぁな大学院教育とははっきりいって異なります)。

END Noteと統計ソフトのSPSSを大学の版権で無料でインストールしてもらって、またOpen Epiや、Epi info, PS等のソフトを紹介し使い方を指導されて、さらにそれらを使って0から実習的な授業があるなんて非常に恵まれていると思います。最終的には問題なくそれらのソフトを使いこなせるようになっているかと思います。 何事も基本が大事です。


さて、つい最近ハマっている食べ物屋がセブン-イレブンの目の前にあります。
タイ料理のパクチーが苦手な自分にとって、ピリ辛チキンカツパスタ的な食べ物に心癒されております。


Mahidol 大学 臨床熱帯医学短期研修講座を開催します!

2015-09-22 21:13:04 | Mahidol University編
皆様こんにちわ。

何故にこんなにも更新が滞っているかというと、多分以前超急性期病院で働いていた時よりも時間に追われています。
(MCTM以外にも日本の仕事を山程滞らせている為に、いと情けなし)
Time managementとの闘いです。

さて今週末、DTMHは卒業式を迎えます。
そんな中、なんとMahidolの指導医達により特別に日本からの医療従事者を対象に短期研修を開く事が決定しました。

詳細なフライヤーを参考にしてください。
マヒドンの主、もりひろ先生が構想5年を費やしたという研修会が無事に成功するまで、全てを負けずに頑張ります。


申し込みはホームページから可能です。
http://cicmt.com/






最後の回診と症例カンファ DTMH Day 158

2015-09-04 16:26:26 | Mahidol University編
DMTH最後の病棟回診とケースディスカッションでした。

30代男性:1年前からの全身性の一部痂皮化した皮疹、数ヶ月前から微熱が間欠的に出現。一ヶ月前から全身の関節痛が出現。Vital は特に問題無く、身体所見では、肝臓脾臓を触知、右鼠径部に軽度のリンパ節腫脹と軽度の圧痛を認める程度。Terry's nailあり。Peripheral signは無し。
Labでは汎血球減少を認める➠診断は内蔵リーシュマニア症でした。





40代男性:数影ヶ月前からのSpike fereverと四肢の関節痛、1周間前から頸部などの軽度のリンパ節腫脹のみ。熱帯病を考慮して転院。マラリア・ブルセラ・結核・チフス・含めた通常の検査は陰性。腹部に帯状疱疹様の皮疹ができた。➠診断はなんと成人スティル病との事でした。

総合内科医としては、Intravascular lymphomaやその他の血液疾患や、IgG4関連疾患などあぁだこうだ意見を述べましたが、臨床熱帯学の先生方にはあまり精通されていないと思いましたのでやめておきました。

フェリチン異常高値の鑑別を教えた所、他の国では全く言われていないらしく皆の食いつき方が半端無かったです。
Adult onset Still病の診断はGeneralistとしての診断力の見せ所でしょうか。直ぐに飛びつかず慎重に詰将棋を行うという意味で。
(Rheumatol Int. 2012 Apr;32(4):1091-4. doi: 10.1007/s00296-011-1834-x. Epub 2011 Feb 26.)






そもそも日本だけ?で行われている様な診療の型が如何に多いか。

世界中の医師と話していると驚く事も多々あります。これがまた本当にClinical questionに成るために非常に楽しいです。
私は超急性病院の叩き上げの代表みたいな人間で、大学で診るようなゼブラ疾患が弱いと感じた為にこちらに渡って来たのですが、半年経過した今、強くなったかと言うと。。。

残念ながら指導医の先生方とは研修医と10年目位のレベルの差が依然としてあります。







とは言え、これは私のバイアスですが、最近の卒後臨床教育のおかげかPhysical力だけは他の国よりも鍛えられきているのではないか?
と思います(全く根拠の無いバイアスですが。。私の周囲だけ?)。

つかの間の休息 DTMH day 155

2015-09-02 14:00:50 | Mahidol University編
皆様 こんにちわ

日本での怒涛の9連続勤務、レクチャー、講演、4飲み会が終了し、”メタボまっしぐら”で帰ってきました。
何故だか、バンコクにつくとホッとする自分がいて不思議です。


そう言えば、爆弾テロの犯人がつかまり、真相が明かされてきているようです。
なんと優秀なタイの警察。平和な街が一時恐怖に沈んでいましたが、今は何も無かったかのように人々の暮らしは続いています。

さて、MCTHに進まれる先生方はちょっとした覚悟が必要です。
9月に入るとDTMHで終了組は気楽にASEAN諸国の旅行をしたり、早々と帰国してしまったりとその生活格差がハンパないです。友達が楽しんでいるのをよそにMCTM組はResearch proposalの為の論文の徹底的な読み込みと、そこからCinical questionを自分で設定して、自分でMethodを考慮し、最終的に大学に研究計画書として数十ページの内容を短期間で作成します。

そんな中、ASEAN DAYという各国の大使をお呼びしInternational nightというPartyをMahidolで行う事になっており、その為の出し物として居残り組全員で練習です・・

最近は子供の幼稚園(色々と調べた結果、Mahidol FTMの子息はココがBestでしょう)の見送りを徒歩で汗だくになりながらやっております(いかにも毎日やっているような書き方だが、妻が頑張っているのはココだけの話)。我が長男も幼児版DTMHような他国籍な環境で苦労しながら頑張っている姿に自分と重ねあわせて涙がでそうです。