第四部 Generalist in 古都編

Generalist大学教員.湘南、城東、マヒドン、出雲、Harvard、Michiganを経て現在古都で奮闘中

CUREUSについて

2021-06-24 00:04:52 | Research

みなさま こんにちわ

意外と本当にびっくりしたのが、CUREUSについてのブログ記事がTop3に読まれているとわかりましたのと、良く個人的にSocial mediaで相談されることの一般論を掲載しておこうと思います。

驚くことなかれ、やはり日本ではあまり知られていない雑誌です。しかしこの雑誌のコンセプトが素晴らしい、Open journal feeで膨大な金額をとって運営しなくて良いように、誰でもアクセスできるように、なにより査読のシステムと、オンラインジャーナルとして投稿の段階から作成してくシステムが非常に効率的にできておりお金もかかりません。査読は時に異常に厳しいこともありますが、往々にしてコンセプトはRejectのための査読ではなく、カイゼンするための査読という背景があるようで、基本的にはとても親切に直してくれます(時には英語の些末な問題も)。

 

NativeのMGH/BWH/BIDMCの同級生達が結構ポップな感じで投稿していたのを思い出します。臨床医にとって思い入れのある症例って、IFを別に望まないし、なんか自分の勉強だったり共有したいという臨床家の喜びの部分って実際あるでは無いですか?多分そういう時の立ち位置で米国で好まれているのではないかと思います。

実際のアクセプト率は55%で、投稿からわずか平均39日でPublishされます(投稿時からURL上で作成していっていますし、CitationもAI自動作成です)。費用が1−3万円程度査読と英文校正料で必要になることがありますが、その割合は過去一年間で52%程度とのことです。悪い意味で最低限の運営費用は取るけど、それ以外は取らないというコンセプトに近いと個人的に感じています。

 

英文校正も、編集も一切不要のレベルだと最短で35日で全てComplete(査読も実際に本当に見に見えるので早いです)、また第三者機関に編集などの介入が入ると70日程度のようです。それでもその実費的な費用以外に殆どお金がかかることはありません。

実際には、下記に示すように殆ど英語圏の人が投稿していることがわかります。人口比的にはやや日本ではまだ認知されていない印象です。(逆にラッキーなのかもしれませんが。だからこのブログに記しております)

投稿者国別ランキングは下記のようになっています。1位は圧倒的にアメリカですが、インド、イギリス、カナダに続いて、14位が日本でした。

 

Rank Country Percentage
1 USA 36.3%
2 IND 12.2%
3 GBR 3.4%
4 CAN 2.8%
5 CHN 2.4%
6 PAK 2.2%
7 AUS 1.3%
8 SAU 1.0%
9 PHL 1.0%
10 BRA 0.8%
11 DEU 0.8%
12 TUR 0.6%
13 KOR 0.6%
14 JPN 0.6%

 

また大学ではpredatory journalを徹底的に取りしまる素晴らしい動きがありますが、これはそうなのか不安が有りましたので調べました。

ハゲタカ雑誌が僕は大っきらいで軽蔑しております。というのは無駄なメールを送ってきて、あまりにも多くて重要なメールを見逃した経験がちらほらあるので怒りがこみ上げます。

ハゲタカ雑誌については、便利なチェックサイトがありまして

 Stop Predatory Journalsというホームページで確認してください。

https://predatoryjournals.com/journals/#C

ここでもCUREUSは別にpredatory journalでもなんでもありませんので、本当に新しいコンセプトと立ち位置のJournalであることがわかりました。

ということで、あまり期待しない論文とか学生さんのとかを面白いのでまた投稿してみようと思います。

 

 

 


田久保先生から学んだ事を4年近くぶりに振り返ってみた

2021-06-19 19:21:22 | 総合診療医センター

みなさまこんにちわ。

最近は色々と悩みながら(自分の悩みではないのですが)毎日色々な人と頑張っています。

で、4年近く前に医学部長の紹介でGlobis経営大学院の田久保先生のお話と個人メンタリングを学生さん5人と受ける機会があったのですが、そのときのメモを振り返えってみました。

今思うになんて贅沢な時間だったのだろうと。

そして今ごろ気づきました。

 

自分はその時のことを忠実に、そして着実に守りながらブレずに有言実行してきたことに驚きます。

そして、田久保先生からのレクチャーとメンタリングのメモがすべてあたっている奇妙な感じがして、正直少し怖いです。

 

思うに、総合診療医センター始めるにあたって、やっぱり師匠の徳田先生だったり、僕のメンターの医学部長だったり、院長先生だったり、県医療統括官だったり、センター長だったり、色々な人に本当に強烈にお前はコッチだ!と引っ張ってもらって気づいたら色々なことをやらせてもらってきている不思議な気がするのですね。きっと色々な人の人生もそんなところがきっとあると思います。いつか、総合診療医のそういうストーリーをシェアできる時がくればとおもっています。

もう、生物として長く生存できないかもしれない

というくらい危機感を感じる昼と夜の二重生活(Full time worker+full time student)を一年半しましたので、多分そうとう寿命が縮まりました。

でも、やはり学んだことは大きかったなぁと思います。

振り返ってみて、多くのサポートしてくださった全ての周囲の人に、そして家族に、

本当に感謝です。みなさまの応援や支援なく、むちゃくちゃな生活は不可能でした。笑

ありがとうございます。

 

下記が4年前近くの内容です。

田久保先生レクチャーから教えてもらったこと   2018年1月13日(ブログより) 


・だいたい世の中で成功している人は情熱の活動が目に止まり、誰かの巨大な支援を受けている。

・だいたい本当に成功している人はポジティブであり、志がある。
 
・大事なことは肩書きや履歴でない、志である

・出る杭が全く打たれない時代になった、それくらい出る杭がいない。極めてチャンスである。
 
・日本人の国内でのライバルはもはや日本人ではなくなる。今後インド人と中国人になってくる。
 
・AIの時代、確かに今の仕事は減る。が、新たに関連の仕事が無数に出てくる
 
・世の中の仕事のことは大抵は意味づけの問題で、同じ作業・業務でもネガティブな感情で行う人とポジティブな感情で行う人と、圧倒的にポジティブな人の生産性が高い(当たり前とのこと)
 
・やりたいことややるべき事の今後の過程や道を他言しまくる。それは誰かが必ず無意識・意識的に拾ってくれる。そしてこれは自己成就的予言となる。
 
人の目は一切気にしてはならない、しかし、自分のメンターや家族など大事な人の目はとても気にするべきだ。
 
集団や組織を動かしていく時には、オセロ方式を採用する。オセロをするためには【語る】しかない。
 
・変革ができていない場合は、オセロが有利になったことばかりを目論んでしまうのであって、隣のオセロをどうひっくり返すかのビジョンがない
 
・大事なポイントは、こいつら言うことを聞いていれば何かいい事があるのではないかと思わせられるか
 
・最も効率の良い最初の一手は、小さいが全員が不満を持っている事を取り組み改善する事(体感させる事)。
 
・進むべき判断基準。世の中を知る(現在の状況・環境、需要を知る) 自分自身を知る(CAN:何ができるか?WILL:やりたい事は何か?)
 
・AIの時代には必ず新しい仕事が生まれる。先が見えない時代に進むためには、能力開発フェチになり、アンテナを張る。
 
・大人の勉強はルーチン化すること。使わなくて良い時間を削ぎ落とす。
 
 
 
ちょうど先週は総合診療医センターの病院コアメンバーの皆様と通読を行いました、とりかかりにはこれが一番と思います。
Harvard MHQSのリーダーシップ論やChange management論や、組織内原因分析論に通じており大変役に立ちました。

 

僕が個人的に好きな読みやすい一冊です ↑こちら。

 

 

↑MBAや医療の質の用語を学ぶのにオススメで、誰かが話していることを理解できるようになります

 

 

↑まんがです。加藤先生からの紹介と寄付。まんがなので読みやすく上記を軽く網羅するに便利です。

 

 

周りにGlobisに通っている先生が多いので、病院を運営することにベクトルが向きやすいGeneral 系の先生方の興味の需要と供給が合致するのかと思いました。勝手に僕が紹介しているだけで特にCOIありません。


隠岐の島の岩牡蠣

2021-06-16 16:44:24 | 総合診療医センター
バーチャルITオフィス兼ラジオブース兼センター長司令室兼センター本部が骨組み7割完成しました!
 
ぎゅーぎゅーで狭いですが…これから女子医学生さん達にデコレーションはお任せしたいとおもいます。
 
お祝いと労いに最強白石先生から、見たことないくらい大きな隠岐島の岩牡蠣を頂きました!
 
東京市場末端価格✖️✖️円!(言えないくらい高いです)
 
時々思うのですが、もうネットがあればどこでも仕事できるので隠岐島で暮らしたいなぁと。
 
アウトドア自然派の反対にいた自分が、コロナの孤独期間が自分の生き方そのものを見直して熟考する機会になりました。
 
白石先生ありがとうございます!
 

DeLonghiのコーヒーでCreativeに総合診療を考える空間と生活を~General Medicine Center~

2021-06-12 14:34:34 | 総合診療
 
皆様こんにちわ
 
身近なところで色々な事をドンドンと進めており、しまねでいったい何が起こっているのか!?
なぜ島根なのかも、全く分からないと聞かれるので、これからこれまでの事やこれからの事を少しずつ少しずつ小出しにしていこうと思います。
 
今は、ホームページや部屋づくりも含めて、全ての活動を総合診療系医師全方向性である縦*横*斜めのコラボレーションも鋭意進めている最中です〜
 
島根の最強のデメリットは物理的に東西230kmと長く交通の便がわるすぎることです。
だからこそそれを、逆にメリットにするべく、Virtual IT officeを構築するために日夜勤しんでいます。
 
 
ここは、いずれ島根に来ていてだければ、直接お見せいたしますが
 
全島根県の総合診療系医師の皆様が心理的安全性と透明性を持ってディスカッションする空間(だから壁は全てガラス張り:逆に安いです)であり
 
時には家庭医や総合診療医を目指す若者が集まるカフェとして
 
時には、FMラジオスタジオのよう
 
時には、宇宙戦艦ヤマト的な司令室モニターのように
 
大事な情報がココから発信されて、そして大事な情報がココに集約する、そして家庭医も総合診療医も病院総合診療医も総合内科医も全く関係なく仲間が自由に集まれるように素敵な空間を造りたいと思ってきました。
 
5年前に空想の世界に描いたことでしたが、夢ついに叶えれり!
 
そうそう、白石センター長はコーヒーに煩くて、僕と同じようなExtravert & Leaderタイプの人です。
空間演出や突き抜けたアイデアなどは同じ人種がなせるわざなのか、一言も交わさずに意見が同じであったり、殆どの議論で共鳴することが多いです(例外は僕が自然での遊びが苦手なくらい、アカムシとか釣りのサビキの餌のにおいが苦手)。
 
 
今回、上記のビジョンとコンセプトの為にDeLonghiのコーヒーマシーンがセンターに設置されました。
 
当然、前例がないということから始まるのが国立大学なのですが、この部屋は医師の所属など全く関係なく、年功序列や役職なども完全無視して、
自由にあつまり自由に語ることができる空間として活用したいので全ての意味でメリットしかない!!と英断いただけました。
 
感想は、まず味が良すぎます。香りが良すぎますね。
確実にお店のカフェのコーヒーです。
豆にこだわれば当たり前ですが、お店のコーヒーより美味しいです。
 
次に、費用対効果も高い。全自動であることは極めて重要です。なんだかんだ、以外と考慮されないのが維持費と手間と人件費ですが今回はそれすらも大胆に無視して計算します。
 
一杯当たりのコストを計算して比較すると下記のようにメリットしかないのですね。
 
豆は出雲のイオンの珈琲専門店で安く200g 600円で購入するとします。
比較1 100円のコンビニのコーヒー
比較2 市販されている2万円のカプセル式マシーンで一つ50円のカップを電気屋で購入する場合
 
で比較します。
 
 
一人が一杯/日で計算した場合で、すでに我らがDelonghiコーヒーマーシンちゃんは、9ヵ月以内には巷で美味しくて安いとされているカップ式のコーヒーマシンより経済的に有利になります。
 
 
 
今はまだ部屋ができていませんが、既に学生さんや研修医さんが興味シンシンでちらほら来てくださっているのと、
僕らは島根一丸となって改善運動をしてくので、行政の方や大学事務の方が本当にたくさん相談しにきてくださるので20杯/日は越えてしまっています。
この事から、既にこの数ヶ月で初期投資を回収できることは明白なんです。
 
 
このように、色々なことを費用対効果とアウトカム重視、改善するためにはどうしたらよいか?
リスクは何で、問題は何で、根本的な原因は何か?などなど。常時、PDSA meetingをして取り組んでいます。
 
その一例が一杯のコーヒーなだけなのです。笑
 
 
僕らは自分達の診療科だけとか、自分の施設だけとか、講座だけとか、そんな小さなことは本当にどうでもよくて
 
島根全体のために
 
本当にやりたいこと、やれること、やらなければならないこと
 
その中央突破を楽しくやっていくことが大事と思っています。
 
そのために必要なことには、提案された良いと思ったアイデアでは全て採用としてそれぞれの総合診療医がリーダーとして全てチャンレンジしていく!
 
そんな感じのことを始めていっています。イケオジで憧れる白石センター長(島前病院)、島根のみんなと一緒に、がんばります〜!
 
 
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日経メディカル社で診断エラー学のイベントします。

2021-06-07 11:39:58 | 診断エラー学
闘魂とは、己に打ち勝つこと。
 
約9年の月日が流れ、ついに日本はここまできた気がします。
 
「ミス」、「誤診」、ひいては「診断エラー」という言葉を使っただけで、偉い先生達に文章でおこられた若かりしあの日。とっても楽しい毎日でした。
研修医が遭遇しまくっているはず、されど気づいていないことが多いだろうことを楽しくお話します。
 
目指せ、status quo bias打破!
当日、こちらでお待ちしています。
日時:6月22日(火)20時から(19時半に開場)
パスコード:865884
やっぱり、もう一回。
闘魂とは、己に打ち勝つこと。
 
書籍は下記でお読み頂き、これまで重要だけど語られてこなかった診断エラー学を日本の卒前卒後教育に組み込んでいただければ幸いです