第四部 Generalist in 古都編

Generalist大学教員.湘南、城東、マヒドン、出雲、Harvard、Michiganを経て現在古都で奮闘中

最後のフィールド・トリップ Ubon DTMH Day115

2015-07-28 20:07:29 | Mahidol University編
座学メインで講義が終了し、7月はフィールドワークがメインです。

最後に皆の思いとして卒業旅行的な雰囲気ででかけた場所が、ラオスとの国境Ubon地域の1200床の大病院でした。
そこで出会うGreat caseの数々。全てがReportableなレベルでありました。
重症のレプトスピラ病、デング出血熱、薬剤耐性妊婦マラリア、メリオイドーシスなどなど感染症・総合内科医が興奮するものが並んでいました。

回診で、それぞれのケースをディスカッションした後で、その後はケースカンファレンスを全体で行う流れで、
市中病院Vs 大学病院教員的な構図が面白かったです。

さて、今回のトリップは修学旅行的な要素もあり、タイ国立公園の3000年以上前の壁画や、自然公園、またメコン川渓谷等の観光も行いました。





そうこうしているうちに、時間の流れは早くも僅かながらの夏休みに突入です。

現在、日本に帰国し学費を捻出するために、毎日どこかしかの病院で救急当直し、当直明けは車で移動し健診バイトをしたりと分刻みのスケジュールで移動しております。





(非常に楽しい修学旅行でした)



一緒に毎日過ごした仲間達と離れて少しさみしいですが、私はその間に日本語の雑誌の投稿や、Rejectされた論文の手直し、統計英語の勉強と日本語で理解しておく事などをミッションに頑張って勉強しなければなりません。
自分の惰性に負けず、頑張ります。





DTMH終了後の進路

2015-07-18 21:17:39 | Mahidol University編

今後の話をしなければなりません。
DTMHは6ヶ月の期間で主に座学と実習を経て研鑽を積みます。
Mahidolの場合は8月から選択講座になり、興味のある分野を金銭を払い受ける事になります。1単位4000THBなので、14000円位でしょうか。高いですね。

私は、Travel medicine advanced、Biostatistics、Clinical research statisticsなどなど合計9単位も取ってしまいました。
(勉強がさらにキツくなり、ちょっと反省してます)
でも、そうでもしないと年齢的にも一日一日を大切にできないと思いました。日本の株価は上がってきていますが、自分の株価成長の為の自己投資であると信じて、怠ける事なく頑張ってみようと思います。

DTMHは9月25日に終了予定です。よってその後は人によって大きく今後の予定が変わります。非常に仲が良い欧州組はバカンスを数ヶ月楽しんだりするらしいのですが、人それぞれの人生です。

私は、MCTM(master of clinical toropical medicine)に進学して臨床研究のSkill upの為に、自らに負荷をかけてがんばってみようと思います。
勿論、多国籍の連中とやりとりしているだけで英語のさらなる鍛錬にもなると思っています。

英語といえば、こちらでは、強烈な言語の壁と慣れない疾患を扱うという事で本当に悔しい思いばかりをしてきました。
しかし、人格優れた仲間達と周囲の環境には本当に恵まれてきました。飲み友達は過去の人生で最高レベルに楽しい奴らです。
寝ても冷めても凄く悔しいと感じたMahidolでの勉学の生活は、きっと自分の理想と現実に少しのギャップがあったという事だと自己解釈しています。そう、大きなギャップに関しては諦めがつきますから。

なので、それを埋める為に私が出来る事はココでさらに気合いれて学ぶ事であると思っています。
これが、また厳しくてストレスフルと噂のコースですが、英語(当たり前ですが)原著論文2本とそのデータ集め、統計解析、Out put、それらの能力を少しでもUPさせて帰国したいと思います。
師はいつも言ってました、「どんな経緯を経たとしてもアウトカムが大事です!」と、自らのアウトカムの設定に挑戦してみたいと思います。

昨日は妻の誕生日にPartyに参加させてもらい、世界中からあつまった仲間のありがたさに感激しました。ちょうど初期研修の合宿のような雰囲気で過ごしております。


航空医学と海洋医学 DTMH Day105

2015-07-17 01:47:23 | Mahidol University編
2日間をかけてトラベルメディシン実習で海軍病院と空軍病院に行き、レクチャーを受けました。

初日はUnder water diseaseとして潜水病を中心に、そしてその治療や高圧酸素療法等の見学です。
この陸軍の先生は米国ボードを終了しており、英語も分かりやすかったです。

自分の育った研修病院では高圧酸素療法は当たり前の様に容易されていましたので、各国の医師の物珍しさが逆に珍らしく感じました。
職員達の誇らしい目の輝きから、恐らくこの国の最高峰の設備なのであると思います。



二日目は航空医学で、
我々が乗る航空機の生理学的な条件や、高山病の病態であるHigh Altitude Cerebral Edema (HACE)やHigh altitude pulmonary edema (
HAPE)の医学的な事から航空医学の雑学を学びました。

ご存知でした?民間の航空機にて患者を搬送する場合はエコノミーシート6席分を事前購入し、事前にストレッチャー式座椅子を取り替えて準備しておく事が必要あるようです。他に、雑学とも言える実務的な事を学びました。

写真は、イタリア人医師が希望してパイロットコクピットからの離脱の練習を行う装置と実際の最新式の航空機操縦訓練機です。


個人的な感想して、非常に座学としても実学としても為になり、かつ記憶にも定着する良い研修であったと思います。

フィールドにて実地臨床カンチャナブリー編 DTMH Day 100!!

2015-07-13 20:38:01 | Mahidol University編
皆様 こんにちわ。

なんだかんだと慌ただしく、
自分のやりたい他の勉強も手に付かないまま時が流れていきます。

さて先週はDTMHフィールドワークのメインイベントであるKanchanaburiへ行きました。
ミャンマー国境付近にあり、結構綺麗なコテージに皆で2泊する日程でした。

我々自慢のマヒドンDTMHメンバーとメルボン大学からDTMHの研修に来られているオーストラリア人医師達を3つのグループに分けて終始行動を共にしました。

1日目は現地のクリニックに出かけて、実際の患者さんを平均で1グループ20人程度診療を行います。勿論、現地の言語はミャンマー語がタイ語なので、それらを話せる医師を問診と病歴聴取等につけて、各役割を分担せざるを得ませんでした。



少しでも疑いがある患者は全例数滴ずつマラリアスクリーニングの為に血液を提出頂いて、翌日に自分たちで染色を行い鏡検を行うというものでした。

午後は、集められた患者たちの下痢便検査をその場で行い、寄生虫を同定していくというものでした。私はこれが得意になってきており、Giadriaを何人か見つけました。

折角の美しい自然、豊かな緑、さわやかな気候の中、小部屋に閉じこもり下痢便と戯れる我々って・・



2日目は自然動物にどれくらいのシラミやノミ、ダニが寄生しているかどうかを調べるものでしたが、我々の班のしかけたTrapには何もかからなかったので、これに関してはお粗末な結果でした。




午後は、血液塗抹標本の鏡検を行います。我々、成長しており(当たり前ですが)未診断のマラリア等を瞬殺で診断する事ができるようになっておりました・・。これに関しては、当初総合内科医として苦手なゼブラ疾患を学ぶ為にこちらへ学びにきたのですが、いつの間にか知らない技術を身に付けており素直に嬉しいです。

さて、夕方には4月のオリエンテーションの時から一番のメインイベントであったカルチャーエクスチェンジナイトでした。
各国から、それぞれの出し物を行い競うものですが、我々は練習をしっかりと行いネタも充分に考慮したのですが、悔しくもたった一人で我々をうまく操って笑いをとったロシア人医師オルガの優勝でした。(無念です)。へべれけに成るまで修学旅行の様に飲んで騒いで、睡眠不足が続きます。







自分たちの中では一番盛り上がり、一番笑いもとれた(?)と思っていただけに、二位の結果が素直に残念でした。
来年以降の日本の先生方に期待します!
ドゥーン教授はこれだけを楽しみに毎日生活しているのではないかという位に熱心です。


3日目は写真の様に、Katherine's refugee campで見学を行いました。この先生は、難民の子や病気等で捨てられてしまった子供達をキャンプで世話や医療を施しながら教育を行っている姿に感銘を受けました。

さて、最終日午後は象に乗って楽しんで終わりです。

7月半ば以降は毎日、色々なところに出かける為に、純粋に楽しむことが出来ますが、私はプレジデントとしてやたら何かと不得意な英語でスピーチやら挨拶やら当てられたりしますので、時々ストレスを感じます。まぁ、結果的に瞬発力とアドリブ力を磨く為には一番良い訓練であったと思っています。


フィールドワーク DTMH Day 94

2015-07-04 16:34:58 | Mahidol University編
 現在、実は統計学の本(基礎的、SPSS実践)、トラベルメディシンの本を購入するために一時帰国しております。

折角このような実学を勉強したので、ISTM(国際旅行医学学会)のCertificationを取るために今年度受験しようと考えた為です。
問題を見る限りは範囲がかなり重複しているので、復習として体に染みこませる為に非常に良い機会になると感じました。

今回は、その書籍代と往復の飛行機代を捻出する為に断らない救急病院で当直をした後に、かわいい子どもたちの為に日本食や薄焼きせんべいを山ほど買って帰る予定です(実は、最重要課題です➠買って帰らないと怒られる)

さてさて毎週後半はField Workに繰り出す7月が始まりました。週初めに準備を行いそのまま雪崩れ込むように現地へ出かけるといった感じです。




これは血液標本の作り方の実習です。

合計3回あるのですが、
1回目は過疎地での医師不在の医療、マラリアを撲滅する為の試み、また水牛訓練場にでかけました。やはり、タイでメリオイドーシスが多いのは地方の農業従事者にとって土壌媒介疾患との接触を回避することは難しく、まるで30年前に日本が日本住血吸虫対策を行っているのと同じような情況のように思えました。

さてERでは

現地のERにはヘビの見本がありました。これによって、ヘビ咬傷患者にどのようなヘビか思い出してもらい治療法を考慮します。







さて、それ以外にも観光の要素もあり、羊牧場で遊んだり、夕方以降は自由時間として川でゆったりと過ごしたり、夜中にはカラオケ大会が開かれ、またその後は夜更けまでこれまでのお互いのプライベートの話などを晒し合い、まるで修学旅行でした。

これは本当に、DTMHコースの中で一番楽しい時間でした。









ということで、またバンコクに戻り次第、次のカンチャナブリーのField workに出かけます。

ここに来て、なんだかこの生活が終わってしまう事が寂しくなってきました。
一日一日を大事にとりあえず、自分の目的と目標を達成するためにまずは日本語で統計の勉強を再度開始します。




最終筆記試験が終了。そしてフィールドへ。

2015-07-04 00:39:19 | Mahidol University編
皆様こんにちわ。

幾人かの方にメールで質問をうけました為に記載しておきます。


我々のDTMHコースでは
4月1日から授業が始まります。

試験は
5月初旬に顕微鏡:Helminth, Amoebaの診断テスト
6月初旬に筆記試験525-526
6月中旬に筆記試験527-528
6月中旬に顕微鏡:マラリア、蚊、フィラリア、トリパノソーマ
6月下旬に筆記試験529-530となっております。
これはここ数年の傾向として変わっておりませんので、途中帰国する際の目安にしてください。


DTMHコース525-526
流れとしてはHelminth(細長い線虫、蟯虫、条虫などなど多数あります)から始まりアメーバー症、トキソプラズマ、クリプトコッカス、コクシジオイデスあなどなど..その疾患の疫学、全体像、診断、治療などを講義で学びます。入学当初のここが鬼門で、日本人に馴染みのない病気やその英語授業に日本人医師全員が焦る事は毎年の事の様です。診断に関しては、顕微鏡での実習と便のスメアから診断する実学にもとづいておりますので、コース終了後には全く問題なく診断できるようになっていました。

DTMHコース527-528
次に、メインのマラリア、デング、レプトスピラ、メリオイドーシス、リケッチア、ブルセラ、リーシュマニア、トリパノソーマなどなど、日本の感染症医や総合内科医が興奮するであろうゼブラ疾患を学びます。特に、前4者などは実際のフィールドに患者さんがおりますので、実体験として学ぶにはMahidolは非常に良いと思いました。実際に7月1日-14日からオーストラリアの熱帯医学コースから6人程実習に来ておられことからも、世界的にも座学ではなく実学に基づいているのではないかと思います。ここのコースが終わって、いつの間にかマラリア原虫の鑑別が検鏡で瞬時にできるようになり、自己成長の感覚があるとても良いコースでした。

DTMHコース529-530
最後にHIV、結核、小児感染症、ワクチン等の講義と実習が続きますが、このHIVの授業はマニアック過ぎて、自分には当初ついていけず、CDCの原著ガイドラインと日本のガイドラインを照らしあわせつつ、初学者用のHIVの本を必死で読むことで乗り切ることができました。結核はこの国の罹患率とActive患者が多い事から日本とは異なっている為に非常に勉強になりました。

総括して、元々英語は好きでしたが、当初の衝撃はいかようにも表現できないもやもやした気持がありました。
たった3ヶ月が過ぎたに過ぎませんが、いつの間にか疾患のディスカッションにも、授業にも慣れてきている自分がいて、満足しています。

受験勉強のような3ヶ月が終わると、クラスの有志(ほとんどはテスト後眠りに帰りましたが)で朝まで馬鹿騒ぎをおこないました。

プロフェッショナルスクールですので、全員が数年以上の臨床経験のある医師ですが、
学生になった今、その貴重な時間に感謝の毎日です。写真のように青春を取り戻して?楽しんでおります。