第四部 Generalist in 古都編

Generalist大学教員.湘南、城東、マヒドン、出雲、Harvard、Michiganを経て現在古都で奮闘中

島レジプロジェクト お金のはなし

2020-12-23 11:57:00 | 総合診療
第23回島レジプロジェクトはなんと”医師が伝える研修医が知りたいお金の話” しかも、YouTubeライブ。

ベテラン先生に聞きにくい医師のお金の話をYoutuberのなおき先生が教えてくださります。私は全然絡んでませんが、もうそんな画期的なところまで・・・

学生研修医のみなさん、お問い合わせは!!

島レジプロジェクト-チーム ZERO- へ直接お願い申し上げます。
shimaresiproject@gmail.com
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論文のカバーレターの書き方 (How to write cover letter)

2020-12-16 12:07:45 | Research

みなさま、こんにちわ。

 

僕は色々な若手の先生と楽しくやっていることが多く、相談を受けることが本当に多いのでここにも書き残しておきます、URLでShareするようにします。正直はずかしいので嫌なのですが、良く考えると、色々な人に相談される割には下記のテンプで全く困ったことがないので公開することにします。

きっと日本の医師の中で論文を書く作業の抵抗が減り、日本の若手医師のスピード感が増すかなと考えて(恥ずかしながら)自分のCover letterをUPしておきます。

一番最初から貫いているポリシーとして、”ケースレポートに時間かけてはいけません”。さくっと終わらせる。理想的には1日、長くても1週間。そうでないと横入り仕事の無限地獄と、情熱・意欲レベルが指数関数的に減少していくのでだいたいうまく行きません・・。

Case reportは、臨床家にとって趣味や自学の勉強に近いExtra effortの仕事の分類になります。基本的には重要(大学の医局によっては全然評価されないレベルで、重要ですらないこともあるでしょう)だけど緊急ではないことがほとんどなはずです。となると臨床現場では後回しになるのは必然です。そこを注意しながら短期決戦で片付ける意識が臨床家には必要になります。

Case reportを書くのは臨床家として一番楽しく、最も興奮する作業なのですが、読者にとって役に立つだろう内容と、自分がただ医学的に知りたい興味内容の区別はつけなければなりません。後者は無限なので時間がかかってしまいます(そして無限の学びがまたキモ面白い)。

また僕も10年前そうでしたが、検索の方法が苦手だと検索式などの問題で文献が見つからない、多すぎる問題が必発します。そしてメンターである自分が検索するとメチャあるやん問題も頻発します。これは大事なので、どこかでMeSH検索や文献の絞り方を探してみてください。山ほどあるはずです。

そして、”カバーレターに時間を取られてはいけない” これは、経験的に事実と思います。そもそもケースレポートだと不要のこともありますし、査読する側に立ってみると多分読んだとしても20秒です(ごめんなさい!!)。カバーレターに無駄に思いを込めるくらいならば論文本文に思いを込めた方がいいと思われます。なので時間をかけずに!テンプレートのコピー&ペースト戦略が良いと思います

これはハーバードのメンター達も同じ様に「え?そんなん書くことどうせ決まっているし、奇を衒うより無難な方がいいし、重要じゃないでしょ!?」と口を揃えて言ってましたので、他国でもそうなんだと思います。

 

August 25, 2019

XXXXXXXXXXXXXXX(Editorの名前です)

Editors-in-Chief

BMJ Quality and Safety (雑誌の名前)

Dear Dr. XXXXXXXXXXXXXXX:

I wish to submit a systematic review titled, “XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX(タイトルの名前),” for publication in BMJ Quality and Safety(雑誌の名前). The paper was co-authored by XXXXXXXX, XXXXXXXXX, and XXXXXX(共著者の名前).

This study examined specific patient and organizational-level factors contributing to the emergence of filed diagnostic-related malpractice claims over a 56-year period in Japan. We utilized the largest Internet-based claims database in Japan (Westlaw Japan K.K). Results revealed that a sizeable percentage of claims in the database (nearly 40%) were due to diagnostic errors, and these errors were common sources of patient harm, doctor burden, and hospital litigation. Certain departments were more likely to be the target of such claims relative to others, especially as a function of hospital type (i.e., small to medium sized hospitals). We discuss that targets for potential intervention for alleviating incorrect first diagnoses among physicians by addressing short staff-to-bed ratios, along with training and work shift arrangements. 簡単に本文をまとめましょう。あなたの論文は”で、結局何がいいたいのですか?"的なKey messageを持ってくる. 基本的には目的と結果と、Keyメッセージを1行ずつ。

 

We believe that this paper will be of interest to the readership of your journal given our focus on decreasing diagnostic errors within clinical practice so as to improve care quality within various medical settings. これはきっとここに役に立つので読者が喜ぶでしょう的な。ここからはほぼテンプです!

This manuscript is an original work that has not been published or presented elsewhere in part or in entirety and is not under consideration by another journal. The study design is consistent with ethical guidelines for the conduct of research. All authors contributed to the work. We have read and understood your journal’s policies, and we believe that neither the manuscript nor the study violates any of these. There are no conflicts of interest to declare. (二重投稿、剽窃、倫理委員会、全て問題ない場合)

Thank you for your consideration. I look forward to hearing from you.

Sincerely,

XXXXXXXXXXX MD, MS, MCTM, PhD

XXXXXXXXXX University Hospital

Department of XXXXXXXXXXXXXXXXX

XXXX番地, Chomei, marumaru shi, Tokyo, 889-8511, Japan

email: XXXXXXXXX@XXXXXXXXX

 

となります。

次に、一度 Major やMinorなリバイズを要求された後のカバーレターですが、場合によってはResponse letterを貼り付ける必要があることもありますし、下記の様な簡単なカバーレターを書く必要がある場合もあります。こちらはほぼテンプレートを用いてください。それで十分です!

 

August 25, 2019

XXXXXXXXXXXXXXXX(Editorの名前です)

Editors-in-Chief

BMJ Quality and Safety (雑誌の名前)

Dear Editor. XXXXXXXXXXXXXXX:

We are pleased to submit the revised version of our manuscript titled “XタイトルXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX”

 

We have revised the manuscript according to the comments from the editors and reviewers. We hope that our paper is now suitable for publication in your journal and look forward to hearing from you.

Sincerely,

XXXXXXXXXXX MD, MS, MCTM, PhD

XXXXXXXXXX University Hospital

Department of XXXXXXXXXXXXXXXXX

XXXX番地, Chomei, marumaru shi, Tokyo, 889-8511, Japan

email: XXXXXXXXX@XXXXXXXXX

 

リジェクトされないだけ、ましですね!丁寧にカバーレターはコピペで数秒で作成する様にしています。

 

今日も、米国イクイク詐欺扱いされました・・悲しかったですが。早くコロナが収束することを祈りつつ。去年のHarvard Clubでの卒業式パーティの写真を懐かしみ、コロナを憎んで人を憎まずで細々と粛々と過ごします。

 


Quantitative Approach to Qualityのコースがやっと終わり。

2020-12-11 01:55:40 | Harvard medical school

みなさまこんにちわ。

今日は思い出に残る日になりました。

COVID-19で色々ありました・・

いつかこの日を思い出すかもとしれないと記載しておこうと思います。

 

自分の診療が難しくなろうが、家族がかかろうが、自分が倒れようが、全ての物事は進んでいきます。

 

今日はHQS703 Quantitative Approach to Quality 終了の日で、最後のQuality improvement projectのプレゼン発表でした。先週はReseearch Proposalのプレゼン発表でした。この二つが、秋学期の山場であとは大きな学期末試験を2つこなすだけです。統計・疫学など研究の内容は当然自信がありますが、医療経営学の話は正直自信ありません。

 

ハーバードの授業は当初はチンプンカンプンでストレスでしたが、6月から始まり現在は好きな授業に関してはほぼ100%ついていけるようになりました(自分の専門の関係ない分野のつまらない授業は不思議と全く何いっているのかわからない・・というか昼の疲れなどあり深夜に集中力が0になります)。

元々統計・疫学、ベースとなるプロの医療者としての実臨床の知識と経験のおかげスポンジのように吸収するとはこの事なんだと実感できています。なんとなく研修医の一年目の終わりころの感覚に近いです。

その意味で、執筆や論文や講演や国の事業などをガンガン一人で楽しくこなすようになってからようやくハーバードに在籍している今こそが、留学の一番ベストのタイミングであったのだと感じています。

MHQSは実務重視のかなり特化しているのか年齢高めのプロフェッショナルスクールなので、多分一本もその分野で英語原著を書いていない場合は学びの吸収量が減るかもしれませんし、かといって副院長クラスの年齢になって学ぶには遅すぎると思いました。

*同級生を見るとだいたい中間層は35才くらい上は60歳手前の同級生もいます。みんなすごく熱心でいい人ですが、残念ながら自宅待機です。

コロナで辛いことが多いですが、きっと辛いながら今を落ち着いて呼吸しながら、学ぶ必要があるのかなと。

いつか、思い出してみたいと思います。

 

 

 

究極的には、この下記のスライドを人に説明できることが目標ですね。

QIとQIっぽいresearchの違いを説明できるようになったと思います。

これから期末テストに向けて、要所要所を日本のみなさまにお裾分けしようとわかりやすく簡単に書いていこうと思います。しばしお待ちください。


統計ソフト STATAとSPSSとJMPとSASとR

2020-12-07 14:21:07 | Research

みなさまこんにちわ。

今日はよく質問されるのと、時間がなくて毎回毎回質問にfacebookなどで答えてられない(そもそも調べないわからない!!覚えていない)ので統計ソフトについて。

正直、なんでも良いです。一番重要視するのは、周囲の人と同じもの、そのソフトを相談できる環境が大事です。(ホームページ作れって命令されて、相談できずに作れないのと似ていますね。)なんでも良いから始めることが大事と思います。

 

僕の場合はSTATA>JMP>>SPSS>>>ちょびっとだけRです。

僕はSTATAが、個人的に大好きですが(理由はお金使って買ったから、メンター達とデータやりとりで使うから、なんかやってる感があってかっこいいから。笑)

医療の質でControl chartやRun chartなどのVisualで言えば圧倒的にJMPで、すでにあるデータを仮説なしで見る場合もJMPのビジュアル化のメリットは素晴らしいと思います。

が、仮説がしっかりとあり、統計手法もしっかりと決まっている場合は別になんでも良いのですが、将来的に現場の臨床医よりもData scientistになりたいという方は、無料のRを使いこなす方が汎用性は高いかもと思います。

 

運転免許で、MTやATどちらが良いかみたいのに似ていますが、いずれも共通認識と共通作法を理解していることで特に苦がなく進めることができると思います(大事なことは、気遅れして挑戦ができないこと)。

 

そこでとっても有用なサイトがありますので、こちらをみていただければ各統計解析ソフトのコマンドを一覧できるのでお役に立てると思います。

これさえあればなんでもOKと思っていただけるはずです。

 

UCLAのInstitute for Digital Research & Education のサイトです。

https://stats.idre.ucla.edu/other/mult-pkg/whatstat/

 


成功後の維持:Quality Control or Sustainabilityについて

2020-12-05 00:57:31 | Harvard medical school

 

みなさま  こんにちわ。

秋学期の激動がすぎて、いい感じに詰め込まれてきております。日々の大学改革や質の改善の行動でもっとも使える内容になってきていることは強く感じます。こういう学びが日本に全くないことが、変化の激しい環境に対応する集団や組織としての脆弱性の一部になっているのかもしれないなぁと感じます。この学問をしていると、むしろ環境の変化がチャンスと感じる要素があると思います。

やはりこの分野のハーバードの教員はほぼ若い優秀な女性なので、QI+教育となると女性が多いのでしょうか。

さてQIは日本でも理解されていると思いますが、QCとQPも重要です。Overlapする要素もあるのですが、だいたいの感じはこれです。

  • Quality Control (QC) focuses on day-to-day operations: これは日々の医療の質の管理の部分で、QIで実施介入できた内容をそのまま標準化して管理するための作業
  • Quality Improvement (QI) becomes necessary when stable, controlled processes are incapable of producing satisfactory results. Model for Improvement, Lean, TQM, Six Sigma, and other:これまでここで紹介してきた医療の質・変革ツールを複数用いて行っている改善
  • Quality Planning (QP) refers to an overarching system for managing quality.  これまで紹介してきたRCAの内容などを用いて、QI を立案するためのプランを立てる時期

また

では変化できた、QIできた!後に、どのように持続していけば良いか?これも極めて重要なところだと思いますが。今回はSustainabilityの話です。

この言葉を聞くと、SDGsSustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称を思い浮かべるかと思いますが、QI成功後の持続のために必要な要素はIHI的に6つあるとされます。

それが現場でQIは目立つので頑張るけど、上記のQCができていないアルアルに繋がっているらしいです。(知らんけど)まぁそうでしょうね。簡単にいうと、SustainableのためにはQC!!であるわけです。

そして面白いのが、QCできていないというのは、多くの場合Senior leader トップの責任と言いきってます。下記6つをリーダーとしては心がける必要がアリそうです。

 

Standardization denotes specific, detailed, documented standard procedures. 標準化とは、具体的で詳細な、文書化された標準的な手順を意味します。現場のスタッフだけでなく、監督者、より高いレベルの管理者、幹部クラスが熟知する必要があります。現場の混乱を最小限に抑え、機器や消耗品の資源を確保し、スタッフが何をすべきか、いつ、どのようにすべきか?を確実に把握することで、標準化してサポートしなければならない模様。(Ope 室でのチェックリストや病棟のバンドルもそうですね)

Accountability means a process is in place to review implementation of standard work. 業務が標準化されているか確認するためのプロセス。ベストプラクティスを維持している組織は、各勤務日またはシフトの最初に現場の申し送りや相談を採用。これにより標準的な業務プロセスにスタッフの注意を維持可能。しかし、現場のスタッフだけではなく管理者も時々参加するようにした方が良い。

Visual Management involves the use of clear, simple data displays at the unit level that show performance on key quality measures over time, and track problems the team is currently addressing. 情報は見える化する!!明確でシンプルなデータを表示し、主要な品質指標のパフォーマンスを経時的に表示し、チームが現在取り組んでいることの問題点を全体で確認。情報は、チームが見渡すことができるよう透明性高く表示を!これが各自の相談と調整に必要。スタッフは毎日データを見直し、更新する。

Problem Solving means methods are available for developing frontline improvement skills so staff can address issues as they arise.問題は必ず起きる。スタッフが問題が発生したときに対処できるように、問題に対して現場のQI+QPが用意されていることを意味する(これは難しい、この表なことを理解できるとなるとMBA的、リーダーシップ的、マネージメント的なことを理解している人が多いチームになりますね)。一貫した品質を維持するためには、第一線のスタッフが日常的に日常的な問題を無視しないことが必要です。頻繁に報連相することで、QC品質に関する問題を提起したり、トリアージしたり、単純な問題を処理したり、ガッチリしたQIプロジェクトを要する問題を提議させる。

Escalation involves frontline staff scoping issues and raising those that require management action to resolve. 第一線のスタッフが問題を視野に入れ、管理者による解決策を必要とする問題を提起できる(しなければならない)。これは日本は得意、上に持って帰る、上が判断する作業ですね。

Integration means active communication and consistency of purpose between levels of management and professional staff, and across departments. 経営層と専門スタッフの間、現場、部門を超えた積極的なコミュニケーションによりと見える化したGoalを持ち続ける。これは、組織がそのミッションステートメントの約束を果たすためには不可欠。これには戦略的意図と現場の品質目標との調整、改善イニシアチブの優先順位付け、開始、管理、改善能力の構築など、多くのことを行うため横断的な視野と視座が必要。(だから米国ではHospitalisがQIやってることが多いんだと思います。)

 


Scale-up approaches 改善成果の拡大戦略  しまねでやってること。

2020-12-04 14:10:06 | Harvard medical school

みなさまこんにちわ。

最近は、期末テストとPersonal quality improvement project発表 (僕はAI coaching によって僕は痩せるかどうか?!毎日2ヶ月体重付けました・・果たして成果は?)、とResearch proposal 発表や申請書提出(6P程度の科研費申請みたいなものです:慣れているので簡単ですが普通に自分の研究とFull time workerやりながらだとLiterature reveiwなど時間かかってしまい睡眠不足に)で追われてしまう全く更新できませんでした。やはりアウトプット目的でない勉強は効率が悪く、僕の年齢だと忘れる、忘れる。

さて今週のテーマは、Scale-up approaches です。

簡単にいうと、Change management (変革)やQuality improvement (改善)のPDSAがうまくいって、標準化された時に、これまで学習してきたような

Micro sytemからMeso systemそしてMacro systemへとどのようにスケールアップしていくかという話になります。

これはいつも自分が一生懸命考えている、虫の眼・鳥の眼問題、視野・視座・視点が調整できない問題とも繋がりますのでとても感得できる内容です。

実は今、Harvard Medical Schoolの大学院課題をゴリゴリにこなしながら、島根全体のフィールドを使わせていただいて全国の総合診療医育成ロールモデルとしてなんとか貢献できないかを考えています。幸いに信じられないくらいの強力な支援をいただき、真剣に行動にうつしておりますが、やはりこの考え方がとても大事だと思いました。とってもうまく行きつつあります。

僕のプログラムはQuality and safetyとはいえ、ビジネススクールの要素が半分くらいあるのでそれがまた面白くもあります。

人間の性でどうしても避けようがないのですが、自分の医局だけ、自分の病院だけ、自分の島根県だけ、自分の国だけに固定されてしまいやすくなりますので、その現場、その空間で調整することがやっぱり大事だなぁと思います。

逆を言えば、夜は色々な国をやりとりをして、昼は島根のことだけを考えていると、どうしても時々視座や考え方が極めておかしくなって物事をみたりしていることに気付きますのでメタ認知して自分を制御しなければなりません。

最近やったことといえば、Stakeholderを全員列挙して、その多くの人材が喜んで楽しく活躍できて本人のためになるだろうDriver とモチベーションや要望や需要を分析、それに対する供給と戦略の調整と大学上層部、県行政上層部との交渉と決定ですね。これもHarvardの課題内容と恐ろしいくらいドンピャシャリではまっています。

うまくいったらいったん評価して、再度作り直しながら次のサイクルへ。結局は短期間で学習したことでしたが現場で圧倒的に毎日頻用しているのでとても本質的で重要なことを、単に僕が知らなかっただけであったということに気付きます。

まるで、なんとなく聞いていた心雑音や呼吸副雑音の聴診をしていたかのような過去の自分に気づけるので楽しいです。

もちろん理論だけでは全然ダメで、学びながら現場で実践がないと鼻クソです。なので、これはとてもいいサイクルになっています。

初期研修医が診察しながら本を読むみたいな感じです。

最近は本当だったらボストンの美しい街並で自分の勉強だけ専念できたのにぃ〜と、高額な授業料を支払ってコロナの影響で文句ばかりいって嘆いていました。が、400年以上の歴史でこんな感じで現場とバーチャル?の世界でいったりきたり学んでいるのは僕だけかもしれないので、10年後僕が生きていればいつかすごく役に立つかもと、ここは踏ん張りどころと考えてじっとじっと静かに耐えています。

 

 

 

 

IHIの普及のためのフレームワークです。下記6つを考えます。左から右へ広がっていくイメージです。

・システム側組織の、責任者の明確化/インセンティブ/リーダーシップの設定

・成功事例とデータ

・コミュニケーションツールの設定とチャンネルとメッセージの用意

・社会システムへのスケールアップ

・IHIガイドラインを用いてスケールアップの活用

・現場のFeedbackに応じた普及活動の向上させる

 

 

 

スケールアップするためのフレームワーク:この流れを意識する。いきなり大きなことから始めない。

ポイントはScalable unitの開発:成功事例や効果の高い治療や活動などをセットアップした後に、次の大きなスケールでうまくいくための規模へ拡張子したものを事前に作成しておく。

大きなシステムで挑戦を開始したらあとは以前までやってきたようなChange managementやLeadershipです。

 

*Barker et al. Implementation Science (2016) 11:12 DOI 10.1186/s13012-016-0374-x

 

もっともっと面白い考え方がありました。

 

* Gareth J. Parry, et al. Recommendations for Evaluation of Health Care Improvement Initiatives. ACADEMIC PEDIATRICS 2013;13:S23–S30より

これは、一見うまくいった変革や改善が、他の施設や文化ではうまく行かないことを完全に説明した論文だと思います。

非常によく考えられていて、最初小規模のテストや試みがものすごくうまくいっていたとしても(成功率100%)、背景が違うとその成功率はガクッと落ちるということを示唆しています。

つまり先進的な治療や試みや組織の変革も小規模で導入できたとしても、急激にMesosytemに取り込むと背景がまだ統一されてきていない幅が広い状態だと失敗割合が高くなるので人々の評価も下がってしまう可能性を危惧します。背景が似たような状態に集約されていれば必然的に成功率も高いのでうまく評価を得て大きなスケール規模で展開できるという考え方だと思います。