第四部 Generalist in 古都編

Generalist大学教員.湘南、城東、マヒドン、出雲、Harvard、Michiganを経て現在古都で奮闘中

国際空港検疫実習: Quarantine(北海道にて記載) DTMH Day142

2015-08-22 02:25:10 | Mahidol University編
皆様こんばんわ。

実は只今、日本最北端にちかい漁師町の病院で1人当直医を行っております。
普段、激しい当直しかしない自分には、この平和な夜に若干戸惑いを感じながら、美味しい空気に感謝しております。



人生における進路を考えながら、道は一つでなく、自分の目指すべきIdealをどのように実現させて努力していくか。
そんな事を、時間が有る時に時々確認していく作業が私にはいつも必要で、この外気温19℃の過ごしやすい夜は物思いにふけるのには丁度良い静かな空気です。

さて、DTMHの選択実習の続きを記録しておきます。

Advanced Travel Medicine 2の実習では、非常に面白い内容が盛りだくさんで、普段経験できないような国際空港の検疫所に侵入して議論したり、航空会社の非常設備について学んだりします。







空港で職員通路から皆で侵入し、発熱患者のスクリーニング方法や、実際の検疫官の仕事。
また、テロや急病、エボラ出血熱などを想定した飛行機の着陸後の対応についてシュミュレーションがあり非常に面白かったです。





この実習を境に、DTMHの授業を終了して帰国したりバカンスにでる同期がチラホラ出てきました。

MCTMに進学して日夜(本当に日夜研鑽の日々)論文の読み込みと、Study protocolの立案などなど、やることが多いMCTM組との雰囲気の差が如実すぎて笑えます。

ともあれ、やるべき事を当たり前に各個撃破していく。
今はそれだけです。

バンコクでの無差別爆弾テロについて

2015-08-21 08:55:11 | Mahidol University編
皆様こんにちわ。

此方、バンコクでは8月18日にあった一連の爆弾テロ事件の為に厳戒体制がしかれております。
平和な国際観光都市として発展しているバンコクでのこの事件は、経済に多大なる影響を与える事が予想されます。優しく笑顔を絶やさない国民性をもつこの国で、誰が何の為にこのような酷いことをしたのか誰にも予想がつかず色々な憶測が飛び交っておりました。

事件後に警察から発表では、次の標的として想定される地域として、我々のキャンパスが生活拠点であるVictory monument(交通の要所)やSiam(商業の中心)等が含まれ、何をするにも家族含めて万が一の事を考えてしまうストレスフルな数日でした。

ただ外国人の死亡原因は圧倒的に交通事故が多く、確率論からいってバイクタクシーやTukuTukuに乗っている方がおそらく危険性が高いとは思います。頭では、不安や恐怖は自らの脳内で創りだされた幻にすぎないとは分かっていたつもりです。

しかし、 無差別テロというのがこれほどにまで我々に恐怖を与えるものかという事が、肌身を持ってわかりました。暴力により、負のイメージを植え付ける事に関しては犯人たちは成功したのかもしれません。

世界で安全な国とも言われる日本でTVの映像から飛び込んでくる世界とは別に、いつの間にか巻き込まれている自分が居て、不安や恐怖というものはまるで毛穴から染み込んでくるような空気の様な感覚です。

DTMHの同期にはMSF(国境無き医師団の事です)出身の医師が数人いるのですが、紛争地域で医療活動を行う方々の強い使命感と正義感というものがどれだけ凄いものであったのかを初めて知りました。

8月21日一時帰国し、9日間で関東と北海道を二往復してフィールドワークの続き(非常勤医師としての勤務の事です)をしながら間の日に旭川医科大学で検査が満足にできない環境で如何にPhysical とVitalから絞って行くかという事を講演した後にバンコクに帰ります。

MCTMの研究テーマに関しても、統計家と血液内科指導医と腎臓内科指導医と4人で話し合いを行い決めました。
やはり、とことんVitalにこだわって見たいと思います。

私の生やした根は総合内科医ですから。


夏休みパタヤビーチに行ってきました。

2015-08-10 20:53:50 | Mahidol University編
夏休みが明けました。
さて、MCTMコースで医療統計の講義を受けていた私をよそに、世界へ散らばっていた仲間が続々とバンコクに帰ってきました。
まるで、小学校の夏休み明けのような何となく憂鬱な気怠さ・・、日焼けの自慢、各国の経験を積んだ医師達とは言え殆ど大学生と変わらず和気あいあいとしております。

たまには、観光的なことも書いてみたいと思います。
私は 少しでも空き時間があれば日本に帰って断らない救急当直を行いながら自己研鑽と武者修行(これ大事です、感覚が鈍るのを防ぐ事ができます)、
並びに学費を稼ぐ為に日本へ帰りますので、この週末のわずか2日間が本当の意味での半年間の「夏休み」でした。

家族サービスの為にPattayaという有名なビーチに出かけてきました。
一見、高級ホテルが乱立するこのビーチからはハワイや、グアムを想起させ、全く遜色劣らないのですが、なんとバンコクから高速バス片道120THB(400円位)で来れます。

勿論、経験的にハワイ、サイパン、グアム、シンガポールのビーチとあまり変わらず楽しむ事ができ、水質を求めるならばラン島という海水浴目的で世界中から人が集まる島にわずか船30分(30THB=110円程度)で行く事も可能なんです。



写真は、島のビーチでしたが、これはもう私が島で医師を経験させてもらった与論島のビーチとそっくりで非常にリラックスできました。

ビーチは島の中に全部で7つ程あるのですが、交通手段が無いために観光客は概ね125Cのバイクを200THBで1日借りて走り回るというショッキングですが、非常にコストに優しく楽しい移動手段でした。
私は若かりし頃、自動二輪に好んで乗っていたので運転は問題なかったのですが、受付で免許証を預けてから一台に子供2人と妻を乗せてと・・・、ほぼヤンキー状態です。

Pattayaの高速バスのりばからMochitないしEkkamaiの高速バスセンターまでは片道2時間で、一日中バスが出ていますから、もし月曜の午前中に授業が無かったら向こうを朝10時のバスに乗れば午後の授業に間に合います。
例えば金曜の午後授業が終わってから直ぐに行けば3泊もゆっくりできるなぁと思いました。コレは本当にお勧めの妙案です。言語の問題、ストレスフルな学生生活で煮詰まった時にはビーチで格安リゾート兼勉強生活なんていかがでしょうか?

そんなこんなで、私は気づくのが遅すぎましたが、来年以降の日本から来られた先生に、日帰りでも良いのでリゾートビーチでたまにはゆったりとすごされることをお勧めします。
また、この街の夜は別の顔を持っており世界有数の歓楽街です。
危険なお姉さん、お兄さん、もしくはその中間がいるために要注意です。

Elective course(統計授業) が始まりました。DTMH Day 126

2015-08-06 21:44:21 | Mahidol University編
皆様お久しぶりです。
日本に帰り、ひたすら断らずに救急車を受けている間に、疲労の為かすっかり勉強の内容が抜けてしまっている自分です。
Bangkokに戻り気づいた事・・
間違いなく、日本の8月に較べて過ごしやすい。特に朝晩はエアコンが要りませんから。

さて授業は選択期間にはいりました。
どちらかというと自分はこちらをメインに入学しましたので、ここからが実は正念場です。

私が選択した講義は
503 Introduction to clinical research 1単位
510 Statistics for clinical research 3単位
509 Medical problems in the Tropics 2単位
502 Biostatistics  1単位
532 Travel Medicine Ⅱ        2単位

です。
MCTMに進む医師は全て統計的勉強は必修です。
将来的に全世界の疾患を想定するトラベルメディシンでも働いてみたいなと思うようになりましたので、ICTMの受験を考慮してアドバンスドコースも受けておきます。

早速始まった502のBiostatisticsですが、非常に実学です。
普通、数式や概念や考え方を学ぶ内容が日本では多いかと思いますが、これはお勧めです。


自分のノートパソコンにSPSSのソフトを大學の版権で無料でインストロールしていただき(凄い!)、それに仮想データをいれたものを受業で1つずつ解析したり、Tableを作る練習をしたりとまさに願ったりかなったりの痒いところに手が届くレクチャーです。試験はありません。が、テーマが小児期のマラリア感染と数学・国語の点数の低下の関連性についてで、毎日課題がドバッと出ます。そうこうしてSPSSのソフトに慣れて使える様になるように仕組まれています。こりゃまた、実学の実学で非常に習うより慣れろ的な非常に良いチャンスだと思いました。

受講者はたったの4人です。バングラディッシュ、カンボジア、日本人医師です。



数式を全く使わないで教えるこの先生に惚れました。なんでそんなに教え方がうまいのか聞いてみました。下記勝手に意訳
「だってさぁ~、自分が臨床やってたころも、全然わかんなかったじゃん。だからわけわかってない人にいかに嫌われずに分かるように教えるかが統計は大事なのよ。」ですと。
こんなにもいい教育者だなぁと思う人は何処にでもいるもんではないと思います。このような先生に会えただけで、この講義を受けてよかったなぁと。

まぁそんな感じで熱帯臨床医学とは少しおもむきことなる新しい生活が始まりました。