第四部 Generalist in 古都編

Generalist大学教員.湘南、城東、マヒドン、出雲、Harvard、Michiganを経て現在古都で奮闘中

National Taiwan Universityから学ぶべきこと。

2017-11-28 17:04:50 | 総合診療

みなさまこんにちわ

Soshi Manoと徳田先生とNational Taiwan University (NTU) に行ってまいりました。
(他にも熱心で前途有望な国試前の6年生が4人も)

初めて台湾に行きましたが、まず物価がほぼ日本と変わらない(タクシーだけ安い)と感じたことと、インフラがちょうどバンコクと日本の中間のような印象を覚えました。バンコクの中心部は完全に銀座や新宿に近いのですが、ちょっと離れるとそうでもありません。台湾の場合は沖縄に近いようなノスタルジックな感覚です。

さて、何をしに行ったのかというと、
Choosing Wisely Japan-Taiwan meeting に参加するためだったのですが、いろいろな訳があって
師の代理として当日慣れない領域をパネルディスカッションするという事になってしまい、結果オーライで楽し過ごしました。

 

台湾大学の先生方には、朝から夜まで毎日連夜連夜歓迎会などを開いていただき、今までの海外で受けたおもてなしと比較にならないレベルで・・・
感激しました。
僕らは逆にここまで外国の先生達をおもてなしできていますでしょうか?
言語の問題やシャイな面もあり、中々十分に応対できていなかったことに反省しております。

さて、NTUは1895年に日本政府が統治した後から、台湾独自の中国医療の医師などの医療行為や無免許での医療行為を禁じてその後医学部を2年以内に設立しました。その後からずっと日本式の医学部教育が行われてきたという歴史があります。

もちろんそのことに賛否両論あると思うのですが、先生たちは我々日本人にとてもリスペクトを持って接してくださりました。NTUの先生と話していると戦後からの変遷も知ることができて、かなり新しい学びと発見があります。

学内にある博物館はとても興味深く、自分の夜に寄生虫や蛇咬傷なども興味を持っている人間には感動レベルで、特に横川吸虫の横川先生が研究していた時のままカバンや資料が残っていました。

教育は日本式であったのですが、アクティブラーニングを行い医学生をより良く成長させるために、縦割りの授業から、一つの臓器や疾患に対して基礎や臨床をバラバラに混ぜて授業を開始しておりました。これは本当に驚きです。最初は、各講座や各科の派閥やプライドなどのことから難しかったそうですが、アジアを代表する医学教育をしなければという医学部全体の使命を偉い先生たちが認識することで全体で変わっていったそうです。

よく、欧米の教育を取り入れるということが話題になりますが、僕が思うに直接輸入し大きく変革するのは文化がそもそも異なるためにとても難しく、feasibilityが高い方法は台湾のような日本式の教育から独自に変化を遂げて行ったアジアの大学から学ぶことなのではないかと考えるようになりました。

今後、島根と台湾でいろいろと提携ができると思うと嬉しいです。まずは日本病院総合診療医学会 in 沖縄の準備を。

ありえない、ホスピタリティー病院長から偉い先生がみんな人格者であって、正直お国の差を感じました。

 

 

 

 


清田先生最終講義~島根で第二の清田を作るために〜

2017-11-27 15:31:50 | 総合診療

みなさまこんにちわ。

 
 
 
前回、清田雅智先生に最終講演がありました。
題名はなんと「島根で第二の清田を育てるために」でした。
 
大事なことは、知識ではなく知恵をつけること。
 
言葉では簡単ですが、これはとてもエネルギーのいる成長戦略であると思います。
 
本当の力をつけるためには、どんな疾患でも、どんな症状でもただ謙虚に
一つ一つを毎日調べて積み上げて行く作業が必要である。
 
やれば必ずできる、諦めるからできない。 
そんなことを強く言われたような気分でした。
 
 
 
 
ちなみに、私はキャリア作成とかキャリアアップとか、キャリア~キャリア~言うことはいっさいありません。
考える機会がなかったし、目の前に患者さんが常時いたのと、他者の表面的な評価はいっさい気にしない性格なのか、
タイ人のマイペンライ気質なのか。。基本的に軸も全くぶれていないです。
 
清田先生のキャリアについての考え方が極めて自分と似ていて、
何の学会に入って、何年目で何の資格を取って、専門医や学位や、そういう対外的な評価を
求めるのとは異なり、自分が勉強したい内容を勉強し続けてきたら清田先生の今があるとのことでした。
 
一見一貫性がないように見えるけれども実は一貫して変わらない学びの姿勢も
飽くなき向学心もあぁなりたいけど、簡単には成れない頂きとして、やはり清田先生にはメンターでありいつも非常に学ばさせていただいております。
 
今回で飯塚から出雲まで毎回2日間を全16回(つまり32日間)に及び指導しに来て頂きました。
その指導を受け感化された若者の一部は県外の研修病院で学び、ちょこちょこ還元しに帰って来ている印象です。
 
私がやるべきことは、彼らのような色々なことを学んだものが生き生きと活躍できるフィールドを整えることであると思っています。
 
清田先生、本当にありがとうございました!
 
 

矢野晴美先生 島根で感染症診療 抗菌薬の使い方講義

2017-11-12 01:39:43 | 総合診療
矢野晴美先生が松江に来られましたので、学生たちとワイワイ聴講に行ってまいりました。
 
 
岡山の学生時代に講義を受け電撃ショックを受け、桃色のアノ本は初期研修医の教育にまんま使ってきました。
 
今回のカルバペネム、3rd経口セフェムなどの話もキレッキレッでまさに今自分が直面する問題に強烈な援護射撃をもらった感じです。
 
若い仲間はみんなサインをもらい、感染症治療に関してマインドセットされたと思います。
(PS:いつものノリでHarumi旗を最前列で全員で振ろうとおもったのですが、真面目な雰囲気すぎて撤退!)
 

オールしまね指導医講習会 研修医修医指南書「今の若者は・・・・・・」って、嘆いていませんか?を読んで

2017-11-12 00:43:44 | 総合診療
ERの志賀先生から今までになかった書籍を献本いただきました。
【研修医指南書「今の若者は・・・・・・」って、嘆いていませんか?】
まずタイトルがいいですね。
あまりにも現代の研修医を指導する上級医・指導医の現場の問題点と解決法を捉えていて、寧ろ「悔しい」という素直な気持ちが生まれる素敵な本でした。自分がこういうものをいつか書きたいな、この内容を文字にしたいな、などのことを考えて貯めている間に
あっという間に世界の情勢はかわり教育的エビデンスなども色々と蓄積され世に出ていっている印象です。
 
特に山本五十六の言葉を引用しているあたりはまさに同じことを発言してきたので、とてもシンパシーを感じます。
これは指導医講習会でこそ発揮する内容であると思い、読んでいて楽しかったです。
 

そうそう最近は島根県にとって初めての事がありました。ブルゾンちえみが島根大学を凱旋訪問したという、、ことではなくて。

11月4、5日に指導医講習会を島根だけで初めてオールしまねで開催しました。

全タスクが全て島根の医師で成り立っている初めての事で、ボスの鬼形先生が構想5年でようやく夢かなった瞬間でした。
教育は借りてくるだけではなく、最終的には内部から育てて、根付かせねばならないと思います。
 
 
 
「レクチャーよりカルチャー」です

個人的には「指導医のお仕事」や「フィードバックの方法」、「OMP:one minute preceptor」の話をさせていただきました。
 
私からの提案ですが、指導医のお仕事は
 
ほうれん草にたいして、おひたしを作ってあげることだと思っています。
 
 
 
 
 
研修医にSOAPを言わせる(特にAPが重要)
話し終わるまで、さえぎらない、質問しない、評価しない
研修医の「教育的診断」を行う
・何を、どこまで理解しているか(readiness)
・指導医に何を求めているか(request)
 
OMP(one minute preceptor)
意見を聴く (まず何をすればいいかな?)
根拠を確認する (どうしてそう思うの?)
原則を教える (一般的には○○だよね)
良い点を認める (○○ができたのは良かったね)
改善を図る (次に○○するときには△△に注意すると良いよ
 
 
最後に山本五十六の言葉お借りします。
 
「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」
 
 
この有名な文の跡が 、指導医にはさらに肝心です。
 
 

「話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。

やっている姿を感謝で見守り、信頼せねば、人は実らず。」

 

最近はあまり時間を捻出できずブログが更新できませんが、日々の自己成長の為にも

更新していきたいです。今日はこの辺りで。