今回の休日倶楽部パスは5日間使えます。
前日の羽根沢温泉から一旦自宅に戻ったのですが、残り2日間あります。
その2日間で雲母温泉に行くことにしました。
雲母温泉(きらおんせん)は新潟県北部、関川村にある”えちごせきかわ温泉郷”の5ヶ所ある温泉のうちの一つです。
”えちごせきかわ温泉郷”は飯豊山地を源流として日本海に流れる荒川沿いにある温泉です。
雲母温泉には以前は数軒の宿があったようですが、現在は2軒だけしか営業していません。
その内の1軒、「寿荘」に宿泊しました。
新潟から羽越本線で坂町まで行き、坂町から米沢までは本来ならば『米坂線』があるのですが、2年前の豪雨で被災してからはずっと運休していて代行バスが走っています。
運休区間は坂町から今泉まで、その先の米沢までは通常運転をしています。
代行バスを越後下関駅で降り、宿の送迎を断って、旧越後米沢街道を歩きました。
街道沿いには国の重要文化財の『渡邉邸』があるので、そこを見学するためでした。
渡辺邸は江戸時代の豪農の館として、3000坪もある広大な屋敷です。
他には誰も見学客がいなかったので、ゆっくりと屋敷全体を見て回れました。
そして、その大きさに圧倒されつつ、釘隠しの飾りものなど、さまざまな細かな手法に感心したりしながら、日本伝統の木造建築の素晴らしさを十分に堪能させてもらいました。
屋敷の中にある土蔵群や庭園なども見学しました。
[渡邉邸入り口]
[渡邉邸庭園]
渡邉邸から「寿荘」までは徒歩15分ほどです。
その間、米坂線の線路沿いを歩いたのですが、2年間放置されたままの線路が草ぼうぼうになっているのを見て、気の毒になってしまいました。
このまま廃線になってしまうのでしょうか?
寿荘は「高台の宿 寿荘」という名の通り、国道113号線から山側の高台にありました。
玄関に入った瞬間からアットホームな感じの宿で、スタッフがとても気さくに対応してくれました。
総部屋数は6室、すべて違った趣向の和室のようで、案内されたのは2階「さくらの間」、ベッドの部屋でした。
とても広く、洗面台は付いていましたが、トイレは外で共同でした。
この宿は部屋数の割には広く、廊下などには昔の調度品が置いてあったり、ちょっとしたスペースには必ず花が飾ってありました。
これは女将さんの趣味のようでした。
全体にすっきりとしていて、隅々まで掃除が行き届いている、といった感がありました。
[寿荘・館内]
宿に入るといつも真っ先に温泉です。
お風呂は2ヶ所、それほど大きくはなかったのですが、窓が大きくて明るい浴室でした。
湯船からはもったいないほどお湯が溢れていました。
源泉掛け流し、少しぬるめで無色透明のお湯、源泉温度が高いため加水しているようでした。
泉質はナトリウム-塩化物・硫酸塩泉(低張性 弱アルカリ性 高温泉)となっていたので、特別取り上げるほどのこともないお湯だと思ったのですが、とんでもなかったのです。
入った途端、肌にまとわりつくようなお湯のように感じられました。
優しいお湯、という表現がピッタリのお湯だったのです。
どの成分が効いているのか分かりませんが、いつまでもそのまま入っていたいようなお湯でした。
お風呂から上がってからもずっと、肌がスベスベになっているのが分かりました。
風呂上がりは食事です。
魚介類と山菜が中心のメニューでした。
魚は料理長が、岩船港まで買い付けに行くらしく、とっても新鮮なものでした。
この宿の名物は「鯛のカブト煮」だそうで、ちょっと甘く煮付けてあって、おいしく頂きました。
山菜はタラの芽を保存したものなど、すべて手作りされたものでした。
食べきれないほどの量に味付けも年配者向けに優しくしてあり、大満足でした。
帰りはご主人が駅まで送ってくれました。
大きくてかしこまった宿よりも、アットホームな宿が好きな人にはオススメです。
5日間のJR東日本の電車乗り放題もこれで終わりです。
次の予定は10月です。
気の早い話ですが、今からどこの温泉にしようかと考え中です。