日々是好日

撮った写真や思っていることなどを気の向くままに書いています。

ジャンボニンニク

2023-06-19 08:00:00 | 植物

畑の中にネギ坊主のような花が咲いていました。

ちょうど居合わせた人に聞いたところ、「ジャンボニンニク」だと教えてくれました。

ネギの仲間の花はみんな似ていますね。

先端に薄い皮の帽子(苞)をかぶり、それが剥がれると中から小さな花がたくさん現われてきます。

最初に見た時、いくつかの花の下に何やら白いものがぶら下がっていました。

どこかから葉っぱでも飛んできてくっついているのかなと思ったのですが、それが帽子の一部が剥がれた残骸だったのです。

 

このように花の下に薄い膜がくっついていました。

 

これは帽子が半分だけ取れ、中から花が半分顔を出しているところです。

 

[収穫されたジャンボニンニク]

 

ジャンボニンニクの特徴は何といってもその大きさです。

通常のニンニクの約5~10倍にもなる大きなサイズのニンニクで、中くらいのタマネギと同じくらいの大きさものもあります。

もう一つ、通常のニンニクと違うのは臭いの元になる「アリシン」という成分の含有量が少ないので、あまりニンニク臭がしないことです。

その代わりに「サポニン」と呼ばれる肝臓の機能を良くしてくれる成分が多く含まれているようです。

あまりスーパーマーケットなどでは売られていませんが、最近では鹿児島県の道の駅で販売されているのを見たことがあります。

というのも、日本での主な産地は関西から九州地方などの暖かい地方らしいのです。

ニンニクと名前は付いていますが、分類上はニンニクはなく、リーキ(西洋ネギ)の一種だとのことで、どちらかというと、タマネギに近いような感じなのでしょうね。

そのため、生でも食べられるようです。

大きいので「エレファントニンニク」、特有の臭いもあまり強くないため「無臭ニンニク」とも呼ばれています。

 


 

学名:Allium ampeloprasum var. ampeloprasum

英名:Elephant garlic

別名: エレファントガーリック、ジャンボリーキ

科名・属名:ヒガンバナ科 ネギ属

原産 :地中海東部

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アメリカオニアザミ(亜米利加鬼薊)

2023-06-17 07:00:00 | 植物

「アメリカオニアザミ(亜米利加鬼薊)」、名前からしてすごいですね。

でも、名前だけでなく実際にすごいのです。

何がすごいって? それは『トゲ』と『繁殖力』です。

「アメリカオニアザミ」はアザミの一種ですが、外来種です。

日本には存在していなかったのですが、アメリカから輸入した牧草や雑穀の種子と一緒に入ってきたらしく、この名前になりました。

でも、実際にはアメリカ原産ではなく、ヨーロッパの植物だったようなのです。

だから別名では「セイヨウオニアザミ」とも言われています。

 

繁殖力がものすごく高いようで、あちこちで見かけます。

見かけどおりに生命力も強いのか、アスファルトの隙間などからも出ているのを見たこともあります。

 

  在来種の代表的なアザミ2種類 

世界中には300種以上のアザミがあり、日本にも150種類ほどがあるらしく、その大部分が①ノアザミとその改良種、②ノハラアザミのようです。

① ノアザミ

数多いアザミの中で春から初夏に咲く品種です。

その他のものは夏~秋に咲きます。

ノアザミの特徴は総苞がほとんど平らになっていることです。

(総苞=花の基部を包んでいるうろこ状の苞の集まり)

ノアザミの改良品種は『ハナアザミ』と呼ばれ、別名が『ドイツアザミ』です。

花色は紅紫が中心ですが、改良品種には白やピンクなどもあります。

[ハナアザミ(ドイツアザミ)]

 

② ノハラアザミ

夏から秋にかけて咲いていたらノハラアザミです。

花が紅紫色で、2~3個集まり上向きに咲き、総苞片が斜め上向きになっているのが特徴です。

[ノハラアザミ]

 

在来種のアザミと「アメリカオニアザミ」を比べてみました。

アメリカオニアザミの花期は7月~10月、濃いめのピンクの花が咲きます。

鋭いトゲが異常なほど多く、花の総苞、葉の先までトゲになっています。

花が終わるとタンポポのような綿毛ができて、風で飛散します。

 


 

学名:Cirsium vulgare

英名:Bull thistle、Spear thistle

別名:セイヨウオニアザミ

科名・属名:キク科 アザミ属

原産地:ヨーロッパ

 


アメリカオニアザミと検索すると、たくさんの自治体のページに行き着きます。

すべての自治体が『アメリカオニアザミは総合対策外来種に指定されいるので駆除にご協力ください。』というものでした。

それほど嫌われているようです。

アメリカオニアザミ側にしてみたら、その鋭いトゲで戦っているつもりなのでしょうね。

 

 

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クララ

2023-06-15 07:00:00 | 植物

何気なく見ていた韓国ドラマ『チャングムの誓い』に「クララ」という言葉が出てきてビックリしました。

このドラマの中で薬草の話があった時のことでした。

「クララ」は根の部分が生薬として用いられているので話の中に出てきたのでした。

韓国語でも「クララ」と言うのかな? などと思ったのですが考えてみたら見ていたのは日本語訳版でした。

今だったら「クララ」が咲いているかもと思い、以前に見つけたことがあった場所に行ってみました。

やっぱり咲いていました。

クララ~♪、アルプスの少女を思い浮かべる可愛い名前なのですが、それに似合わず素朴で地味な花です。

実はこの名前、根に苦みがあるから「苦辣(くらら)」、食べると目が眩んでしまうから「眩草(くららくさ)」というところから付いたようなのです。

立派な日本語なんですね。

カタカナで書くから勘違いしてしまうのですよね。

花は葉っぱと同化してしまうような色で、気をつけて見ないと見過ごしてしまいそうな感じです。

でも、クララは地味だけれど今の日本にはとっても大事で、なくてはならない花(木)なのです。

それは、瑠璃色の羽が特徴の「オオルリシジミ」という蝶の餌になるからです。

現在オオルリシジミは長野県の一部と阿蘇地方にしか生息が確認されていない絶滅危惧種の蝶です。

オオルリシジミの幼虫がクララだけを食草とするようなのです。

だからこの花(木)がないとオオルリシジミは生きていけなくなってしまい、絶滅してしまいます。

今では「オオルリシジミ」の保護増殖を促進のため、食草の「クララ」を植える活動をしている地域もあるようです。

 


 

学名:Sophora flavescens Aiton

英名:Shrubby sophora

別名:マトリグサ、クサエンジュ

科名・属名:マメ科 クララ属

原産国:中国

 


韓国ドラマの中に出てきた薬草は実際には『キバナオウギ(黄花黄耆)』のことのようです。

キバナオウギは「クララ」や高山植物の「タイツリオウギ(鯛釣黄耆)」に近い品種だということで、日本語訳をした人が「クララ」という言葉を使ったのだと思います。

 

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アカバナユウゲショウ(赤花夕化粧)

2023-06-13 07:00:00 | 植物

「アカバナユウゲショウ(赤花夕化粧)」が咲いていました。

この花も園芸種として日本に持ち込まれたものが野生化した帰化植物です。

あちこちで目にするようになりましたね。

可愛くて優しい花のように見えるのですけど、結構たくましいようです。

この花は昼間は閉じていて夕方になったら開花するからと、別名では「ユウゲショウ(夕化粧)」という名前になっています。

でも、その名前も今ではふさわしくないような気もします。

この花は朝から夕方までいつも開いていて、閉じているのを見たことがありません。

帰化植物として定着していく課程で変化してしまったのかもしれません。

そして、この花とは別に、同じ「ユウゲショウ」という名前の花がもう一つあります。

それは『オシロイバナ』です。

[オシロイバナ(ユウゲショウ)]

 

オシロイバナも花は夕方に開くので、和名は「ユウゲショウ」です。

混同しますよね。

だからユウゲショウの前に『アカバナ』を付け足したようなのです。

 

 ウォーキング中に「アカバナユウゲショウ」の白花だけが咲いている場所がありました。

白花は珍しいようで、今までポチポチと咲いているのは見たことがありました。

でも赤花は全く無くて、白花だけがこんなにたくさん咲いていているのを見て、ちょっと嬉しいような、ビックリしたような・・・。

白花でも名前は「アカバナユウゲショウ」というようです。

正確には『アカバナユウゲショウの白花種』になるとか。

 


 

学名:Oenothera rosea

英名:Rose Evening Primrose

別名:ユウゲショウ(夕化粧)

科名・属名:アカバナ科 マツヨイグサ属

原産地:南アメリカ

 

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トキワツユクサ(常盤露草)

2023-06-11 07:00:00 | 植物

林の中のちょっと薄暗くなったところに「トキワツユクサ(常盤露草)」の群落を見つけました。

姿が「ツユクサ」ににて常緑だから「トキワツユクサ(常盤露草)」という名前になったようです。

でも、よく見ると花は全く違っていました。

 

「トキワツユクサ」は白い花びらが3枚、全体に三角形のようになっています。

その中央には白い花糸がたくさんあり、先端が黄色い葯のついた6本の雄しべと1本の雌しべがあります。

花だけ見ると『ムラサキツユクサの白花』と似ていて、葉は『ツユクサ』に似ているのです。

きっと、両方を合わせたのでしょうね。

トキワツユクサは観賞用に持ち込まれたものが野生化したらしく、現在では外来種として駆除の対象となっているようなのです。

他の外来種と同じように、あまりにも繁殖力が強くて、在来種を脅かしてしまって生態系が変わってしまうから、駆除しなければならないようです。

 


 

 トキワツユクサを大きく分けると3種類に分かれます。

最初に頭に入れておかなくてはならないのが、トキワツユクサの別名が『ノハカタカラクサ(野博多唐草)』ということです。

これは、博多唐草に似ていて野生の花という意味のようです。

そこで3種類の特徴を比べてみました。

 

① ノハカタカラクサ

この品種が原種に近いもののようです。

特徴は、茎・花柄・葉裏が赤褐色や紫色をしていて、結実します。

[葉柄が紫色]

[葉の裏が紫色]

 

② ミドリハカタカラクサ

斑入りの園芸種『シラフツユクサ』が緑葉に先祖返りしたもののようです。

茎・花柄・葉裏が緑色で、赤紫色にならなく、結実はしません。

葉の長さは5~8cmくらいで葉の縁に微細な毛が見られます。

花弁の形がやや細長く、あまり毛深くないようです。

[茎も花柄も緑色]

 

③ オオトキワツユクサ

ミドリハカタカラクサ同様に園芸種の斑が消えてしまったもので、他の品種に比べると全体に大きく、葉は長さ10cmほどあります。

また、萼や葉の縁にある毛も目で見えるほどの長さがあり、花の毛がトキワツユクサよりは多く、結実はしません。

(残念ながらまだこの品種の画像はありません)


 

3つの品種はよく似ていますね。

見比べるには、茎の色が赤褐色や紫ならノハカタカラクサ。

茎が緑ならミドリハカタカラクサ。

全体に大きくて花の毛が多いものがオオトキワツユクサ。

ということになるようです。

 


 

学名 :Tradescantia fluminensis

英名:Wandering jew

別名 :ノハカタカラクサ(野博多唐草)

原産地:南アフリカ

 

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