東京に初雪が降った翌日の朝、大きな梅の木にたった一輪だけ花が咲いているのを見つけました。
近年になって梅の花がとっても好きになってきました。
それまでは梅の花が咲くのは冬だし、寂しい気がして、あまり気に留めていませんでした。
多分、これから咲くであろう華やかな桜の方にどうしても目が行ってしまったのでしょうね。
でも、年を取ってくるにつれて、こういった華美でないものに対して、侘び寂びといった趣を感じとることができるようになったからなのかもしれません。
「梅一輪 一輪ほどの 暖かさ」(服部嵐雪)
一輪だけ咲いている梅を見て、この句がすぐに頭に浮かびました。
松尾芭蕉の弟子の服部嵐雪の句です。
以前、俳句のサークルに入っていたときに課題として扱った句です。
結構有名な句なので、ご存知の方も多いと思います。
この句には2つの解釈があるということでした。
① 梅が一輪咲いているのを見ると、一輪ほどのかすかな暖かさが感じられる
② 梅の花が一輪、一輪と咲くごとに、少しずつ暖かくなってきている
句をどのように解釈するのは自由だと思うのですが、今はまだ冬の真っ最中なので、①の方がしっくりとくるように思えます。
そして、もう少し時が過ぎて暖かくなった時には②の方になるのかもしれません。