東京駅の京葉線ホームに向かう長い通路に「笠森観音」のポスターが貼られていた。
千葉県の真ん中辺りを走っていると道路標識によく笠森観音の名が出ているので知っていた。
でも、どのようなところかは知らなかった。
そのポスターを見てこれはすごい!と思った。
なぜかというと、立派な懸造りの建物がポスター全体にドーンと一面に描かれていたから。
懸造り(かけづくり)とは、 崖や池などの上に建物を長い柱と床下を支える建築方法で、有名な物は京都の”清水寺の舞台”などが良く知られている。
笠森観音ってこんなにすごいんだと思い、早速行ってみた。
「笠森観音」は笠森寺という名で、通常笠森観音と呼ばれていて、その中にある観音堂がその懸造りになっていた。
観音堂は国の重要文化財に指定されていて、日本で唯一の“四方懸造(しほうかけづくり)”となっていると説明があった。
通常の懸造りの建物は後ろに崖や山などを背負って建てられているのだが、ここは後ろには何もなく、巨大な岩山の上に建っている。
その岩山の頂部を包み込むように61本の柱を立て、四方を囲って造られているという珍しい建築様式らしい。
下の駐車場から森の中のような参道を登っていく途中には霊木“子授楠”や幹のつながった“三本杉”などがあった。
観音堂へはこの長い階段を登らなければならない。
しかもかなり急な階段となっていた。
上に見えるのが観音堂。
観音堂の回廊、これが四方を囲んでいるので一周できる。
階段の途中からでも支えていた柱が間近に見えて、その建築技術の素晴らしさに感心した。
ただ圧巻としか言えない。
見とれてしまったのか、階段が急だったのでそこまで思いが至らなかったのか、残念ながら写真を撮っていない。
この日はもうひとつ、笠森観音から少し離れたところにある懸造りの建物も見てきた。
ここは笠森観音とは違って裏に崖を背負っていた。
館山市にある大福寺の観音堂。
断崖絶壁に建てられていて、崖の観音として知られている。
崖にへばりつくようにして造られていた。
登ってみると、館山湾がよく見えて、この日は富士山も見えた。