この日の予定はクロアチア最大の見どころ、「ドブロヴニク」と「プリトヴィッツェ」。
この2ヶ所は460kmも離れているので、午前中にドブロヴニクを観光して、午後からはずっとバスになる。
この距離は東京から岩手県、盛岡までに匹敵する。
これを一気に走るのだからすごい。
プリトヴィッツェ到着予定は夜8時過ぎ。
泊まっていたチャフタットからドブロヴニクまでは30分くらいだった。
ドブロヴニクは「アドリア海の真珠」とも呼ばれ、クロアチアの中でも人気のある観光地。
過去には震災の被害や内戦による破壊もあった。
今では世界遺産となっているが、これらの時は「危機遺産」としてリストに載っていたりもした。
城壁で囲まれ、中世の雰囲気が残っている旧市街には多くの歴史的建造物がある。
また、オレンジ色に統一された屋根が並ぶ風景には思わず見入ってしまう、それほどきれいな場所になっている。
朝早くから観光しようとして、早めに出発したのに、この日はクルーズ船が数隻入っていたため、ものすごく混んでいた。
クルーズ船1隻の乗船客が3,000人としても、それが数隻なので最低でも1~2万人が狭いドブロヴニクの街に押し寄せたのだから。
街に入る前に街の北側にそびえている「スルジ山」に登ることにした。
午後からは霧が出ることが多いので、午前中の方が良いということだった。
朝なのにケーブルカー乗り場も混んでいた。
それでもやっと乗り込んで頂上からドブロヴニクの街とアドリア海を一望した。
オレンジ色の屋根と青い色の海のコントラストが見事だった。
ところがこの日はまだ朝だというのに霧が出てきてしまった。
時々晴れる時がシャッターチャンスだった。
[スルジ山から]
(旅行社パンフレットより)
城壁にと囲まれたドブロブニク旧市街への主な入り口は3ヶ所あり、メインの門は上にドブロブニクの守護神「聖ヴラホ」像がある「ピレ門」。
門をくぐり、旧市街に入るとすぐに見えてくるのがオノフリオの大噴水。
ドブロヴニクは飲料水不足だったが、イタリアの職人によって12km離れた水源から水を運ぶことができ、この噴水が造られ、水不足が解消された。
16角形の噴水の側面には彫刻が施され、今でも飲料水として飲むことができる。
旧市街の中で自由時間となったので、人混みをさけて城壁を歩いてみることにした。
チケットは門を入ってすぐのところにあるツーリストインフォメーションで購入することができた。
城壁の長さは2km、40分くらいで一周することができる。
城壁に上る階段は数ヶ所あるが、オノフリオ前の階段から上った。
[フランシスコ会修道院の脇にある城壁への階段]
反時計回りにしばらく歩くと城壁の中で最も高い場所のミンチェタ要塞に着いた。
[ミンチェタ要塞]
[城壁から見た風景]
城壁を一周してからは街歩き。
ピレ門から入って真っ直ぐ続く道がメインストリートのプラツァ通り。
通り沿いにはたくさんの土産物屋、カフェ、レストランなどが軒を連ね、そこからは細い路地が網の目のようになっている。
車両の進入は禁止なので、のんびりと歩くことができた。
[プラツァ通り]
[路地の様子]
[路地の様子]
プラツァ通りをまっすぐ進んだ先は、街の中心部「ルジャ広場」。
回りにはスポンザ宮殿や聖ヴラホ教会などがある。
[聖ヴラホ教会]
街の守護聖人、聖ヴラホが祭られている。
[オルランドの柱]
聖ブラホ教会の前にある「オルランドの柱」は巻き毛で、謎めいた笑みを浮かべているイケメンの像。
ヨーロッパで最も美しい英雄像の一つと言われている。
[ラグーサ共和国旧総督邸]
ラグーザ共和国の総督の住居として使用された邸宅。
現在は文化歴史博物館として使用している。
また、広場の南側には大聖堂があり、大理石でできた祭壇の奥には、ティツィアーノが15世紀に描いた「聖母被昇天」が飾ってある。
[大聖堂]
有名な薬局で買い物もした。
ピレ門から入ってすぐ左側の城壁への階段のところにあるフランシスコ会修道院には併設して世界で3番目に古い薬局の「マラ・ブラーチャ薬局」がある。
この薬局は中世から受け継がれるレシピに基づき作られた、ここでしか手に入らないコスメを販売しているというので、観光客の人気になっていた。
ここも混んでいて、狭い店の中は人でいっぱいだった。
普通の薬局のように商品が並べられているのではなく、調剤薬局のような感じだった。
3時間ほど自由時間があったので十分に歩き回る時間があった。
お昼を港近くのレストランで取った後、プリトヴィッツェに向かって長いバスの旅となった。