JR東日本の『大人の休日倶楽部パス』を使って温泉巡りをしました。
会員向けに毎年3回~4回発売されるこのパスは、期間限定で連続する5日間、JR東日本の路線が乗り放題になります。
以前までは4日間だったのですが、今回から5日間になりました。
新幹線でも在来線でもすべて乗り放題なのですから、乗り鉄・温泉好きにとってはすご~くありがたいパスなのです。
休日倶楽部パスを使って旅行といっても、よほどの事がない限りいつもどこにも寄らず、温泉に直行です。
名所巡りはすでに卒業してしまったのです。
そして、プランを立てるときはいつも行ってみたい温泉を先に決めます。
それからその周辺の宿を探し、その後に回る順路を決めることにしています。
今回の旅行、第一番目に選んだ温泉が『森岳温泉』でした。
森岳温泉は秋田県山本郡三種町にあり、『日本一しょっぱい温泉』で有名なところです。
70年ほど前、石油採掘中の田んぼから突如としてお湯が噴出し、そのお湯が日本有数の塩分濃度を誇る泉質だったのです。
そのため、湯冷めしにくく美肌効果がある温泉だと評判になり、秋田の奥座敷として一躍有名になって、とても賑わった温泉だったようなのです。
ちょっと珍しい温泉なので、ずっと行ってみたいと思っていたところでした。
それに、三種町は『ジュンサイ』が特産の町、ちょうどジュンサイの時期だったことも決め手になりました。
森岳温泉には宿は3軒ほどありましたが、今回はその中の「ホテル森山館」に決めました。
秋田から奥羽本線に乗り換えて森岳駅に着いたときには既に送迎車が待っていてくれました。
駅から5分ほど走ると温泉街です。
温泉街とは名ばかりで、閑散としていて、宿の前に『森岳温泉カッパの足湯』もありましたが、人の気配は全く感じられないようなところでした。
やっぱり、かつては賑わった温泉も今はその面影もなくなってしまったようです。
ホテル森山館は一番奥にあって、古い感じがするけれど、結構大きな建物でした。
チェックイン時のフロントの方の対応がとっても丁寧でした。
通された部屋は3階、エレベーターのすぐ前、二間を繋げたように、十分な広さがありました。
アメニティなどはすべて揃っていて、全く問題もありません。
この宿は温泉もそうですが、もう一つ人気があるのが岩盤浴施設です。
だから岩盤浴もチェックイン時に申し込んでおきました。
部屋で御茶を飲む時間ももったいなくて、荷物を置いてすぐに岩盤浴に向かいました。
女性用、男女混合用の岩盤浴の部屋がありました。
この部屋は通常は男女混合のようですが、この時は女性用になっていました。
貸し切り状態でした。
天然ラジウムの岩盤浴施設だそうで、45度の石のうえに横たわり、熱くなったら水分補給、これを数回繰り返したところ、体が軽くなったような気が・・・気のせいかな
岩盤浴で汗を流した後は待望のお風呂です。
チェックイン時に「お風呂は小さいです」と言われていたので、どんなものかと思っていたのですが、何の何のとんでもない、大浴場だったのです。
十数人も入れるような大きな湯船とその隣には小さめの湯船があって、カランも10ヶ所ほど並んでいたのです。
湯口からはドバドバとお湯が流れ、湯船には無色透明のお湯が溢れていました。
湯船に入った瞬間、体が軽くなって浮いてくるのです。
塩分が強いってこういうことなんですね。
子どもの頃、海で泳いだ時と同じ、何もしなくとも体がぷかぷかと浮いてしまうのです。
湯口から流れるお湯を嘗めてみると、とってもしょっぱくて、目に入ると痛いのです。
海水よりも塩分濃度が少し薄いくらいでしょうか?
海で泳いだ後は肌がベタベタになるのですが、このお風呂から上がっても肌はべたべたせず、ツルツルになっているのです。
温泉分析表によると、泉質はナトリウム・カルシウム塩化物泉、源泉温度は63°、ナトリウム62%、カルシウム36%、カリウム他2%となっていました。
思っていた通り、今までに入ったことのなかった泉質の温泉だったので、この日だけでお風呂に3回も入ってしまいました。
さて、次は食事です。
コロナ禍以降、全国的に宿泊料がとっても高くなってしまって、宿探しも苦労していました。
でも、この宿はこの値段で食事も?、と思えるくらいリーズナブルなのでした。
それでも食事は期待以上だったのです。
もちろん、名物のジュンサイもふんだんに使われていました。
ジュンサイ鍋には秋田名物の”だまこ”(お団子状のきりたんぽ)も入っていて、秋田づくしでした。
生ジュンサイ、鍋に入れて食べました。
しょっぱい温泉、ジュンサイづくしの夕食、もてなしもとっても良かった宿でした。
何よりもリーズナブルなところが気に入りました。
この宿を後にして、翌日は山形県の羽根沢温泉に向かいました。