旅の3日目は黄龍の観光だった。
ホテルから空港方向に戻り、90kmほど走ったところの川主寺(せんしゅじ)というチャン族の街で休憩した。
川主寺は黄龍観光の起点となる街なので、それなりのレストランやホテルはあった。
初めてヤクが歩いているのも目にした。
この街の観光はせず、すぐ黄龍に向かった。
[川主寺の街並み]
道路工事中だった。
川主寺からは1時間ほど山道を進み、黄龍へ行くのだが、走り出したらすぐに携帯酸素ボンベが配られ、緊張が走った。
ここから黄龍へ向かう途中で4,000m級の展望台の雪山梁子で「雪宝頂」(標高5,588m)を見る予定だったから。
ところが天気が悪く、断念した。
山は見られなかったが、ヒマラヤの青いケシと呼ばれる自生している「ベトニキフォリア」がたくさん見られたことが嬉しかった。
黄龍の入り口のロープウェイ駅は標高3,200m、10分ほどで3,500mの山頂駅まで運んでくれた。
ここから森の中の平坦な木道を2km、一番の見どころの五彩池まで歩いた。
途中は高山植物がたくさんあり、飽きることなくハイキングできた。
ただ、息が切れるのはどうしようもなかった。
そして、五彩池に着いた瞬間に見えた風景は息が止まるほどの衝撃だった。
写真でしか見たことのない風景が目の前にあった。
[五彩池](3,560m)
長い年月をかけて水分中の石灰分が枯れ枝などに付着し、石灰華となって水をせき止めていった。
それが棚田状になってこの風景が作られている。
五彩池を見ながらもう少し上に行ったら「黄龍寺」があり、お寺の建物がアクセントとなり五彩池をより素晴らしく見せていた。
五彩池で一息ついたら今度は徒歩で下ることになった。
約3kmのなだらかな下り道、途中には黄金色の土の上を水が流れる金沙舗池(きんさほち)、飛瀑流輝、迎賓彩池、盆景池、争艶彩池(そうえんさいち)など見どころがたくさんあり、あっという間の帰路だった。
[金沙舗池]
[飛瀑流輝]
[迎賓彩池]
黄龍観光はこれで終わり、川主寺に再び戻り、この日のホテル「川主国際飯店」へ入った。
黄龍を観光した後は空港に戻り、そこから成都や西安などに移動して泊まるのが一般的らしいが、このツアーは川主寺泊だった。
ガイドさんの話によると、飛行機は天気次第で飛ばないことも多くあるから、川主寺に泊まれば、もしダメでも翌日バスで移動できるからと言っていた。
ツアーのメンバー誰一人として高山病にもならず、天気も心配なく無事に黄龍観光ができたのはラッキーだったのかもしれない。
それと、「青いケシ」以外にもアツモリソウなど、たくさんの花が見られたことも嬉しかった。