日本語での色の表現は素敵で味わい深いと思う。
蘇芳色(すおういろ)---黒味を帯びた赤色のこと。
熱帯アジアには「スオウ(蘇芳)」という黄色い花が咲くマメ科の木があり、その木や花後にできたマメのサヤからは赤い色の染料が取れる。
その染料で染めた色が蘇芳色(すおういろ)で、スオウは大昔から輸入されていて、公家や貴族たちの衣服を染めるのに使われていた。
「ハナズオウ(花蘇芳)」は同じマメ科でも「蘇芳」とは全く関係ない。
ただ、花の色が蘇芳色に似ているからというだけでこの名前になった。
かわいいハート形の葉っぱが特徴で、花は赤紫色の品種と白い品種があり、それぞれの花が枝一面に絡みつくようにして咲いている。
赤紫の方は派手な色なので遠くからでも目立つが、私はひっそりと咲いている白い花の方が好みかな?
この木、秋になってエンドウ豆のような実が生るまではいいのだけど、その実が黒ずんでいつまでもぶら下がったまま。
そうなると見栄えが悪くなってしまうんですよね。
学名:Cercis chinensis Bnnge
英名:Chinese redbud
別名:ハナムラサキ、スオウバナ
科名・属名:マメ科 ハナズオウ属
原産地:中国
「アメリカハナズオウ」
もう一つ、ハナズオウには別の種類もある。
それが「アメリカハナズオウ」。
ハナズオウとどこが違っているのかというと・・・
① 木の形-----株立ちのハナズオウに対してこちらは1本立ちで枝が水平に伸びる、きれいな樹形。
② 葉の色-----いわゆるカラーリーフで、出始めの葉から大きくなるまでに色が変わり、品種によっては深紅だったり、紫だったり、斑入りだったりする。
③ 花-----ハナズオウより少し小さめで、色も若干薄い。
1本の木でもこんなに大きくなる。
花はサクラのように、柄があり木からぶら下がるようにして咲いている。
学名:Cercis canadensis
英名:Redbud 'Forest Pansy'
科名・属名:マメ科 ハナズオウ属
原産国:北アメリカ