和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

六十歳やろな。

2014-03-03 | 本棚並べ
谷沢永一著「モノの道理」(講談社インターナショナル)に

「・・・会田雄次の述懐を思い出したことです。
かつて会田先生と対談をしたとき、余談の戯れに、
もし人生をやり直せるとしたら何歳のころに戻して
欲しいと思いますかと尋ねたことがあります。
すると間髪を入れずに、
『六十歳やろな。あのころがいちばん張りがあったさかいナ』
という答えが返ってきたのです。
六十歳になったとき、私はそれを思い出した。
この機を逃してはならない。・・・」(p226)

うん。
谷沢永一氏の著作を本棚にならべて、
数冊を手にとるのでした(笑)。

谷沢永一著「達人観」(五月書房)に
「リラックスして本と付き合う」という箇所があります。

「いわゆる『積ん読』も結構です。
阪神大震災に遭って書庫を整理する前は、
私の蔵書は12~13万冊はありました。
個人では、おそらく関西一だたでしょう。
しかし、実際に読んだ本は、その中のほんのわずか。
『いつか必要になるだろう』と思った本は、
とりあえず買っておき、
どういう本があるかだけ気に留めておきます。
何かあったとき、いつでも読めるように、
手元にあることが大事なんです。」(p15)

谷沢永一著「執筆論」(東洋経済新報社)には、

「世に愛書家伝説は数多いけれど、
本来は、それが誰によってどのような方向で
有効に利用されたかを論評するべきであろう。
活用されない蒐書は
書画骨董の保持に駆けまわる天狗鼻にすぎない。
坂田三吉は、銀が泣いている、
と活用されない駒の嘆きを痛烈に代弁した。
我が家の書庫でもまた、
今になってもまだ仕事に用いられない
多くの本が泣いている。
他人のことをとやかく言う資格が私にはない。」(p218)


うん。谷沢永一氏の本は、
忘れていた今年の再読目標(笑)。

コメント (2)
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まどさん・まどさん。

2014-03-02 | 詩歌
ちょうど、
本棚の整理をしていたので、
さがす手間もなく、
まど・みちおの本のありか
が見てとれる(笑)。

ということで、
「まどさん」の本。
よくひらいたのはというと、

かど創房「風景詩集」装幀画まど・みちお
童心社「おならは えらい」絵:スズキコージ
そして、
小学校の音読集・光文書院1~6
 この監修が、まど・みちお、瀬川栄志。
 これは、各学年ごとに編集されてる。
 うん。この音読集が私のお気に入り。


理論社「まど・みちお全詩集」の出版された時、
朝日新聞の昭和56年8月1日に掲載された
まど・みちおの詩「はっとする」が
載っていないので、出版社に
手紙を書いたのですが、返事がなかったなあ。

ということで、
詩「はっとする」を引用。

  はっとする

道を歩いてはっとする
立札の「ここにゴミを捨てるな」に

電車に乗っていてはっとする
週刊誌の吊広告の「拾った大金ねこばば」に

家にねころんでいてはっとする
回ってきた回覧の「下着泥棒にご注意!」に

国語辞典をめくっていてはっとする
目にとびこんできた一語「出歯亀」に

夕刊をひろげていてはっとする
三面の「模範教師高山植物を盗む」に

はっとして ほっとする
やれやれ俺のことではなかったのかと



この新聞掲載の詩「はっとする」には、
その上に、李禹煥の絵がありました。

う~ん。
詩集「てんぷらぴりぴり」は
どこに紛れたか、見つからない(笑)。
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本を読まない。

2014-03-01 | 本棚並べ
段ボール箱に眠っていた、
河合隼雄氏の本を本棚にならべる。
その、対談集でも読んでみようと思っています。

そういえば、
新潮文庫の新刊に
河合隼雄著「こころの読書教室」が出ました。
うまい題名だなあ、
と購入してみると、
まえがきに
「本書は病に倒れる一年余り前、
著者の最晩年に『心の扉を開く』(岩波書店)として
出版されたものの文庫化である。
今回の出版に際して、
『こころの読書教室』と題を改め・・・」(p5)
とあります。
ふ~ん。そうなのか。
ちなみに、文庫の最後の解説は加藤典洋。

河合隼雄氏の「あとがき」は、
こうはじまっておりました。

「本を読まない人が増えたと言う。
それに、大学生がほとんど本を読まない、
などと聞くと、ほんとうに悲しくなる。」

うん。これから、
すこしでも、本を読もう。
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