ハガキや手紙を、もらうのはうれしいですね。
自分で出すのは、これが面倒で書かないけど。
2021年10月から、郵便物の通常のハガキや手紙が
土曜日曜および休日が配達されなくなって今頃に
なって、配達の有難味に、やっと気がつきました。
5月も3・4・5日の連休は、通常郵便物の配達はなし。
なにか、もらえない癖して、来ないと思うと詰らない。
さてっと、古本はネットでの購入ばかりなので、
毎回土日になると、今日は配達されないのだと、
自分に言いきかせていたりします。
はい。それでも昨日5月2日月曜日は平日でしたので、
古本が届きました。『歌仙』(青土社・1981年)。
石川淳・丸谷才一・大岡信・安東次男の名前があります。
はじまりは、この4人による歌仙「新酒の巻」でした。
うん。たのしかったので、まずははじまり。
鳴る音にまづ心澄む新酒かな 石川
木戸のきしりを馳走する秋 安東
さてさて、7句目とつぎの8句を並べます。
モンローの伝記下訳五萬円 丸谷
どさりと落ちる軒の残雪 大岡
はい。これだけじゃ、さっぱりなので、
後に、『歌仙の世界』という座談が載っているので
こちらのこの個所を引用すると
石川】 しかしこの丸谷君の付けは、たしかに困った句だけども、
着想の破格なところが面白いですよ。
安東】 そりゃ面白い(笑)。・・・・・・
・・・
丸谷】 ・・・もう一つはこの歌仙の
いままでの運びに対するぼくの批評だな。・・・
なんかもっと窓を大きく開けたい、今様に崩したい、
そういう気持ちがありました。・・・
石川】 これはまあ、丸谷君の苦心惨憺の悪作でしょうけれどもね。
(笑)しかし、このへんに悪作が一つ出ないと展開しないから・・
約束をやぶりたいという、可憐なお心があったわけでしょう。
丸谷】 あらゆる意味から言って悪作でしょうが、しかし
悪作を作る才能というのも立派なものです。(笑)
大岡】 ぼくはこれを出されたときに、これは付けやすいんじゃないか、
と直感的に思いました。
安東】 それはなんというか、資質の問題だ。(笑)
わたくしはちょっとお手上げという気がした。
大岡】 モンローを好きかどうかということにもかかわりますからね。(笑)
( p53~p54 )