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和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

無手勝流。

2009-11-18 | 短文紹介
外山滋比古著「思考の整理学」(ちくま文庫)を読んで、啓発されるところが多いんだなあ。
ちょっと気になる箇所を列挙。
「無手勝流の読書法」という

「 まず、テーマに関連のある参考文献を集める。
 集められるだけ集まるまで読み始めないでおく。
 これだけしかない、というところまで資料があつまったら、
 これを机の脇に積み上げる。
 これを片端から読んで行くのである。
 よけいなことをしていては読み終えることができない。
 メモ程度のことは書いても、ノートやカードはとらない。
 それでは忘れてしまうではないか、と心配になる人は、
 カード派であり、ノート派である。
 そういう向きは、この当ってくだけろの方法はまねしないこと。
 まねしてもうまく行くはずがない。
 すべては頭の中へ記録する。もちろん、忘れる。
 ただ、ノートにとったり、カードをつくったりするときのように、
 きれいさっぱりとは忘れない。不思議である。
 どうやら、記録したと思う安心が、忘却を促進するらしい。
 ・・・・・・

 もうひとつは関心がものを言う。
 メモやノートをとらなくても、
 興味のあることはそんなに簡単に忘れるものではない。
 忘れるのは、関心のないなによりの証拠である。
 知りたいという気持ちが強ければ、
 頭の中のノートへ書き込めば、なかなか消えない。
 もっと頭を信用してやらなくては、
 頭がかわいそうだ。
 当ってくだけろ派はそういう風に考えるのである。  」

            p(92~93)


「 はじめの一冊がもっとも時間を食う。
 したがってまず標準的なものから読むようにする。
 同じ問題についての本をたくさん読めば、
 あとになるほど、
 読まなくてもわかる部分が多くなる。
 最初の一冊に三日かかったとしても、
 十冊で三十日、などという計算にはならない。
 一気に読み上げるのは、案外、効率的である。
  
 読み終えたら、
 なるべく早く、まとめの文章を書かなくてはいけない。
 ほとぼりをさましてしまうと、急速に忘却が進むからである。
 本当に大切なところは忘れないにしても、 
 細部のことは、そんなにいつまでも、
 鮮明に記憶されているとはかぎらない。
 たくさんの知識や事実が、頭の中に渦巻いているときに、
 これをまとめるのは、思ったほど楽ではない。
 まとめをきらう知見が多いからである。
 ・・・・・・                  」

    (p94) 
コメント
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