7/8(日)場所は、まわり舞台を有する山口県「ルネッサながと」。第6回ながと近松文楽「出世景清」本邦初公演。近松門左衛門作、6世鶴澤燕三作曲、鳥越文蔵発意・監修。330年振りにこの長門の地で、日本初の「通し上演」が実現した。前半「熱田の段」から「阿古屋住家の段」までが素浄瑠璃で、後半「六条河原の段」から最後の「清水寺の段」までがまで人形浄瑠璃。今回の配役は、すべて日本の文楽・浄瑠璃界を代表する弁士、三味線、人形使いであり、その名も、竹本三輪太夫、豊竹呂勢太夫、鶴澤燕三、桐竹勘十郎、吉田玉男、その他と、日本文楽を代表する国宝級の面々。特に人形浄瑠璃の部分では、まさしく人形に命が宿ったような繊細な動きに感動しました。全体のストーリーも素晴らしく、特に、「六波羅新牢の段」で阿古屋が景清に許しを請うが許されず、二人の子供を道連れに自害して果てる場面や、最後の「清水寺の段」で、景清が頼朝への無礼を詫び、自ら脇差で両方の目玉をえぐり出し、御前に差し出す場面など、実にリアルな動きに、ついつい引き込まれ感動しました。いずれにせよ、人形浄瑠璃という日本の伝統文化の最高峰の舞台を生で鑑賞できたことは、よい体験でした。 「こだわり」の人形浄瑠璃でした。 おしまい