VIVIEN住生活総研

住生活ジャーナリストVivienこと藤井繁子が、公私を交えて住まいや暮らしの情報をお届けします!

ライティング・フェアと建築・建材展へ

2009年03月03日 | 住宅業界
今年も「街づくり・流通ルネサンス2009」と題して、7つの展示会が東京ビッグサイトで開催された(日本経済新聞社主催)。
その中で住宅業界に関係する[ライティング・フェア2009(第9回)]と[建築・建材展(第15回)]を見学。
他に[SECURITY SHOW 2009]なども開催
[ライティング・フェア2009]では、次世代省エネ照明となるLED照明と有機EL照明の最新製品や技術を各社が紹介。
大手メーカー中心に134社のブースが並ぶ
世界最大手のPHILIPS(フィリップス)では「省エネ」と「シーンセッティング」をメインテーマにLEDや有機EL(下右)を展示。

面白かったのは、このキャンドル・ライト風LED照明。ロウソクの炎のように揺らいで見えた。こんな優しいLED照明も。
屋外で風があっても問題無し!
「DECOLED'S」は大光電機のLEDシリーズ。ダウンライトを中心にした商品の中に、このようなLEDシャンデリアも。
スワロフスキーを使った銅版クロームメッキ、定価約28万円
コンパニオンのお姉さんがプレゼンテーションしているのは東芝ライテックのブース。「E-CORE」LED電球の活用事例。

そのお隣が、先立って記者発表を聞いてきたパナソニック電工のLED照明器具「EVERLEDS」のブース。
6シーンの空間提案、こちらは屋外シーン

さて、こちらは[建築・建材展 2009]。今年は278社の出展、省エネ・エコ建材を中心に長期優良住宅を意識した商品提案など。
中、いつも大きなブース展示の三州瓦も、リサイクル性を強調。右、MDF材で作られた壁面材。立体感の陰影が面白い(サカイ社)。

NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の特別企画展示、洞爺湖サミットで披露された[ゼロエミッションハウス]の模型で先端技術の紹介。
現在は積水ハウスの関東工場に展示
建材展ではJAPAN HOME SHOWほどでは無いが、海外の出展者も見られる。
円高で購買意欲はどうなのか?とお話を伺ったが、「結構、在庫を持たれているので・・・」と構造材などは好転している訳では無い様だが、内外装の装飾系素材などのブースは出展数も増えていたように見えた。
左はカナダ政府系のBCウッド日本代表のJ.Ivanoff氏と大橋さん。右はアメリカ針葉樹協議会の日本代表五十嵐さん(左)と
ワシントン州エバグリーン建築資材貿易振興会の伴さん。

住宅建材業界は優遇税制や金融テコ入れなどの政策による内需回復に期待しながらも
底堅い新興国需要や環境政策の進む欧州へのグローバル展開で売上確保を狙う動きが見られる。
そんな環境下で、このような国内市場向けの見本市にどこまで投資できるか、難しくなってきているとは思う。
プロ向けの見本市の有り方も、米国のIBSのようにビルダーの養成経営セミナー的な要素を充実させるなど
プロの中でもターゲットを絞って企画することで展示会を活性化させることも可能だろう。
一方、住宅ストック市場ではエンドユーザーを対象に加えたリフォームやインテリア展などの拡大できる余地は大きく動きが楽しみだ。




電工のLED戦略、主照明への展開

2009年03月03日 | 住宅業界
パナソニック電工がLED照明器具「EVERLEDS(エバーレッズ)」の新商品発表をお台場のパナソニックセンター東京で開催。
電材マーケティングの長榮本部長が、LED照明を成長市場と位置づけた電材マーケティング本部の戦略を紹介。
「照明においてはナショナルからパナソニックへのブランド変更により、認知度がまだ低い」とプロモーションの必要性も語られた。

ビル・住宅共に電力消費量の中で照明の占める割合は24%・16%と大きく、省エネに貢献できるLED照明の開発を強化。
昨年の洞爺湖サミットでは、ホテルや新千歳空港への照明提案でCO2排出量の削減を実現した。


照明事業本部の松蔭本部長からはLED新商品の紹介。LEDの発光効率が近年飛躍的に高まったことで
ニッチな用途が多かったLEDが、住宅照明を含む主照明に採用される市場環境になってきたと。
それにより売上も2012年、国内外合わせて300億円を目標に置く。

今回、住宅分野に約130品番・非住宅分野に約210品番の全340品番の「EVERLEDS」新商品を春から投入する。
住宅シーンでは、眩しさを抑えた白熱灯色の薄型・コンパクトデザインで白熱灯比85%省エネ。
非常灯もLEDで57%省エネ

併せて今日からビッグサイトで開催の[ライティング・フェア2009]でのパナソニック電工出展内容の紹介もあった。
住宅・店舗・オフィスなどシーン別にLED照明による空間提案の展示ブース。

右は発表会に大阪からいらしていた宣伝部の渡辺さんと近況報告をパナソニックセンター東京内のカフェE-FEELで。

今年もパナソニック電工はミラノ・サローネ(4月)での総合展示を予定しており、グローバル戦略も視野に入っている。
欧州での事業展開は現在デバイス供給に留まるが、省エネ対応にはより厳しい欧州こそ
パナソニック・ブランンドでの照明器具が見られる日も、そう遠くないかも知れない。

YKKグループ2009年度経営方針

2009年03月03日 | 住宅業界
YKKグループが2009年度からの第3次中期経営計画の方針発表を行った。

この2008年度がYKK創業75周年・建材事業50年の節目であり、第2次中期経営計画の最終年をまとめ上げるべき年であったが
業績が落ち込む中で不祥事が続き、吉田忠裕社長からは厳しい結果となった振り返り報告で始まった。
 お袖から黒いテープ?腱鞘炎だそうです 
2008年度推定、営業利益223億円(ROA-4.3%)に落ち込む。第3次中期経営計画(2009~2012年度)の景気動向を
「2009-10年は谷、10年後半から緩やかな回復で2012年の着地は現状レベル」と、為替は$1=95円・EUR1=120円・1元=14円の想定。
  
ファスニング事業ではコスト競争力も強化しながら、(右上)地域R&D体制を強化しミラノではEXCELLAの商品開発を行う。

今期赤字予測の建材事業YKK-APでは役員報酬の減額なども実施した。今後の方針も収益基盤強化、構造改革を更に推進。
組織は事業部制から、[事業本部][開発本部][生産本部]の3本部体制に再編する。
 
吉崎YKK=AP副社長からも「窓事業APW新商品の投入、海外建材事業の拡大」と。 
第3次中期経営計画では、グループ全体で営業利益8%、ROA5%を2012年度に向けて目標数値に置く。
      
また4月からは事業経営の執行役員に加え、専門性の高い技術者・スペシャリストを専門役員として新たに任命し役割を分けた。

会見後は懇親会、猿丸副社長が「昨年9月19日の創業者・吉田忠雄生誕100周年に社員一丸となって再出発を誓った」と。
吉田社長に伺うと「不祥事続き、会社全体に気の緩みがあったのかもしれない。『締め上げる!』と喝を入れた。」という事であった。
  
右は4月付で、技術力強化推進担当として副社長に昇格された大谷取締役。スタッフ部門から黒部へ赴任し技術者達を束ねる事に。
その隣は、いつもお世話になっているYKK-AP広報の河合女史。

確かに悪い話が続いたYKK、2代目オーナー社長で非上場会社である事の悪い部分が出たとも言われるが
逆にこの環境を脱するのも、オーナー企業であればこそ成せるのだと思う。
社員の気持を一つにできるリーダーシップや推進力、創業者のフィロソフィーを伝えられるのもオーナーならでは。
YKKの他にも、トヨタの‘大政奉還’など大不況を乗り切る為の求心力を必要としている企業は少なくないようで
YKKグループの第3次中期経営計画推進に期待してみたい。