VIVIEN住生活総研

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YKKグループ2009年度経営方針

2009年03月03日 | 住宅業界
YKKグループが2009年度からの第3次中期経営計画の方針発表を行った。

この2008年度がYKK創業75周年・建材事業50年の節目であり、第2次中期経営計画の最終年をまとめ上げるべき年であったが
業績が落ち込む中で不祥事が続き、吉田忠裕社長からは厳しい結果となった振り返り報告で始まった。
 お袖から黒いテープ?腱鞘炎だそうです 
2008年度推定、営業利益223億円(ROA-4.3%)に落ち込む。第3次中期経営計画(2009~2012年度)の景気動向を
「2009-10年は谷、10年後半から緩やかな回復で2012年の着地は現状レベル」と、為替は$1=95円・EUR1=120円・1元=14円の想定。
  
ファスニング事業ではコスト競争力も強化しながら、(右上)地域R&D体制を強化しミラノではEXCELLAの商品開発を行う。

今期赤字予測の建材事業YKK-APでは役員報酬の減額なども実施した。今後の方針も収益基盤強化、構造改革を更に推進。
組織は事業部制から、[事業本部][開発本部][生産本部]の3本部体制に再編する。
 
吉崎YKK=AP副社長からも「窓事業APW新商品の投入、海外建材事業の拡大」と。 
第3次中期経営計画では、グループ全体で営業利益8%、ROA5%を2012年度に向けて目標数値に置く。
      
また4月からは事業経営の執行役員に加え、専門性の高い技術者・スペシャリストを専門役員として新たに任命し役割を分けた。

会見後は懇親会、猿丸副社長が「昨年9月19日の創業者・吉田忠雄生誕100周年に社員一丸となって再出発を誓った」と。
吉田社長に伺うと「不祥事続き、会社全体に気の緩みがあったのかもしれない。『締め上げる!』と喝を入れた。」という事であった。
  
右は4月付で、技術力強化推進担当として副社長に昇格された大谷取締役。スタッフ部門から黒部へ赴任し技術者達を束ねる事に。
その隣は、いつもお世話になっているYKK-AP広報の河合女史。

確かに悪い話が続いたYKK、2代目オーナー社長で非上場会社である事の悪い部分が出たとも言われるが
逆にこの環境を脱するのも、オーナー企業であればこそ成せるのだと思う。
社員の気持を一つにできるリーダーシップや推進力、創業者のフィロソフィーを伝えられるのもオーナーならでは。
YKKの他にも、トヨタの‘大政奉還’など大不況を乗り切る為の求心力を必要としている企業は少なくないようで
YKKグループの第3次中期経営計画推進に期待してみたい。



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