vagabond の 徒然なるままに in ネリヤカナヤ

エメラルドグリーンの海,溢れる太陽の光,緑の森に包まれた奄美大島から,乾いた心を瘉す写真をお届けします。

レトロな風景(その2)

2004-11-08 19:35:42 | 
野方給水塔を訪れて以来,給水塔がやけに気になって仕方がない!ということで,昨日は,板橋区大谷口にある大谷口給水塔(昭和6年に荒玉水道町村組合(当時)によって建設)へ
ファサードはこんな感じ。
実は,野方給水塔とこの大谷口給水塔は,どちらも,日本衛生工学の基礎を築いた中嶋鋭治さん(安政5年(1858)~大正14年(1925))の設計した作品(彼の没後弟子たちが完成)だそうで,そういわれてよく見ると確かによく似ている…
塔の高さは約33メートル,円筒形の直径15メートルで,野方給水塔より少しだけ小さく,兄弟のような雰囲気。
ただ,細々とではあるが現役の野方給水塔と違って,大谷口給水塔は,昭和47年以後使われておらず,今年度中の取り壊しが決定しているとのことで,寂しさすら感じさせる。窓などは,鉄板が貼り付けられている!


頭頂部だけ見ると,野方給水塔と全く区別がつかない。
跡地は,給水所を新設し,敷地のほぼ中央にポンプ棟、その南北の半地下に配水池を1池ずつ配置する計画だそうな(平成20年度竣工予定)。
大谷口給水塔は,板橋区の景観百選にも選定されるなど,地域のシンボルとして愛されてきたようで,意匠を継承するデザインとするだけでなく、給水塔の役割・機能や、土木技術上の価値を記録保存する考えとのこと。
是非,この景観を活かした上で,新時代にふさわしい機能を備えた施設を創って欲しい。

既に,施設周辺は更地にされており,鉄条網付のフェンスで取り囲まれた姿は痛々しい。
左は,フェンス越しに眺めた夕陽。

また一つ昭和の時代が遠ざかっていく…