日曜日、夕飯を食べ終えたばかりの頃
(娘はTVを見ながらなのでまだ食べ終えていなかったが…)
チャイムが鳴り、ドアを開けた。
そこには斜め向かいの現在班長をされている方と
お隣の方…。
話があるからと玄関までだが、どんどん入ってこられた。
住んでいる町内は10軒ちょいで班を構成している。
そしてそのような6班をまとめる組の長をしてほしいという
内容だった。
12年に1度班に回ってくる役で、順番で言えば我が家がそれ
なのだそうだ。
我が家に来る前に2軒あたったが、みんな断られどうしても
受けて欲しいと、現在の班長さん、そして4月からの班長さんが
一緒に落としにこられたわけだ。
お義父さんの援助でとうとう家のローンを片付けたばかりで
こんな話がやってくるというのも皮肉な話だ。
家を買うとき、私は結婚前の資金があったので掛かった金額の
1/3あまりを支払った。
あとは両家の親に出していただて、残りを彼名義で
ローンを組んだ。
あの頃、すでに薬を飲んではいたが普通に会社に行っていて
不動産屋さんやら銀行さんとの交渉も一緒にして、私達は
今の家を手に入れた。
もちろんローンがある以上、銀行の抵当権がついているわけで
彼が会社を辞めた時点で最悪家を手放すことも覚悟した。
しかし、そのローンが彼の不安をあおるのなら…ということで
お義父さんがなんとかするから…と言い出した。
私はおひとり様覚悟していたので、そこそこ蓄えがあった。
私の親もそう覚悟していたので私が実家に住んでいた頃
家に入れていたお金をずーっと蓄えていてくれた。
それを当てるから…とこの話は出るたび、出るたび私が断って
いたのが、この正月、私と娘が帰ってから残った彼と両親で話を
まとめてしまった。
そして、とうとうそれを使わせてもらったばかりだった。
せめて半分でも…という申し出も最後まで聞き入れられなかった。
もちろん、感謝しても感謝しきれない。
でも私はその代わりに大きな負債ともいえる何かを背負い込んで
しまったような気がする。
もうこれで私は彼やその両親を投げ出すことができなくなった。
きっと何年か先、介護やらなにやら…私が背負うことになるのだろう。
毎日の掛だって、今まで以上に無駄遣いすることはできない。
結局ここに住み続ける以上、町内の役員は受けざるを得ないのだ…
と思ったところ、今の班長さんがこう言った。
「旦那さん具合悪くて家にいるんでしょ。そんなところ悪いんだけどさ…。」
そりゃ~、毎日車が置いてあって姿もまったく見えなければ、そんな
想像は簡単につくわけだ…。
しかし、その一言は組長をやれと言われるより数段ショックだった。