僕の感性

詩、映画、古書、薀蓄などを感性の赴くまま紹介します。

江戸の商売

2009-01-07 21:05:44 | Weblog
江戸の暮らしは、ごみを減らす、集める(再生する)、再利用するというリデュース・リユース・リサイクルの3Rを一括して行い、物を大切にして最後まで使い切ることが徹底して浸透していました。
使えなくなったものや不要物を集め、直し売る、これらの分業まで行われていたのです。
傘の古骨買い・・・傘の状態で四文、八文、十二文で引き取られました。古傘問屋が集めて、油紙をはがして洗い、糸で繕ってから傘貼りの下請けに出しました。広い油紙は包装用に再利用され、小さいのは焚き付け用に使われました。

でいでい屋(下駄の歯入れ屋)・・・すり減った下駄の歯を差し替えたり、鼻緒の付け替えをしたりしました。


瀬戸物焼きつぎ・・・上薬として壊れた瀬戸物を白玉粉で接着、加熱処理して直しました。

紙くず買い・・・現在のちりがみ交換です。古紙、紙くずを買い取り、漉きかえす業者に卸しました。古金(金属)や古着、古布も扱いました。

箒売り・・・行商人は新品の販売だけでなく、古いしゅろ箒を下取りしました。古いしゅろはまとめて植木用の縄やたわし用に売りました。

箍屋・・・今のようにプラスティックなどないので液体を入れる容器はほとんど板を竹の箍(たが)で円筒形にしめてある樽でした。桶も木製です。古くなってくると箍がゆるんだり、傷んだりしたので新しい竹で締めなおしたのです。

その外、鋳かけ屋(古い鍋や壊れた釜の修理)、灰買い(灰を集め肥料にする)、おちゃない(落ちた髪を集め、付け髪にする)、研ぎや(包丁研ぎ)などの商売がありました。
最も顕著なリサイクルは糞尿処理です。糞尿を汲み取って、お返しは、金銭や野菜で行い、近郊農家の下肥として使われました。確か武士や位の高い屋敷の糞尿は高価だったはずです。(食べ物が違ったからかな)

物があまりなかった時代ですが、その分地球には優しいし、精神的に豊かな時代ではなかったのでしょうか。

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