僕の感性

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一隅を照らす

2012-07-11 22:57:00 | ことば
滋賀県大津市のいじめ事件は、大津市の教育委員会乃至教育長の家宅捜査という異例の事態に発展している。

なぜいじめは無くならないのか?何故生徒の悲痛な叫びを学校側は隠蔽という形しか取れないのか。
男子生徒がいじめられている現場をほかの生徒の何人もが見ている。
ガムテープで顔を巻かれたり、殴られたり、蜂を食べることを強要されたり、さらに
40万円ものお金を奪われていたのだ。

自殺といじめの因果関係はあるにきまっているだろう!
死んだ中二の男子はいじめられている事実を担任にも相談していたらしい。
それでも何もしてくれない担任ていったい人間なのだろうか?
また、何故いじめを目撃した生徒たちが勇気をふるって助けてあげなかったのだろうか。男女かかわらず、卑劣ないじめを許してはいけないのだ。
教師がいじめにいち早く気がつき、いじめている生徒にしっかり教え諭すべきだ!

マンション10階から飛び降りするしかなかった生徒の悲惨さはいかばかりだったろう。
かけがえのない子供を失った両親の悲痛さとやりどころのない怒りはどこにぶつければいいのだろう。

嘗て伝教大師・最澄は、「一隅(いちぐう)を照らす人間になりなさい」と若者に説いた。
一隅とは、今置かれている場所のこと。自分自身が置かれている場所で精一杯努力し、明るく光り輝く人こそ何物にも変えがたいとも述べている。
彼は次の三点を強調している。

「他人、友人、知人の辛く傷ついている心をわかってあげてかばってあげられる惻隠の情をもつ」

「人に対して優しい思いやりの心をもてること」

「人の幸福や喜びを素直に喜べる人になること」

これらの心が自分を照らし、周りを照らすのだということだろう。
家族も友人も先生も自ら光り輝いてゆけば暗澹たる世界は来るまい。


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