乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

仮名手本胸之鏡 上 3  一丁裏 二丁表

2020-07-15 | 山東京傳

仮名手本胸之鏡 上 3  一丁裏 二丁表

早稲田大学所蔵

https://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/he13/he13_01505/

仮名手本胸之鏡 上

山東京伝 作

歌川豊国 画

早稲田大学デジタル図書

通油町(江戸)  [蔦屋重三郎]

寛政11 [1799]

黄表紙

仮名手本胸之鏡 上 3  一丁裏 二丁表

 

人のざい、一につゝ

しむべきハしきよく

なり、むかし

よりこのた

めに、いへを

やぶり、みを

ほろぼせし

人、うそへつく す

べからすこと、たとへバ

おんなのゑくぼのうち

より

まよひ

のくも

といふわる、きくも

あらわれいでゝ

おとこの

心の名月(めいけつ)

をおほひ

かくす

しるとき

ハ、おとこの

そめし人

 

やみとなり、たちまち

ぼんのうのいぬ、わがむねより

とびいでゝ、わがみをくらふ、

これをこひのやみといふる也

 

 

   おかめ八目といゝて、おかめから

   みることきハ、八ツの目(め)ありて、これ

   をあしきことゝ、名人ごと、わがみに

   なりてハ、もろともに、恋の

   やみにまよふなり、つゝしむ

       べし

 

 

       名月(座る男の画)

                (立って男を見る女の画)

    

 

   ほんのうのいぬほたる

   「はなにあそばゞ

    ぎをんあたりの

二丁裏

     いろぞろへ

      わん/\の

       わん、とさ (犬がなく画)

 

二丁裏  (丸枠に立つ女に文を渡す男と、覗く男の画)

 

     しきよくのかがみ

     色欲の鏡

女色(じやじやく)のために、人を

そこなひ、そのみを

ほろびし、いへとかし

のうことハかゞみに

うつる、きやうげん、ゑの

ごとし

仮名手本胸之鏡 上 3  一丁裏 二丁表

 

人の財、一に慎む

べしは しき 良く

也、昔

よりこのた為

に、家を

破り、身を

滅ぼせし

人、嘘へつく す

べからす事、例えば

女の笑窪(えくぼ)の内

より

迷い

退くも

と言うわる、聞くも

あらわで出(いで)て

男の

心の名月

を覆い

隠す、

知る時

は、男の

染めし人

 

闇と成り、たちまち

煩悩の犬、我が胸より

飛び出でて、我が身を喰らう、

これを恋の闇と云うる也

 

 

   岡目八目と云いて、岡目から

   見る如きは、八ツの目有りて、これ

   を悪しき事と、名人ごと、我が身に

   成りては、もろともに、恋の

   闇に迷うなり、慎む

       べし

 

 

       名月(座る男の画)

                (立って男を見る女の画)

    

 

   煩悩の犬蛍

   「花に遊ばば

    祇園辺りの

二丁裏

     色添え

      わん/\の

       わん、とさ (犬がなく画)

 

二丁裏  (丸枠に立つ女に文を渡す男と、覗く男の画)

 

     しきよくのかがみ

     色欲の鏡

女色(じやじやく)の為に、人を

損なひ、その身を

滅ぼし、いへとかし

のう事は、鏡に

写る、狂言、絵の

如し

 

 

 

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仮名手本胸之鏡 上 2  一丁表

2020-07-15 | 山東京傳

仮名手本胸之鏡 上 2  一丁表

早稲田大学所蔵

https://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/he13/he13_01505/

仮名手本胸之鏡 上

山東京伝 作

歌川豊国 画

早稲田大学デジタル図書

通油町(江戸)  [蔦屋重三郎]

寛政11 [1799]

黄表紙

かゞみ  の  むね  ほん  て  な か  ←

鏡之胸本手名仮

 

しはゐのきやうげんハ

くわんぜんてう こへを

もとゝし、ものゝわきまへ

なきわらんべにも

仁義(じんぎ)五常(ごじやう)のあら

ましをしたため

且(かつ)古人(こじん)の姓名(せいめい)を

おぼへ、いにしへの

治乱(ちこん)をしるハ益(ゑき)

あれども、そ

やうあしけ

れバ、みだれがハ

し、きこゝろざしを

おこし、害(がい)もまた

すくなからず、

このさうしハ

きやうげんをかゞみのおもてとし、これを

ゑにうつし、おもてうらあわせて

てのほんいうをしらしむ、かくのごと

く、こゝろをつけてみるときハ、きやう

げんといへども、大小ゑきあるべし、

雲-顧(ノ)君-子 須(下 り)

認(テ 二)-印信(ヲ 一)為(す 上レ)真(ト)

雲顧ノ君子ハ須ベカラズ

印信ノ真ト為スヲ認ムベし

    醒世(世浪浪人(せいぜい老人京傳子)

        寛政十一年に未び早春  印

 

 

かなてほんむねのかゞみ

仮名手本胸之鏡

芝居の狂言は

勧進帳、声を

元とし、物わきまえ

無き童(わらんべ)にも

仁義(じんぎ)五常(ごじやう)のあら

ましを認(したた)め

且つ古人の姓名を

覚え、古(いにしへ)の

治乱(ぢこん)を知るは益

有れども、素

養悪しけ

れば、乱れ交わ

し、き志を

起こし、害も又

少ななからず、

この草子は

狂言を鏡の表とし、これを

絵に写し、表裏合わせて

手の本云うを知らしむ、如此(かくのごと)

く、心を付けて見るときは、狂

言と雖も、大小益有るべし、

雲顧ノ君子ハ須ベカラズ

印信ノ真ト為スヲ認ムベし

    醒世(世浪浪人(せいぜい老人京傳子)

        寛政十一年に未び早春  印

 

 

 

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仮名手本胸之鏡 上 1 表紙 仮名手本胸之鏡 通油町 蔦十版 巳未春

2020-07-15 | 山東京傳

 

表紙 仮名手本胸之鏡 通油町 蔦十版 巳未春

早稲田大学所蔵

https://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/he13/he13_01505/

 

 

 

仮名手本胸之鏡 上

山東京伝 作

歌川豊国 画

早稲田大学デジタル図書

通油町(江戸)  [蔦屋重三郎]

寛政11 [1799]

黄表紙

 

 

山東京伝

(1761~1816) 江戸後期の戯作者・浮世絵師。本名、岩瀬醒さむる。通称、伝蔵。江戸の人。浮世絵を北尾重政に学ぶ。黄表紙・洒落本作者として著名。江戸読本創出者としても知られる。晩年は考証随筆に傾注。著「江戸生艶気樺焼えどうまれうわきのかばやき」「通言総籬つうげんそうまがき」「骨董集」など。

 

歌川豊国

 初代 歌川豊国(しょだい うたがわ とよくに、明和6年〈1769〉 - 文政8年1月7日〈1825〉)とは、江戸時代の浮世絵師。本名は倉橋 熊吉(くらはし くまきち)、後に熊右衛門。一陽塞(いちようさい)と号す。

 

蔦屋 重三郎

 江戸時代の版元である。山東京伝らの黄表紙、洒落本、喜多川歌麿や写楽の浮世絵などの出版で知られる。「蔦重」ともいわれる。狂歌名を蔦唐丸(つたのからまる)と号し、歌麿とともに吉原連に属した。

 

黄表紙

 草双紙くさぞうしの一。江戸後期、黒本・青本に次いで安永(1772~1781)頃から文化年間(1804~1818)の初期まで江戸で流行した黄色い表紙の絵本の称。1775年刊の恋川春町作「金々先生栄花夢」以降のものをいう。一冊五丁、普通、三冊からなる。書型は半紙半截はんせつ。絵題簽えだいせんに出版工夫がみられ、内容も従来の草双紙の幼稚なものから脱し、成人向けの読み物となった。文化初年頃より敵討ち物が全盛となり文化年間に合巻に移行した。代表作は、恋川春町の「鸚鵡返文武二道」、朋誠堂喜三二の「文武二道万石通」、山東京伝の「江戸生艶気樺焼うわきのかばやき」など。

 

 

 

 

 

 

 

 

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流行病をふせぐ意得(こゝろゑ)(ashiki yamai o fusegu kokoroe)  早稲田大学 古典籍総合データーベース

2020-07-14 | 疫病:疱瘡心得草 他

 

流行病をふせぐ意得
ashiki yamai o fusegu kokoroe

早稲田大学 古典籍総合データーベース

[千葉県] : 久保田日亀, 明治19[1886]
chibaken : kubotanichiki

 

読んでいる資料『流行病をふせぐ意得』

(上段)

●流行(悪しき)やまひをふせぐこゝろ絵(こゝろゑ)

 

およそ世にめでたきものゝ第一としいへば、まず其身(その身)/\の

安穏無事 息災に踰(こ)したる楽しみより外にはあるまじく、打(うつ)

ハりて、厭(いと)ハしきものゝ第一ハ、地震、雷鳴、失火(くわじ)等と、それにハ澤山(たくさん)

恐しかるべきこともあれど、何を除いても命寿(いのち)ありての物種

れバ、永の病気や、またハ 急病、速死、頓死、早世、天死(きうびやう、そくし、とんし、はやじに、わかじに)、たとへ年老(としたけ)たり

とて、仕合せ悪く流行病に犯されて、親類縁者の看護(みとり)もならず、徒(あだ)

に,此世を過ごしてハ空(むなし)く、一片の烟(けふ)りを消失(消えうそ)る、その死ぬるといふ

大敵に附込(つけこ)まるゝほどの、忌ま/\しき苦しみよりほかに、大ひな

る悩みはなかるべし、家財道具家財道具や金銭ハ一担損失しても、またと

得ちるゝことも有れども、命寿(いのち)ばかりハ掛替(かけがえ)のなき重宝(おうほう)なり、箇様(かよう)

なとは誰も承知なれども、餘りに承知を仕過ごして、遂にハ油断大

敵となり、流行病の大軍に、吾本陣を攻落され取りて返せぬ後悔

を引招ぐなる、よしや敵ハ外(ほか)より来らずとも、病ひの賊ハ内具(うちわ)

にありまして、今時外(そと)よりハ責寄せんとし、内よりハ裏切らんと

する有様、内と外と合体して難なくこの大切なる身体を生贄に

(そふ)るに立至るべし、其時憐(あは)れといふも、早詮(すべ)なし、されバ 平生清(ふだんしやう)

浄(じやう)と不浄(ふじやう)との差別(へだて)をよく/\こゝろがけあるべし、政府(おかみ)のお世

話を容易のことにあらず、人の命を全ふし、安心にこの世の過さ

せんとの厚き恵なるにも、意注(こゝろづ)かず、憂鬱(うっとう)しくおもふものもあら

んが、大ひなる了簡(りょうけん)違ひなり、我宗(わがしう)の信者にハ決してさる人ハな

き筈なり、心清けれバ身も清く、身清けれバ土地清しとて、心穢れ

てハ、中々に身体の衛生(ゑいじやう)も思束(おぼつか)なし、身体の衛生(ゑいじやう)を思(おもは)ぬ程の人な

らば、衣類、食物、居所の注意も、思案のほかなるべし、夫故(それゆえ)おろそかにな

(下段)

らぬハ、第一の心なり、心をおろそかにせぬとは、心を清く持つな

り、心を清く持つとは、信心(しん/″\)清く正けれバ、身体も居

所も必ずおろそかにならぬと、こゝろづくべし、法花経(ほけきやう)一部八巻

二十八品も此事を説きかゝせ たまへり、されば、祖師大菩薩は八

萬四千(しせん)の法門は、我身一人(にん)の日記文章とも仰(あふ)せられ、経文にハ此

経は持ち難しと説ひてあり、これまた祖師の仰(あふ)せに依らば、此身

は持ち難しといふことにて、前にもいふ如く、此身は決しておろそ

かにならぬ筈なれども、兎角おろそかに しやす期は、信心(しん/″\)なき人

の習ひなれば、態(わざ)と此身ハ持(たも)ち難しとのたまひし なるべし、各々

ハ朝夕神に誓ひ、佛に頼るも何と祈り玉ふや、若持法華経(にやくぢほけきやう)甚

身甚清浄と繰返さるゝなるべし、若(も)し題目を唱へ、法華経を持(たも)つ

程の心清き信者ならバ、其身、したがつて、甚ハだ清浄(しよう/″\)なりといふ

ことなり、其信者を守護せらるゝ鬼子母大善神ハ受持法華(じゅぢほつけ)名者福

不可量とて、佛前の御契約あらせたまへり、それもこれも但、これ

まず信心(しんもく)の水清けれバ、神佛感応の月影の恵みも豊か成るべし、

法度に背き、衛生に怠りなバ、いかに慈悲深き神佛なりとも縁な

き衆生(しゆじやう)として、却て現前の御罰あるべし、先(まづ)は流行病をふせがね

ばならぬこゝろ得までを、聊(いさゝ)か陳(のべ)て衛生の一助に添ふ、若しその

ふせぎの箇條は粗諸君が疾(と)くに意得(こゝろゑ)あるべければ、これは略し

置くなり、明治十九年七月東京小伝馬町村雲別院境内において

自山宝庫安置鬼子母神大善神開扉中(かいひちう)しるして、施余す南無妙法連

華経 若熱(にゃくねつ) 病若(ひやうにゃく)一日若(にゃく)二日乃至(ないし)夢中、亦、復莫(ふくまく)悩(なん)

 

 

  正中山貫主  久保田日亀

  しやうちうざんくわんじゆ   くぼたにちき

 

(上段)

安穏無事(あんのんぶじ)

 変事もなく、穏やかで安らかなさま。社会や暮らしなどの穏やかな様子をいう。▽「安穏」は穏やかな様子。「穏」は「おん」とも読む。
 句例  安穏無事を祈る、安穏無事な生活、安穏無事に暮らす
 用例  安穏無事に過ごせるはずの晩年を奪われた不遇さが、分からぬわけでもない。<城山三郎・乗取り>

 

徒(あだ) 

[形動][文][ナリ]

  1 実を結ばずむなしいさま。無益なさま。むだ。「せっかくの好意が徒になる」

 2 浮ついたさま。不誠実で浮気っぽいさま。

 「―なる恋にはあらで、女夫 (めおと) の契を望みしなり」〈紅葉金色夜叉

 3 一時的ではかないさま。かりそめ。

  「なかなかに―なる花は散りぬともまつを頼まぬ人のあらめや」〈為頼集〉

 4 いいかげんなさま。粗略だ。 

  「まだしき時に方さまの御心づかひゆゑと、それはそれは―に存ぜぬに候」〈浮・文反古・五〉

(下段)

祖師

 ①開祖。宗教界で一宗一派を開いた最初の人。禅宗の達磨(だるま)、浄土真宗の親鸞(しんらん)、日蓮(にちれん)宗の日蓮など。 

 ②学統や流派などを作り出した偉人。また創始した人。

 ③物事の始め。もと。元祖。

 ④日蓮宗で、日蓮の尊敬語。
 
法門
 〔真理へ向かう門の意〕
 ① 仏の教え。真理の教え。
 ② 修行方法などの教義によって区別された仏教の教派の分類。
 
祈り玉ふ
 祈り給う
 
若持法華経(にやくぢほけきやう)
 若持とは  (法話集:http://www.nichiren-aomori.net/houwa/h2709_kidachichikou/index.html
 荒行僧が腹の底から唱える水行肝文。「若持法華経 其身甚清浄 不染世間法 如蓮華在水 得聞此経 六根清浄 神通力故 増益壽命」。これは世間の煩悩や欲望の泥水に心を染められず、泥中にあって
 
 法華経とは
法華経』(ほけきょう、ほっけきょう)は、大乗仏教の代表的な経典。大乗仏教の初期に成立した経典であり、誰もが平等に成仏できるという仏教思想の原点が説かれている。聖徳太子の時代に仏教とともに日本に伝来した
 
神佛感応
 
 呪咀秘法奥伝 : 神仏感応 佐々木高明
 国会デジタル図書 https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/759872/1 がある。
 
衆生(しゆじやう)
 《(梵)sattvaの訳。音写は薩埵》仏語。生命のあるものすべて。特に、人間をいう。有情 (うじょう) 。
衆生(しゆじやう)
 サンスクリットのサットバsattva,ジャントゥjantu,ジャガットjagat,バフジャナbahujanaなどの訳。とくにサットバの訳語として用いられることが多い。サットバとは存在するもの,また心識をもつものの意で,有情(うじよう),含識(がんじき)などとも訳される。古くは衆生と漢訳し,唐代の玄奘以後のいわゆる新訳では有情と訳されている。またいのちあるもの,存生するもの,いのちをもって存在するもの,生きとし生けるもの,一切のいきもの,一切の人類や動物,とくに人間,人々,もろびとなどというように,さまざまな意味がある。
 
復莫(ふくまく)
 腹膜炎
 
 
 
 
 
●流行(悪しき)やまひをふせぐこゝろ絵(こゝろゑ)
 
 
(1)何を除いても命寿(いのち)ありての物種
 

(2)家財道具家財道具や金銭ハ一担損失しても、またと

得ちるゝことも有れども、命寿(いのち)ばかりハ掛替(かけがえ)のなき重宝(おうほう)なり 

        

 

     (上は、明治時代の日本の疫病に対する一文症例)

 

             日本国の冷和時代におけるコロナウイルスに対して

 2020年7月22日より、日本国では「go toキャンペーン」が 始まる。

           今や日本というより、日本国というのが妥当な気がする。

 

 

 

 

 

 

 

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『疱瘡心得草』読了^^v   『疱瘡心得草』20 19丁裏 20丁表(布)志水軒朱蘭 述 

2020-07-13 | 疫病:疱瘡心得草 他



    『疱瘡心得草』20 19丁裏 20丁表(布)志水軒朱蘭 述 



 『疱瘡心得草』 志水軒朱蘭 述
 一冊
 出版 蓍屋善助
 寛政10 [1798]
 国立国会図書館デジタルコレクション 
 請求番号 852-26

 
読んでいる本(click) 
    ↓
 『疱瘡心得草』

 

 

 

国立国会図書館所蔵

19丁表

 水痘(へいない)の心得(こゝろえ)の事

水痘(すいとう)ハ、へいないも、といふ 痘(いも)に似て出るにやすく かせ

安(やす)し、始(はじめ)て出(いで)る洗(さき)潤(うるほ)ひて、水(みづ)を持(もつ)て有(ある)ゆへに、水痘(すいとう)と

いふ、惣身(そうしん)ほとおり、二三日をまたず、始終五六日にして、

其瘡(そのかさ)水膿(みづうみ)ばかりにして収(おさま)る、療治(りやうじ)禁忌(きんき)の事、痘(いも)

疹(はしか)にかわる事(こと)なし、其内(そのうち)痘(いも)疹(はしか)は一生涯(いつしやうがい)に一度する

ものにて、水痘(ついないも)は両三度もするもの有(あり)、痘(いも)ハござうの


19丁裏

事(こと)を弁(わきま)へて、軽(かろき)重(おもき)を分別(ふんべつ)すべきことなり、

 

疱瘡(ほうさう)心得(こゝろへ)草(ぐさ) 終

 

寛政十年

  戌午の春業行

 

 平安 書林    

         寺町四条上ル町

            蓍屋善助

 

20丁表(布)

 

 

 

 

            柴田甚之助

              印

 
 
 
 
 
 
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『疱瘡心得草』19 18丁裏 19丁表 志水軒朱蘭 述 

2020-07-13 | 疫病:疱瘡心得草 他



    『疱瘡心得草』19 18丁裏 19丁表 志水軒朱蘭 述 



 『疱瘡心得草』 志水軒朱蘭 述
 一冊
 出版 蓍屋善助
 寛政10 [1798]
 国立国会図書館デジタルコレクション 
 請求番号 852-26

 
読んでいる本(click) 
    ↓
 『疱瘡心得草』

 

 

 

国立国会図書館所蔵
18丁裏

する事を禁(きん)じ、疹子(はしか)出(いづ)る時(とき)、元(もと)より腹痛(はらいたみ)泄瀉(せつしや)し、

或(あるい)ハ自利(じり)といふて、大便(だいべん)覚(おぼ)へず通ずるもの有(あり)、もし

くハ赤白(しやくびやく)の痢病(りびょう)を兼(かぬ)るもの有(あり)、是(これ)皆(みな)悪性(あくしょう)なり

急(いそ)ぎ良医(よきゐ)の療治(りやうじ)を受(うく)べし、疹子(はしか)出(で)る時(とき)吐(と)きやく

をするものなり、小児(せうに)なれば乳(ち)をあますものなり

然(しか)れども、はしか出(で)つくせバ、吐(と)も自(おのづ)から止(や)むものなり

又(また)出(いで)尽(つく)しても吐(と)、やまぬ症(せう)も有り、悪症(あくしゆう)也、慎(つつし)むべし

疹子(はしか)出(いで)て色紅(いろくれ)ひなるハ吉症(きつしやう)也、又 紫黒色(むらさきいろ)ともに

死症(ししやう)也、たゞ保養を第一とす、兎角(とかく)風寒(ふうかん)をいとふ

べし 軽(かろ)きものハ四十九日を待(まつ)て禁忌(どくいみ) を捨(すつ)べし

 

咳嗽(しわぶき)

 咳き(しわぶき)[名](スル)

 1 せきをすること。また、せき。「病室から軽い咳きが漏れる」

 2 わざとせきをすること。せきばらい。「メエルハイムは―して語りいでぬ」〈鴎外・文づかひ〉

 嗽(うがい うがひ)

 [名](スル)水や薬液などを口に含んで、口やのどをすすぐこと。含嗽 (がんそう) 。「食塩水で嗽する」「嗽薬」

泄瀉(せつしや)  (せっしゃ)

 下痢の中で、水を流すように下り、腹痛をあまり伴わない症状のことです。

 瀉(しゃ) シャ・そそぐ・はく

 瀉(しゃ)

 [1] 〘自サ変〙 しゃ・す 〘自サ変〙① 水などがそそぐ。ながれくだる。② 下痢(げり)をする。くだる。

 [2] 〘他サ変〙 しゃ・す 〘他サ変〙① 水などを流す。まき散らす。② 腹の中の食物などを吐き出す。吐く。
 
痢病(りびょう)
 激しい腹痛や下痢をともなう病気。おもに赤痢の類。 「今はただ-のみ仕れば/宇治拾遺 12」

吐(と)きやく

 吐き薬

いとふ 厭う

 ①いやがる。

 ②〔多く「世をいとふ」の形で〕この世を避ける。出家する。

 

 ③いたわる。かばう。大事にする。

禁忌(どくいみ)(一般的に、「きんき」と読む)  ( 名 ) スル

 ① 忌みはばかって、禁止されている事柄。
 ② ある薬の使用や治療法が、その病院に悪影響を及ぼすから用いてはいけないという事。 「 -症」

 



国立国会図書館所蔵

19丁表

重(おも)きもの七十五日又は百日を待(まつ)べし、何(いづれ)も痘(いも)の禁(きん)と
おなじ

 

 

 

 水痘(へいない)の心得(こゝろえ)の事

水痘(すいとう)ハ、へいないも、といふ 痘(いも)に似て出るにやすく かせ

安(やす)し、始(はじめ)て出(いで)る洗(さき)潤(うるほ)ひて、水(みづ)を持(もつ)て有(ある)ゆへに、水痘(すいとう)と

いふ、惣身(そうしん)ほとおり、二三日をまたず、始終五六日にして、

其瘡(そのかさ)水膿(みづうみ)ばかりにして収(おさま)る、療治(りやうじ)禁忌(きんき)の事、痘(いも)

疹(はしか)にかわる事(こと)なし、其内(そのうち)痘(いも)疹(はしか)は一生涯(いつしやうがい)に一度する

ものにて、水痘(ついないも)は両三度もするもの有(あり)、痘(いも)ハござうの

中(うち)より起(おこ)り、麻疹(はしか)、水痘(ついなもの)、たゞ六腑(ろくふ)より發(おこ)る

 

水痘(へいない)   
 
 水痘はヘルペスウイルス科に 属する水痘帯状疱疹ウイルス(varicella-zoster virus, VZV)の初感染による臨床像です。VZVは接触感染、飛沫感染、空気感染で感染します。通常 250~500 個ほどの様々な段階の皮疹が出現し、その後痂皮化します。水痘感染の回復には、NK 細胞、抗体、 特異的細胞性免疫などが関与しています。細胞性免疫が低下した人では、水痘は重症化 し、時には死亡することがあります。成人は小児よりも水痘肺炎を合併し、重症化する リスクが高いです。

 感染した VZV は、血行性または知覚神経を逆行して知覚神経節に到達し、知覚神経節 サテライト細胞に潜伏します。がんや加齢などの原因により、VZV に対する特異的細胞 性免疫能が低下すると、潜伏していた VZV が再活性化し、知覚神経を通って皮膚に到達 し、そこで増殖します。再活性化したときの臨床像が帯状疱疹です。(http://medical.radionikkei.jp/kansenshotoday_pdf/kansenshotoday-120815.pdf)

「へいない」「へいないも」 水痘(へいない)

 本書個別題名では水痘を「へいない」と読ませている。

洗(さき  先) 当て字
 

 

 
 
 
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『疱瘡心得草』18 17丁裏 18丁表 志水軒朱蘭 述 

2020-07-12 | 疫病:疱瘡心得草 他



    『疱瘡心得草』18 17丁裏 18丁表 志水軒朱蘭 述 



 『疱瘡心得草』 志水軒朱蘭 述
 一冊
 出版 蓍屋善助
 寛政10 [1798]
 国立国会図書館デジタルコレクション 
 請求番号 852-26

 
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 『疱瘡心得草』

 

 

 

国立国会図書館所蔵
17丁裏

麻疹(はしか)の熱(ねつ)も傷寒(しやうかん)に似(に)て、たゞ咳(しわぶき)、嗽、頻(しき)

りにして、声(こへ)うれて出(いで)ず、咽(のど)はれ、痛(いた)み乾(かわ)き、のんど

唱(うつ)して湯水(ゆみづ)を呑(のむ)事(こと)、かぎりなし、熱(ねつ)ある事、一日にし

て、からだ、皮(かわ)の中(なか)に寸地(すんぢ)もなく出(いで)て、蚤(のみ)蚊(か)のさしたる

様(やう)に、其跡(あと)或(あるひ)ハ粟(あわ)つぶなどのごとく出(いでゝ)後(のち)、熱(ねつ)さめ、半(はん)日

又ハ 一日半、二日にして 麻疹(はしか)おさまるものハ、順(じゆん)

にしてよし、麻(はしか)(はしか)ほと折(おり)の時(とき)、よき医者(いしや)を頼(たの)み業を

服(ふく)さすれバ、その毒汗(どくあせ)にしたがつて出安(でやすく)し、発熱(ほつねつ)の時(とき)

に、外ハ風寒(ふうかん)にあたり、内(うち)ハ ひへもの、生物(なまもの)などを食(しよく)する

事(こと)、かたく無用(むよう)也、病者(びようしや)、内ねつする故(ゆへ)、生物(なまもの)、 ひへもの

 

咳嗽(しわぶき)

 咳き(しわぶき)[名](スル)

 1 せきをすること。また、せき。「病室から軽い咳きが漏れる」

 2 わざとせきをすること。せきばらい。「メエルハイムは―して語りいでぬ」〈鴎外・文づかひ〉

 嗽(うがい うがひ)

 [名](スル)水や薬液などを口に含んで、口やのどをすすぐこと。含嗽 (がんそう) 。「食塩水で嗽する」「嗽薬」

咳嗽(しわぶき)

 咳をし、うがいをすること。

のんど

 喉 咽

唱(うつ)して

 唱 1となえる。㋐うたう。吟ずる。㋑よみあげる。声高く読む。㋒言い始める。先に立って言う。2うた。歌曲。

内(うち)熱  正確には内熱(ないねつ)

 陽気が相対的に過剰となり体内に生じる熱のことです。実熱と虚熱があります。



国立国会図書館所蔵

18丁表

を好(この)むにより、禁制(きんせい)をおかして、内外(うちそと)より冷(ひへ)て疹子(はしか)

出(で)る事なく、悪症(あくしやう)に変ずるもの也、たゞ衣類(いるい)をあつく

着(き)て、汗(あせ)を出(いだ)し、防(ふせ)ぐべし、疹子(はしか)ほとおりの時(とき)、咽(のど)の中(たち)

腫(は)れ飲(のみ)くひ入(い)りがたし、甚(はなハ)だ急症(きうしやう)也、うろたへて咽(のど)

に針(はり)する事(こと)、無用(むよう)也、是(これ)疹子(はしか)の火毒(くわどく)さかんなる故(ゆへ)也、

熱(ねつ)を解(げ)す薬(くすり)を用(もちひ)、水(みづ)煎(せん)じて服(ふく)すべし、或(あるい)は寒(かん)の水(みづ)

臘雪(きよねんのゆき)をたくわへて服(ふく)すべし 其(その)しるし、妙(めう)也 疹子(はしか)の

熱(ねつ)さかんなる時(とき)、冷水(ひやみづ)或ハ梨子(なし)、蜜柑(みかん)、熟柿(じ行くし)などを

食(くろ)ふ事(こと)多(おゝ)くして、はしか収(おさま)りて痢病(りびやう)に死(し)する

類(るい)あり、何程(なにほど)渇(かわ)くとも、湯(ゆ)をあたへて 冷(ひや)ものを飲ま

 

疹子(はしか)ほとおり
 麻疹ほとぼり
 
臘雪(きよねんのゆき)  (ろうせつ)
 臘雪〘名〙(ろうせつ)陰暦12月に降る 
 臘雪〘名〙(ろうせつ) 臘月に降る雪。陰暦一二月の雪。
 ※田氏家集(892頃)中・哭舎弟外史大夫「本自堅貞凌臘雪、何因消化軟春氷」 〔劉禹錫‐送陸侍御帰淮南使府詩〕
 
 臘月(ろうげつ)
 陰暦十二月の異称
 季節 冬

臘(ロウ くれ)

 ①冬至のあと、第三の戌(いぬ)の日に行う祭り。「伏臘」 ②くれ。年のくれ。陰暦一二月の異名。「臘月」

 旧臘(キュウロウ)伏臘(フクロウ)臘月(ろうげつ)臘日(ろうじつ)、臘梅(ろうばい)

臘雪(きよねんのゆき)

 本来「ろうせつ」と読むべきところを「きよねんのゆき」とふりがながあるのは、「去年(暮れ)の雪」という意味か

 

 
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一角(うにこうる)は古より痘に薬なりと云う事あり、しかし一角(うにこうる)ハ 毒けしの物にて、痘には妙なり、夫故に発熱より 鮫にておろし、両三度程づゝ白湯にて用ゆべし

2020-07-12 | 疫病:疱瘡心得草 他
 写真は、道頓堀。芝居がみたい!芝居の禁断症状が出てきそうです^^
 
 
 
 
 一角(うにこうる)は古より痘に薬なりと云う事あり、
 しかし一角(うにこうる)ハ  毒けしの物にて、痘には妙なり、
 夫故に発熱より  鮫にておろし、両三度程づゝ白湯にて用ゆべし
 一角(うにこうる)
 
 
 
「一角」と書いても、「一角魚」と書いても「うにこうる」と読む一角魚。
 
 
 江戸時代に書かれた『疱瘡心得草』に後半にも「うにこうる」は出てきたが、漢字で書くと「一角」
 
『そりゃまった、どうしたこってぃ』
と、助六のように床を蹴りつつ「うにこうる」を思い浮かべる。
 
 

 一角(うにこうる)を検索すると、 同志社女子大学 表象文化学部・日本語日本文学科 教授 吉 野 政 治氏の論文『日本における一角獣の行方』にたどり着く。

 それには、今でも一角を含む小児丸薬が売られている(1996)とある。

 一角を含む小児鎮静剤は六種売られ、多くは富山で製造されている。

 又、『徳川実記』の承応二年〔1653〕一 月十五日に将軍家綱に「一角一本」が献上されたことが記されているとのこと。

 

 中里介山著『大菩薩峠 26 めいろの巻』(新字新仮名)では次のように書かれている。
 “うにこうる”の漢字
 (注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一角 
 刺鮫  はりざめというのは相当に大きな奴で、夜、海の中を行くと、白い光が潮に透って見える、こいつは舟をくつがえしたり、人を食ったりする怖るべき奴で、舟乗りはこいつにでっくわす鰹を投げやって逃げる。 
 この刺鮫も頭に角のあるというのを聞かない。 
 一角魚(うにこうる)の角は、角というよりは 嘴(くちばし)だ。
 
 
 

 最後に、 「一角(うにこうる)の事」と題して記された効用を抜き出してみたい。

 

古(いに)しへより痘(いも)に薬(くすり)なりと云(いふ)事あり、しかし一角(うにこうる)ハ

毒(どく)けしの物にて、痘(いも)には妙(みょう)なり、夫故(それゆへ)に発熱(はつねつ)より

鮫(さめ)にておろし、両(りやう)三度程(ほど)づゝ白湯(さゆ)にて用ゆべし

 

 これは疱瘡だけでなく、コロナウイルスを消滅させる効果があればいいのだが。

 残念。

 せめて苦しい時の神頼み。

 クワバラクワバラと両手で祓い、コロナを退散させたい。(にゃっはっは)




 『疱瘡心得草』 志水軒朱蘭 述
 一冊
 出版 蓍屋善助
 寛政10 [1798]
 国立国会図書館デジタルコレクション 
 請求番号 852-26

 
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 『疱瘡心得草』

左右

   一角(うにこうる)の事

古(いに)しへより痘(痘)に薬(くすり)なりと云(いふ)事あり、しかし一角(うにこうる)ハ

毒(どく)けしの物にて、痘(いも)には妙(みょう)なり、夫故(それゆへ)に発熱(はつねつ)より

鮫(さめ)にておろし、両(りやう)三度程(ほど)づゝ白湯(さゆ)にて用ゆべし、扨又

柳(やなぎ)の虫(むし)も痘の毒を肌(はだ)の外(ほか)へ追(お)ひ すかす の功(こう)有、

此品(しな)もはやく用ゆべし、又 煎(せん)じて虫(むし)を去(さ)り呑(のぬ)べし

又テリアカの類(るい)、痘(いも)の妙薬(めいやく)也、良薬(りょうやく)あまた有と

いへども、用ひがたし、痘(いも)は薬(くすり)を用(もちい)て害(がい)ある事(こと)有

悪(あ)しき痘(いも)になれバ、薬(くすり)も益(えき)なし、中痘(ちうとう)ハかへつて

薬の道にあやまる事あり たゞ大切に慎むべし

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『疱瘡心得草』17 16丁裏 17丁表 志水軒朱蘭 述 

2020-07-11 | 疫病:疱瘡心得草 他



    『疱瘡心得草』17 16丁裏 17丁表 志水軒朱蘭 述 



 『疱瘡心得草』 志水軒朱蘭 述
 一冊
 出版 蓍屋善助
 寛政10 [1798]
 国立国会図書館デジタルコレクション 
 請求番号 852-26

 
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 『疱瘡心得草』

 

 

 

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16丁裏

 

の垢(あか)を取(とる)にしかず

 

 

    掻(かき)破(やぶ)りの用心のこゝろへの事

凢(およそ)かきやぶりも膿(うみ)に成て、後(のち)ハ少(すこし)も邪魔(じゃま)にな

らず、痘(いも)の内に、一粒(ひとつぶ)甚(はなハだ)かゆきあり、夫(それ)に付て外(ほか)

痘(いも)を損(そん)ずる故也、

 

 

   一角(うにこうる)の事


古(いに)しへより痘(痘)に薬(くすり)なりと云(いふ)事あり、しかし一角(うにこうる)ハ

 

 

凢(およそ)(おおよその転)

一( 名 )物事のたいていのありさま。あらまし。おおよそ。 
二( 副 )① 断定はできないものの、その推定はかなり確かであるさま。② 話を切り出す時に用いる。そもそも。一体。③ (主に否定的な表現を伴って)まったく。
   × 凡 (ぼん) 
    [名・形動]ごく普通であること。ありふれていること。また、そのさま。平凡。「凡ならざる才能」

 




国立国会図書館所蔵

16丁裏

   一角(うにこうる)の事

古(いに)しへより痘(痘)に薬(くすり)なりと云(いふ)事あり、しかし一角(うにこうる)ハ

17丁表

毒(どく)けしの物にて、痘(いも)には妙(みょう)なり、夫故(それゆへ)に発熱(はつねつ)より

鮫(さめ)にておろし、両(りやう)三度程(ほど)づゝ白湯(さゆ)にて用ゆべし、扨又

柳(やなぎ)の虫(むし)も痘の毒を肌(はだ)の外(ほか)へ追(お)ひ すかす の功(こう)有、

此品(しな)もはやく用ゆべし、又 煎(せん)じて虫(むし)を去(さ)り呑(のぬ)べし

又テリアカの類(るい)、痘(いも)の妙薬(めいやく)也、良薬(りょうやく)あまた有と

いへども、用ひがたし、痘(いも)は薬(くすり)を用(もちい)て害(がい)ある事(こと)有

悪(あ)しき痘(いも)になれバ、薬(くすり)も益(えき)なし、中痘(ちうとう)ハかへつて

薬の道にあやまる事あり たゞ大切に慎むべし

 

 

   附録

    麻疹(はしか)心得(こころへ)の事

 

 

 

 

一角(うにこうる)
 
 “うにこうる”の漢字
 (注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一角 
 刺鮫  はりざめというのは相当に大きな奴で、夜、海の中を行くと、白い光が潮に透って見える、こいつは舟をくつがえしたり、人を食ったりする怖るべき奴で、舟乗りはこいつにでっくわす鰹を投げやって逃げる。 
 この刺鮫も頭に角のあるというのを聞かない。 
 一角魚(うにこうる)の角は、角というよりは 嘴(くちばし)だ。
 大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
 
テリアカ  (日本国語大辞典)
 
〘名〙 (theriaca) オランダ伝来の薬。色の赤いねり薬で毒ヘビなどの有毒動物の咬傷に効く解毒剤。テリアギア。
※増補華夷通商考(1708)五「此国より出るテリアカと云丹薬あり」
 
 
 
 
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『疱瘡心得草』16 15丁裏 16丁表 志水軒朱蘭 述

2020-07-11 | 疫病:疱瘡心得草 他



    『疱瘡心得草』16 15丁裏 16丁表 志水軒朱蘭 述 



 『疱瘡心得草』 志水軒朱蘭 述
 一冊
 出版 蓍屋善助
 寛政10 [1798]
 国立国会図書館デジタルコレクション 
 請求番号 852-26

 
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 『疱瘡心得草』

 

 

 

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15丁裏

 

    痘前(ほうさうまへ)痘後(ほうさうのち)のこゝろへの事

疱(ほう)さう前(まへ)色/\のまじない有といへども、たしかならず、

もしまじないを用ひバ、正月、喰摘(くひづみ)にかざりし野老(ところ)を

七軒(けん)にてもとめ、常(つね)の如(ごと)く煎(せん)じ、小児(せうに)をあろふ事極(きわめ)て

よし、第一の用心は、世間(せけん)にはやる節(せつ)ハ雨気風(あまけかぜ)ふき、或(あるひ)ハ

人込(ひとごみ)の中(なか)、夜(よ)あるき、遠路(とうみち)をいみ、こゝろへべし、節(おり)/\

の寒暑(かんしよ)は勿論(もちろん)時気(じき)を払(はら)ふ薬(くすり)を用ひてよく疱瘡(ほうそう)

軽(かろ)く仕廻(しまハ)ば、其跡(そのあと)を大切(たいせつ)に養生(ようじやう)すべし、第一には喰(く)ひ

ものに有、むまきものを進(すゝ)むれバ、余毒(よどく)を助(たすけ)て眼(め)を

損(そん)じ、あしき出(で)きものを発(はつ)し 癇(かん)をわずらふ物也

 

まじない (呪い)

喰摘(くひづみ)

 喰摘では、出てきません。(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。

 「摘」①つむ。つまむ。つみとる。「摘出」 ②選び出す。「摘要」「指摘」 ③あばく。悪事をあばく。「摘発」

 「摘積」現代ではお正月の御節料理をさしていう場合が多いが、本来は新年の祝饌。三方などに米、餅、昆布、熨斗鮑、ゴマメ、橙、ユズリハなどの種々の縁起物を飾り、年賀客にも供した。これらは地方や家庭により違いがあるが、野の物、山の物、海の物が中心となっている。この祝饌が一方では形式化され蓬莱飾となり、もう一つは一重詰めとなった。

野老(ところ)

 ヤマノイモ科の蔓性 (つるせい) の多年草。原野に自生。葉は心臓形で先がとがり、互生する。雌雄異株。夏、淡緑色の小花を穂状につける。根茎にひげ根が多く、これを老人のひげにたとえて野老 (やろう) とよび、正月の飾りに用い長寿を祝う。根茎をあく抜きして食用にすることもある。おにどころ。 新年》「―うり声大原の里びたり/其角」

いむ 忌む ( 動マ五[四] )

 ①崇高ものや不浄なものなどを,神秘的なものとして恐れ続ける。 ②不快に思って遠ざける。③けがれを避けて慎む。 ④受戒する。

 




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16丁表

夫(それ)故に疱瘡跡(ほうさうのあと)にてハ、七十五日の間(あいだ)をいむ也、産前後(さんぜんご)

と同じ実(まこと)に痘(いも)は一生(いつしやう)の大厄(たいやく)なれば、おろそかにすべからず

 

 

   眼(め)を守(まも)る心得の事


痘(いも)の時(とき)ゟ眼(め)あきかぬれば、かせの時、まつ毛(げ)をとぢて

ひらきかぬるハ、鳥(とり)の羽(は)をとをきかせて、ふとあけさす

る事あり、兎(うさぎ)のふんにて洗(あら)へば、奇妙(きめう)に目あくあり、

さま/″\の法(ほう)ありといへども、信(しん)じがたし

 

 

   鼻(はな)のふさがりし時(とき)の心得の事

小児(しように)山あげの程(ほど)より鼻息(はないき)ふさがりて、乳(ち)をのみ

かぬるもの有、是は前(まへ)かたゟ折(おり)/\心を付、鼻中(はなのなか)

 

 
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『疱瘡心得草』15 14丁裏 15丁表 志水軒朱蘭 述

2020-07-10 | 疫病:疱瘡心得草 他



    『疱瘡心得草』15 14丁裏 15丁表 志水軒朱蘭 述 



 『疱瘡心得草』 志水軒朱蘭 述
 一冊
 出版 蓍屋善助
 寛政10 [1798]
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 請求番号 852-26

 
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 『疱瘡心得草』

 

 

 


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14丁裏

躰(たい)の虚性(きよせう)によるなり、たゞ気血(きけつ)を補(おぎの)ふを本(もと)とす、

医家(いか)より毒(どく)消しの薬(くすり)を用ひ過(すご)すべからず、頭面(かしらかほ)ハ早

くかせ足(あし)さるハ総(すべ)ておそきもの也、さすれバ痘(いも)多(おゝ)く

出(いで)たるものハ、出(で)そろひゟ柔成(やわらかなる)布(ぬの)の帷子(かたびら)を合(あわせ)よし

て、着(き)せむべし、其上(そのうへ)に絹(きぬ)の衣類(いるい)を重(かさ)ねあたふべし、

いか程(ほど)重(おも)き疱瘡(ほうさう)にても、十五日を過(すぐ)れば、痘(いも)の

毒(どく)に死(し)するものなし、故(ゆへ)に、十五日にして、神(かみ)を送(おく)るべし、

さら湯(ゆ)ハ軽(かろ)しといへども、十五日を待(まつ)べし、かせ口(くち)にして

ハひへぬ限に、時気(じき)を防(ふせ)ぐ事、専要(せんよう)なり、

 

 

   笹湯(さゝゆ)の心得の事

 

気血(きけつ)

 「」とは大気、天気のように自然界におけるという概念から出た言葉で、形がなくて目には見えないものとして、体内におけるエネルギーと捉えられています。 一方、「」は反対に目に見えるものを指しており、血液のみならず体液を総称したものと捉えられています。




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(14丁裏     笹湯(さゝゆ)の心得の事)

 

15丁表

四五日前(まへ)ゟ米(こめ)のかし水を取置(とり置き)て、能(よく)ねさせ置(おき)、その

うわずみを湯(ゆ)に焚(たく)べし、湯(ゆ)に入るゝ事、重(おも)き痘(いも)は

日数(ひかず)にかゝわるべからず、湯の内へ手拭(てぬぐひ)をひたし、得(とく)と絞(しぼり ママ)

りてかせやる痘(いも)の跡(あと)をしか/″\と押(おさ)へ、湯の気(き)をあつ

れば、かせの熱(ねつ)、こゝろ能(よく)おさまる也、必(かなら)ずぬらしあらふべ

からず、かほハ目の上下(うへした)をよけ、眼(め)の中へ湯の気(け)入ば

眼中(がんちう)をそこのふ事有、手足(てあし)惣身(そうしん)まんべんに湯を引(ひく)

べし、背(せ)ハ軽(かろ)くすべし、湯をかけ終(おわ)れば風(かぜ)に当(あ)つべ

からず、夫(それ)より 又 両三日隔(へだて)て二番(ばん)湯を浴(あぶ)せしむべし

三番(ばん)湯をすまして、常(つね)の湯に入るべし

 

 

絞(しぼり)りて

 「り」の重複あり

湯をかけ終(おわ)れば風(かぜ)に当(あ)つべからず、

 湯をかけ終わったら、風に当てる(当たる)べからず、

 
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『疱瘡心得草』14 13丁裏 14丁表 志水軒朱蘭 述

2020-07-09 | 疫病:疱瘡心得草 他



    『疱瘡心得草』14 13丁裏 14丁表 志水軒朱蘭 述 



 『疱瘡心得草』 志水軒朱蘭 述
 一冊
 出版 蓍屋善助
 寛政10 [1798]
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 『疱瘡心得草』

 

 

 


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13丁裏

陽気(ようき)を補(おぎの)ふを肝要(かんよう)とす、しかし、此変(へん)に至(いた)るも

皆(みな)介抱人(かいほうにん)の如才(じよさい)よりするわざなり

 

 

 収厭(かせ)三日の間のよし悪(あし)の心得の事


疱瘡(ほうさう)に遅(おすし)速(はやし)の二品(ふたしな)あり、いづれもさゝ湯(ゆ)程(ほど)あし

ければ、痘(いも)膿(うみ)かへる事(こと)あり、又 此三日を過(すぎ)て痘(いも)

そのまゝにてかせる、気色(きしょく)なきもの有(あり)、内(うち)の虚寒(きよかん)

毒気(どくき)の余熱(よねつ)とによる、此二(ふた)つを考(感が)へ知(し)るべし、吉疱(きちほう)

瘡(さう)ハ、つむり、口、鼻のあたりより、かせはじめ、むね、

わき、手足(てあし)に及(およ)び、上(かみ)より せんぐり にかせて、出(で)もの

ふたあつく、堅(かた)くして、うみかへるといふことなくして

 

 

 

肝要(かんよう)

 [名・形動]《人間の肝 (きも) と扇の要 (かなめ) の意から》非常に大切なこと。最も必要なこと。また、そのさま。「何事にも辛抱が肝要だ」

如才(じよさい)

 一( 名 ・形動 ) 気を遣わずに、いい加減にすること。

 
 二形ばかり敬意を表す
 一の意に転じ、「如才」と書く
 
収厭(かせ)  『疱瘡心得草』14(乱鳥の書きなぐり)
 03表 左

 疱瘡(ほうさう)はじめ終(おわり)の日数(ひかず)心得(こゝろへ)の事

 熱蒸(ねつしやう)とて三日有、俗に「ほとおり」といひ、又は「序病」(じよやみ)といふ

 見点(けんてん)とて三日有、俗に「出そろひ」といふ 
 
 潅漿(きちやう)とて三日有、俗に「水もり」といふ

 貫膿(くわんのう)とて三日有、俗に「山あげ」といふ

 収厭(しゆえん)とて三日有、俗に「かせ」といふ
 
虚寒(きよかん)
 虚証で寒のあるもの。陽気が欠如して体を温めることが出来ない状態。←→実寒
 
つむり
 頭
 
せんぐり
 順をおって次々にすること。
 




国立国会図書館所蔵

14丁裏

此時手足(てあし)の節(ふし)/″\のあたりに、いたむ痘(いも)あれば、より

こと成もの也、早速(さつそく)にはらひ、毒(どく)の薬を用べし、水靨(すいほう)と

云(いふ)もの有(あり)、かせる時、つぶと粒(つぶ)と、ひとつに成て痘(いも)の先(さき)より

汁(しる)出(いで)て流(なが)れてかたまるなり、手足(てあし)、身(み)ハ、活石(かつせき)ようの

ものを一めんにふりかけ、衣裳(いしやう)に付(つか)ぬ様(やう)に用心すべし、

かせ口(くち)になりては、順痘(じゅんとう)にても、熱出るもの也、夫故(それゆへ)に笹(さゝ)

湯(ゆ)の加減(かげん)、気(き)を付(つく)べし、此時に小便(せうべん)通(つふ)じ少(すくな)バ、餘毒(よどく)を

払(はら)ふべし、もし不食する時ハ、裏(うら)のよハみと合点(がてん)し、頭痛(づつう)

すれバ、目(め)に気(き)を付(つく)べし、大便こわばるハ余毒なり、扨に

さゝ湯(ゆ)は日かぎりによるべからず、余毒(よどく)久(ひさ)しくなれバ

 

餘毒(よどく)

 余毒

 

 

 

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『疱瘡心得草』13 12丁裏 13丁表 志水軒朱蘭 述 

2020-07-08 | 疫病:疱瘡心得草 他



    『疱瘡心得草』13 12丁裏 13丁表 志水軒朱蘭 述 



 『疱瘡心得草』 志水軒朱蘭 述
 一冊
 出版 蓍屋善助
 寛政10 [1798]
 国立国会図書館デジタルコレクション 
 請求番号 852-26

 
読んでいる本(click) 
    ↓
 『疱瘡心得草』

 

 

 


国立国会図書館所蔵
12丁裏

表(おもて)に、山上(やまあげ)の熱(ねつ)有べし、然(しか)れ共(とも)、かくの如(ごと)きは、吉痘(よきとう)にし

て、こと/″\く 膿(うみ)となりて、肌表(はだひやう)に出(いで)あくれば、内(うち)すゞ

しくなるゆへに、食事(しよくじ)進(すゝ)み、自(おのづ)からうつくしくかせて

癒(いゆ)る也、凶(あしき)痘(いも)ハ まづ 咽(のど)まで痘(いも)出(いで)て、食事(しょくじ)乳味(にうみ)も

通(とう)りがたく、毒気(どくき)、肺(はい)の臓(ぞう)の気道(きみち)に迫りて、表(ひやう)へ出(いで)

がたくかわきつよく、声(こゑ)かれて出(いて)ず、口(くち)いき一面(いちめん)にかた

まりと成(なり)、もだへ苦(くる)しみ、何程(なにほど)の妙方(めいほう)にても叶(かな)ひ難(がた)

し、毒気(どくき)、膿(うみ)となり、表(ひやう)へ顕(あらハ)れず、急(きう)にとぢて 変(へん)

をなす也、此関(せき)ハ 十日、十一日にあるべし、痘(いも)の生死(せうじ)ハ

膿(うみ)の有無(うむ)に決定(けつてい)をなすに、すでにやまを上(あげ)るものに

 

吉痘(きちとう  12丁表)

  (よきとう  13丁表)

  吉痘は「きちとう」とも「よきとう」とも読ませている。

妙方(めいほう) 国語大辞典

〘名〙 すぐれた処方。※和州旧跡幽考(1681)五「豊心丹、俗に西大寺といふ。此寺伝来の妙方なり」 〔史記‐倉公伝〕

 




国立国会図書館所蔵

13丁裏

内托(ないたく)の薬(くすり)を用(もち)ひ、すごすべからす、薬気(くすりけ)なく、自(みづ)から

うせるを待(まち)てよし、但(たゞ)し、貫膿(くわんのう)の時(とき)ハ、皆(みな)起腫(おくれはれ)により

痛(いたむ)ものなれども、厳(きび)しくいたんで堪(たへ)がたき程(ほど)ならば、悪(あし)し

或(あるい)ハ此時(このとき)に面目(かほ め)のはれ早(はや)く引(ひけ)バ、あざ瘡(がさ)落(おち)て後迄(のちまで)

も地腫(ぢばれ)有(あつ)て段ゞ(だん/″\)に引(ひく)をよしとす、又 痘大(とうだい)がいに

山(やま)をあげて、俄(にわか)にふるひ出(いで)、はぎりつよく、かわきあり

て、腹下(はらくだ)り、甚(はなは)だあやうきもの有(あり)、此時(このとき)は五臓(ごぞう)の内(うち)、身(しん)

躰(たい)の真気(しんき) 皆(みな)表(ひゃう)にあらわれて、内証(ないしやう)にわかに虚(きよ)して

かようの変(へん)を顕(あらわ)す也、必(かならす)驚(おどろ)く事(こと)なれ、只(たゞ)の看病(かんびやう)

人(にん)見(み)とゞけて、良医(いしや)にまかせて、人参(にんじん)など用て

 

内托(ないたく)

 補益気血の薬物を使用し、正気を扶助することにより毒を外出し内陥を防止する治法。
 化膿症中期で潰破しないときは托毒透膿法を用い、解毒薬に補益薬を補助的に配合する。
 気血不足が顕著で、化膿が慢性に反復したり、潰破後も瘡口が収斂しなかったり滲出が続くときは補托法を用い、補血薬を主体にする。
 気血の補益には主として黄耆・当帰を、解毒には金銀花・連翹・蒲公英・皀角刺などを用いる

貫膿(くわんのう)潅膿

 〘名〙 疱瘡(ほうそう)などの症状のさかりを過ぎること。やまあげ。〔和漢三才図会(1712)〕

 

 

 

 

 

 

 

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『疱瘡心得草』12 11丁裏 12丁表 志水軒朱蘭 述

2020-07-08 | 疫病:疱瘡心得草 他



    『疱瘡心得草』12 11丁裏 12丁表 志水軒朱蘭 述 



 『疱瘡心得草』 志水軒朱蘭 述
 一冊
 出版 蓍屋善助
 寛政10 [1798]
 国立国会図書館デジタルコレクション 
 請求番号 852-26

 
読んでいる本(click) 
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 『疱瘡心得草』

 

 

 


国立国会図書館所蔵
11丁裏

物有(あり)、出(で)かけより、やけとのふくれあるが如(ごと)く にして、うみ

もたぬをいふ、是(これ)悪症(あくしやう)也、又 蚕種疱(さんしゆほう)といふ有(あり)、是(これ)蚕(かいこ)

の種(たね)の如(ごと)きものハ、此時頭面(かしら かほ)大(おゝひ)にはれて、目をとぢて、又

早(はや)くまどをあけて変(へん)を顕(あらわ)す、一身中(しんちう)皆(みな)潅漿(みづもり)とい

へども、頭面(かしら かほ)潅漿(みづもり)せざるハ、大切(たいせつ)なり、又 吐逆(とぎゃく)して止(やま)ず、大(だい)

便(べん)下(くだ)理、小便(せうべん)に血(ち)を下(くだ)すもの、甚(はなはだ)悪(あし)き也、或(あるい)ハ 唇(くちびる)ふとく

腫(はれ)て破(やぶ)れ、血出(ち いで)て、食事(しょくじ)進(すゝ)みがたく、喉(のんど)、痰(たん)強(つよ)く、涎(よだん)自(おのづ)づから

流(なが)出(いで)るハ、悪(あし)き也、又 吉痘(きちとう)にても、此時ハ少(すこ)しかゆみ

有(あり)、又 いらつきてさわりたるもの也、是が為(ため)に、袖長襦(袖、ながじゅ-)

袢(-ばん)を用意(ようゐ)するものなり、又 看病人(かんびやうにん)も昼夜(ちうや)打(うち)つゞ

 

やけとのふくれあるが如(ごと)く

 (みずぶくれができて)やけどのふくれあるが如(ごと)く

涎(よだん)

 余談




国立国会図書館所蔵

10丁裏

きて草臥(くたびれる)故、寝(ねむ)り つよく出るもの也、あら手(て)の人(ひと)をそへ


て、必(かなら)ずねむるべからず、膿水(うみ)にさへなれば、少しかき破(破れ)れても


大成(おゝいなる)禍(わざわ)ひはなし、随分(ずいぶん)油断(ゆだん)すべからず

 

12丁裏

  貫膿(やまあげ・くわんのう)三日の内(うち)の吉凶(よしあし)の心得の事


此時(このとき)やまあげと俗(ぞく)に云ふ、是迄(これまで)の順(じゆん)の通(とお)り(に)さへゆけバ、


宜(よろ)し、上(かみ)半分(はんぶん)の手あて よろしけれバ、自(みづか)ら山(やま)十分(ぢうぶん)に


上(あが)る也、痘(いも)の豆(まめ)に似たるハ、山上(やまあげ)の時(とき)にて知るべし、痘(とう)出(いで)て


ゟ七日に至(いた)りて其形(そのかたち)まるあかく満ち(みち)/\て光(ひか)り潤(うるお)ひ


有(あり)て緑水(りよくすい・あをみづ)の如(ごと)く、段/″\(だん/″\)に其色(そのいろ)蝋(らう)のごとくにて、立上(たちあが)

り見(み)ゆるを 貫膿(くわんのう)と云(い)ふ、此時(とき)出(で)ものばら/\として

 

やまあげ

 夏季、平地での猛暑を避けるため、標高500〜1000mの山間部へ移動させること。標高が100m高くなるごとに、0気温が、五度下がるといわれている。高上げ

 

 

 

 

 

 

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2時間ドラマ『スペシャリスト』2013年 脚本 戸田山雅司 監督 七髙剛 他 出演者 草彅剛 南果歩 大杉漣 他

2020-07-08 | 映画

写真は植物、ヤマボーシ

 

 
 
 2時間ドラマ『スペシャリスト』2013年 脚本 戸田山雅司 監督 七髙剛 他 出演者 草彅剛 南果歩 大杉漣 他
 
 
 面白かった。なので、今回の映画も3,6と満足した。
 
 
 さすが、南果歩さん。彼女の京都弁もなかなかの物。かなりいいところまで行っておられたが、少し惜しい部分もあった。
 
 今回も記録のみにて失礼申し上げます。
 
 
脚本 戸田山雅司
監督 七髙剛 他
出演者 草彅剛
南果歩
芦名星
平岡祐太
製作
制作 テレビ朝日
放送
音声形式 ステレオ放送
放送国・地域 日本の旗 日本
ポータルサイト
土曜ワイド劇場(特別企画)
プロデューサー 井圡隆(テレビ朝日)
船津浩一(テレビ朝日)
西勇哉(テレビ朝日)
目黒正之(東映)
和佐野健一(東映)
出演者 佐戸井けん太
紺野まひる
江波杏子
大杉漣
放送期間 2013年5月18日 - 2015年12月12日
放送時間 土曜 21:00 - 23:06
放送枠 土曜ワイド劇場
放送分 126分
 
 
 
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