夫は、私には理解できない何らかの理由で、よく不機嫌になった。何かが気に入らないのだろうが、私にはそれが何を指し示しているのかわからなかった(恐ろしくてわかりたくもなかったが)。しかし、私に対しての何らかのメッセージを込めているのだろう、ということを感じた。なぜなら、明らかに私に対しての嫌がらせとしか思えない行動を連発していたからだ。
例えば物音。
夫は廊下を歩くとき、ドンドン、と足音をたてる。そして、部屋のドアを思いっきり「バンッッ!」と閉める。そして、モノをどこかに置くときにもドサッ、バンッ、ガチャン、と大きな音を立てる。私は横目で夫を見ながら暗い不安に怯えていた。
例えば溜息
夫は私に向かって大きな大きな溜息を吐いた。そして眉間に深いシワを寄せ、「疲れる…」とつぶやいた。時には「しんどい…」、時には「病気になりそうだ…」と独り言を言う。私は何も言えずにただ小さくなっている。
例えば無視
私が「どうしたの」と夫に問うても、夫は恐ろしい形相をして全く答えなかった。完全無視である。結婚当初の頃は、そんな夫の様子が気になり「私に言いたいことがあるなら言って」と話しかけたりしたが、そうすると「おまえは俺が何で怒っているかわからないのか??」とドスのきいた声で言われたので、後には私も何も聞かないようにした。ひとたび夫の無視が始まると、何日もそれは続いた。夫婦で全く会話をしない、できない日々が続いた。私は家の中で夫の顔を見ないように、ひたすらうつむいていた。
例えば破壊
夫の我慢の容量を超えると、夫はモノを破壊した。たいていは食器だった。私が別の部屋にいると、突然「ガシャーン」と音がした。後で見に行くと、台所の流しにグラスのかけらが飛び散っていた。ある時は皿を割った。ある時は箸を折った。その後も夫は何食わぬ顔をしていた。そして片付けるのは私だった。それにしてもこの破壊行動には心底ぞっとさせられた。この破壊行為がもっと拡大するのではないか。これが私に及ぶのではないか。そんな恐怖が私の心を蝕んでいた。
ある時、私は自分でカップを落として割ってしまった。その瞬間、私の頭の中に電流が流れたような感触を覚え、「嫌だ~~!!」と叫び何度もそのカップを床に投げつけたいような衝動に駆られた。私はその衝動を必死になって抑えた。泣き叫びたかった。
そして食事拒否
私が仕事を終えて必死に帰り食事を作っても、夫は帰ってこない。私は夫が帰ってきたらすぐ食べられるように、そして温かいものは温かく食べられるように台所でスタンバっている。しかし帰ってこない。私は暗い目をして時計を見、夫の帰宅に怯えつつテレビを見る。2時間くらい待っていると玄関の鍵を開ける音がする。夫が帰ってきた!私は慌ててテレビを消し、台所に飛んでいき、お味噌汁や煮物を温め直す。すると夫はテーブルに並んでいる料理を一瞥し「外で食べてきたから」と言い自分の部屋に引っ込む。
私は砂を噛むような思いで自分の分だけをかろうじて食べ、後はラップをして冷蔵庫に入れた。夫はどうせ食べないので、これは後日私の食事か弁当になる。
朝食を作っても夫はそれを無視し、近くの喫茶店にモーニングを食べに行ったこともあった。私は無視されたことを解消するために、トーストやベーコンエッグをゴミ箱に投げ込んだ。虚しかった。
不機嫌オーラをらんらんと放つ夫に対して、私は何とか夫と心を通わせようとした。話しかけたり、夫の好きなメニューを用意したり。しかしそんな時の夫は全く冷酷な態度しか見せなかった。無視、あるいは「やめてくれ」「不愉快だ」そんな言葉しか返ってこなかった。私は口で話しができなかったりしづらかったりすると、手紙を書いたりして、何とかコミュニケーションを図ろうとした。ある時は私のパソコンから夫のパソコンにメールを送った。しかし完全無視だった。
これが夫婦と言えるのだろうか。親兄弟とも、他の誰ともこんな酷い仕打ちは受けたことがなかった。これは何なんだろう?これは何を意味しているのだろう?夫はもう私のことを憎むしかできない関係になっているのだろうか?
明らかに歪な夫婦関係である。私は疲れていた。完全無視は非常にこたえる。私の存在を無き者にしているからだ。私が何を言っても何を感じても、夫には無関係だった。夫の関心事は、私が夫のために掃除し洗濯し、日々の糧を(おいしく)用意することだけだった。しかし料理だって、夫の気分次第で食べたり食べなかったりされた。私はロボットか。どんな日でも、夫が留守でも、いつでも夫のために家の中を整え食事を作って従順に待っているロボットでしかないのか。
普通の夫婦関係だったら、好き合って一緒に生活した関係だったら、片方が少々不機嫌になっても「○○のこと、気を付けてよね~、もうっ!」「俺は○○のことで怒ってるんだよ」「しばらくほっといて」とか、不機嫌なりにもメッセージを相手に送るのではないだろうか。
しかしモラ夫にはそんなセリフはなかった。自分の気分が害されたと、その感情のまま妻を蹂躙した。私は夫のいる家にいることが、非常に苦痛になっていた。ビクビクし、上目遣いで夫の顔を盗み見た。部屋の空気が薄いようで酸欠になりそうだった。
私は惨めだった。どうしてこんなことになったのだろう。やはりこの結婚は間違っていたのだろうか。夫はDVなのだろうか。身体的暴力はほとんど無いが、この仕打ちは何なんだろう。そんなに私がダメ人間なのだろうか。夫の要求通りにできない私はダメ妻なのだろうか。世の中の妻達は、夫の要求に完璧に答えているのだろうか?夫から何をされても私が一貫してにこやかな態度をとっていれば、夫も変わるのだろうか?
私の中の堂々巡りは続いた。
例えば物音。
夫は廊下を歩くとき、ドンドン、と足音をたてる。そして、部屋のドアを思いっきり「バンッッ!」と閉める。そして、モノをどこかに置くときにもドサッ、バンッ、ガチャン、と大きな音を立てる。私は横目で夫を見ながら暗い不安に怯えていた。
例えば溜息
夫は私に向かって大きな大きな溜息を吐いた。そして眉間に深いシワを寄せ、「疲れる…」とつぶやいた。時には「しんどい…」、時には「病気になりそうだ…」と独り言を言う。私は何も言えずにただ小さくなっている。
例えば無視
私が「どうしたの」と夫に問うても、夫は恐ろしい形相をして全く答えなかった。完全無視である。結婚当初の頃は、そんな夫の様子が気になり「私に言いたいことがあるなら言って」と話しかけたりしたが、そうすると「おまえは俺が何で怒っているかわからないのか??」とドスのきいた声で言われたので、後には私も何も聞かないようにした。ひとたび夫の無視が始まると、何日もそれは続いた。夫婦で全く会話をしない、できない日々が続いた。私は家の中で夫の顔を見ないように、ひたすらうつむいていた。
例えば破壊
夫の我慢の容量を超えると、夫はモノを破壊した。たいていは食器だった。私が別の部屋にいると、突然「ガシャーン」と音がした。後で見に行くと、台所の流しにグラスのかけらが飛び散っていた。ある時は皿を割った。ある時は箸を折った。その後も夫は何食わぬ顔をしていた。そして片付けるのは私だった。それにしてもこの破壊行動には心底ぞっとさせられた。この破壊行為がもっと拡大するのではないか。これが私に及ぶのではないか。そんな恐怖が私の心を蝕んでいた。
ある時、私は自分でカップを落として割ってしまった。その瞬間、私の頭の中に電流が流れたような感触を覚え、「嫌だ~~!!」と叫び何度もそのカップを床に投げつけたいような衝動に駆られた。私はその衝動を必死になって抑えた。泣き叫びたかった。
そして食事拒否
私が仕事を終えて必死に帰り食事を作っても、夫は帰ってこない。私は夫が帰ってきたらすぐ食べられるように、そして温かいものは温かく食べられるように台所でスタンバっている。しかし帰ってこない。私は暗い目をして時計を見、夫の帰宅に怯えつつテレビを見る。2時間くらい待っていると玄関の鍵を開ける音がする。夫が帰ってきた!私は慌ててテレビを消し、台所に飛んでいき、お味噌汁や煮物を温め直す。すると夫はテーブルに並んでいる料理を一瞥し「外で食べてきたから」と言い自分の部屋に引っ込む。
私は砂を噛むような思いで自分の分だけをかろうじて食べ、後はラップをして冷蔵庫に入れた。夫はどうせ食べないので、これは後日私の食事か弁当になる。
朝食を作っても夫はそれを無視し、近くの喫茶店にモーニングを食べに行ったこともあった。私は無視されたことを解消するために、トーストやベーコンエッグをゴミ箱に投げ込んだ。虚しかった。
不機嫌オーラをらんらんと放つ夫に対して、私は何とか夫と心を通わせようとした。話しかけたり、夫の好きなメニューを用意したり。しかしそんな時の夫は全く冷酷な態度しか見せなかった。無視、あるいは「やめてくれ」「不愉快だ」そんな言葉しか返ってこなかった。私は口で話しができなかったりしづらかったりすると、手紙を書いたりして、何とかコミュニケーションを図ろうとした。ある時は私のパソコンから夫のパソコンにメールを送った。しかし完全無視だった。
これが夫婦と言えるのだろうか。親兄弟とも、他の誰ともこんな酷い仕打ちは受けたことがなかった。これは何なんだろう?これは何を意味しているのだろう?夫はもう私のことを憎むしかできない関係になっているのだろうか?
明らかに歪な夫婦関係である。私は疲れていた。完全無視は非常にこたえる。私の存在を無き者にしているからだ。私が何を言っても何を感じても、夫には無関係だった。夫の関心事は、私が夫のために掃除し洗濯し、日々の糧を(おいしく)用意することだけだった。しかし料理だって、夫の気分次第で食べたり食べなかったりされた。私はロボットか。どんな日でも、夫が留守でも、いつでも夫のために家の中を整え食事を作って従順に待っているロボットでしかないのか。
普通の夫婦関係だったら、好き合って一緒に生活した関係だったら、片方が少々不機嫌になっても「○○のこと、気を付けてよね~、もうっ!」「俺は○○のことで怒ってるんだよ」「しばらくほっといて」とか、不機嫌なりにもメッセージを相手に送るのではないだろうか。
しかしモラ夫にはそんなセリフはなかった。自分の気分が害されたと、その感情のまま妻を蹂躙した。私は夫のいる家にいることが、非常に苦痛になっていた。ビクビクし、上目遣いで夫の顔を盗み見た。部屋の空気が薄いようで酸欠になりそうだった。
私は惨めだった。どうしてこんなことになったのだろう。やはりこの結婚は間違っていたのだろうか。夫はDVなのだろうか。身体的暴力はほとんど無いが、この仕打ちは何なんだろう。そんなに私がダメ人間なのだろうか。夫の要求通りにできない私はダメ妻なのだろうか。世の中の妻達は、夫の要求に完璧に答えているのだろうか?夫から何をされても私が一貫してにこやかな態度をとっていれば、夫も変わるのだろうか?
私の中の堂々巡りは続いた。
元○さんは本当に、すごいモラだと思います。
私、美味しいであろうウメさんの手料理、
美味しいおいしいと言いながら
今からでもいただきたいわ(*^。^*)。
実りの秋は、食材のおいしい季節ですが
夫との食事は楽しめませんでしたね。
やっぱりうちの夫は超モラ…!?
すみれさん、私の手料理はおいしいかわかりませんが、
そう言っていただけると嬉しいですっ(涙)!
食べ物に関しては、好き嫌いのない、
何でもおいしいと言ってくれる人が一番だと思いました。
味付けがうまくいかなかったら「次はお醤油をもう少し減らしたら」みたいな
肯定的な意見を言ってくれる人がいいですよね。
とにかく食べ物にうるさい奴はヨーチューイと
肝に銘じています。
ありがとうございました!
ウメより