飄(つむじ風)

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不思議な少年!! その31

2009-05-05 00:10:23 | 物語

イエス父の訃音(ふいん)に接す、母になぐさめの手紙を書く!!


 イエスの父ヨハネの死。死を迎えない人生はない。死は生まれ出でる事による必然である。その死に臨み、如何にあるかと言うことが問われる。本人もそうであるが、縁生の廻りの人々にもその事が問われる。


 それに対するイエスの言葉は、大いなる慰めである。それは、一時のこの世の命を永遠の生命の視点から説いているからである。肉体を纏った生命(いのち)は、実は死ぬことはないのである。居所を変えるばかりである。そして、生き続ける。肉体は役割を終えて朽ち果てる。

 そして、その期間を使命を果たして逝くものは幸いである。それを哀しみの涙で暮れることはないと言う。悲嘆することは、怠惰と同じ事だという。

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<観客無しのサッカー試合(メキシコ):記事には無関係>

 

 この世に生まれてきたことは、使命がある。それは愛を行うことである、と言う。これほど明確な慰めの言葉もない。

 人は死に臨んで、何故泣くか。何故、悲嘆に暮れるのか。死に征く者への同情か。否、そうとばかりは言えない。憐憫は残された自己に対することが多いのである。

 

 

 或る日、イエスがいそがしく働きながら、ガンジス河畔に立っていると、西方から帰って来た一団の隊商が近づいて来た。


 

 ひとりの男が近寄って来て言った、「わたしどもは御郷里から来た者ですが、よくないおしらせを持参しました。御尊父はもうこの世におられません。お母さんは悲嘆にくれておられます。彼女を慰める人は誰もありません。あなたが御存命かどうか知りたくて居られます。もう一度お目にかかりたいと切望されています。」


 イエスは頭を垂れて瞑想し、それから次ぎのような要領の手紙を書いた。


 

 「いとも貴き女性なる母上よ、今郷里から来た人から、お父さんがもうこの世にいまさず、お母さんが嘆き悲しみ、わびしくしていられることを伝え聞きました。


 

 お母さん、万事障りありません。父上もあなたもお仕合せです。お父さんの地上の仕事は完成しました。立派に完成したのです。世のなかのどのような方面でも、お父さんが詐欺をしたとか、不正直であったとか、悪事をたくらんだと非難する人は誰もありません。


 

 存命中お父さんは多くの苦難をなめました。そしてここを去って、これから魂の旅路の問題を解決されようとして居ります。


 

 われらの父神は地上で一緒であったように、そこでも一緒で、お父さんの天使はお父さんが道に迷わないように守ってくれます。なぜ泣きますか。涙は嘆きを克服できません。嘆きに傷心をいやす力はありません。


 

 悲嘆の程度は怠慢と同様です。多忙な人は決して嘆きません。嘆くひまがないからです。嘆きが心に群がって来る時には、われを忘れて愛の働きに深く身を投ずれば憂いは消えてしまいます。お母さんのお仕事は愛の奉仕です。世はこぞって愛を叫び求めて居ります。


 

 されば過去は過去に任せ、生きている人々にあなたの生命を捧げて下さい。そしてもしあなたの生命を捨てて人々に仕えれば、屹度(きっと)朝の光に、タベの露に、鳥の歌に、咲く花に、夜の星にも、その生命を見つけられるでしょう。


 

 やがてこの世におけるお母さんのすべての問題が解決されましょう。そして総決算ができれば、もっと広い有益な場所に入り、もっと大きな魂の諸問題を解決することが、お母さんにとって完全この上ない幸福でありましょう。


 

 それでありますから、つとめて心をやすらかに持って下さい。いつかわたしは黄金や宝石に勝る貴いおみやげを携えて帰ります。屹度(きっと)ヨハネはあなたのお世話をし、あなたの必要なものはすべて供えてくれましょう。そして、わたしはいつもあなたと御一緒に居ります。ゼホシュア(エホバ救い給え)。」


 イエスはこの書面をエルサレムに行くひとりの商人に托して送ってやった。


 

【宝瓶宮福音書:栗原 基訳】


第六部 インドでのイエスの生活と行動

第三十章 イエス父の訃音(ふいん)に接す。母に慰籍の手紙を書く。その手紙。帰途につく商人にこれを托す。

1)或る日、イエスがいそがしく働きながら、ガンジス河畔に立っていると、西方から帰って来た一団の隊商が近づいて来た。

2)ひとりの男が近寄って来て言った、「わたしどもは御郷里から来た者ですが、よくないおしらせを持参しました。

3)御尊父はもうこの世におられません。お母さんは悲嘆にくれておられます。彼女を慰める人は誰もありません。あなたが御存命かどうか知りたくて居られます。もう一度お目にかかりたいと切望されています。」

4)イエスは頭を垂れて瞑想し、それから次ぎのような要領の手紙を書いた。

5)「いとも貴き女性なる母上よ、今郷里から来た人から、お父さんがもうこの世にいまさず、お母さんが嘆き悲しみ、わびしくしていられることを伝え聞きました。

6)お母さん、万事障りありません。父上もあなたもお仕合せです。

7)お父さんの地上の仕事は完成しました。立派に完成したのです。

8)世のなかのどのような方面でも、お父さんが詐欺をしたとか、不正直であったとか、悪事をたくらんだと非難する人は誰もありません。

9)存命中お父さんは多くの苦難をなめました。そしてここを去って、これから魂の旅路の問題を解決されようとして居ります。

10)われらの父神は地上で一緒であったように、そこでも一緒で、お父さんの天使はお父さんが道に迷わないように守ってくれます。

11)なぜ泣きますか。涙は嘆きを克服できません。嘆きに傷心をいやす力はありません。

12)悲嘆の程度は怠慢と同様です。多忙な人は決して嘆きません。嘆くひまがないからです。

13)嘆きが心に群がって来る時には、われを忘れて愛の働きに深く身を投ずれば憂いは消えてしまいます。

14)お母さんのお仕事は愛の奉仕です。世はこぞって愛を叫び求めて居ります。

15)されば過去は過去に任せ、生きている人々にあなたの生命を捧げて下さい。

16)そしてもしあなたの生命を捨てて人々に仕えれば、屹度(きっと)朝の光に、タベの露に、鳥の歌に、咲く花に、夜の星にも、その生命を見つけられるでしょう。

17)やがてこの世におけるお母さんのすべての問題が解決されましょう。そして総決算ができれば、もっと広い有益な場所に入り、もっと大きな魂の諸問題を解決することが、お母さんにとって完全この上ない幸福でありましょう。

18)それでありますから、つとめて心をやすらかに持って下さい。いつかわたしは黄金や宝石に勝る貴いおみやげを携えて帰ります。

19)屹度(きっと)ヨハネはあなたのお世話をし、あなたの必要なものはすべて供えてくれましょう。そして、わたしはいつもあなたと御一緒に居ります。ゼホシュア(エホバ救い給え)。」

20)イエスはこの書面をエルサレムに行くひとりの商人に托して送ってやった。

 

【原文:The Aquarian Gospel of Jesus by Levi H. Dowling  

SECTION VI<o:p></o:p>

VAU<o:p></o:p>

Life and Works of Jesus in India

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CHAPTER 30<o:p></o:p>

Jesus receives news of the death of his father. He writes a letter to his mother.
The letter. He sends it on its way by a merchant.
<o:p></o:p>

ONE day as Jesus stood beside the Ganges busy with his work, a caravan, returning from the West, drew near.
2) And one, approaching Jesus, said,
We come to you just from your native land and bring unwelcome news.
3) Your father is no more on earth; your mother grieves; and none can comfort her. She wonders whether you are still alive or not; she longs to see you once again.

4) And Jesus bowed his head in silent thought; and then he wrote. Of what he wrote this is the sum:
5) My mother, noblest of womankind; A man just from my native land has brought me word that father is no more in flesh, and that you grieve, and are disconsolate.
6) My mother, all is well; is well for father and is well for you.
7) His work in this earth-round is done, and it is nobly done.
8) In all the walks of life men cannot charge him with deceit, dishonesty, nor wrong intent.
9) Here in this round he finished many heavy tasks, and he has gone from hence prepared to solve the problems of the round of soul.
10) Our Father-God is with him there, as he was with him here; and there his angel guards his footsteps lest he goes astray.
11) Why should you weep? Tears cannot conquer grief. There is no power in grief to mend a broken heart.
12) The plane of grief is idleness; the busy soul can never grieve; it has no time for grief.
13) When grief come trooping through the heart, just lose yourself; plunge deep into the ministry of love, and grief is not.
14) Yours is a ministry of love, and all the world is calling out for love.
15) Then let the past go with the past; rise from the cares of carnal things and give your life for those who live.
16) And if you lose your life in serving life you are sure to find it in the morning sun, the evening dews, in song of bird, in flowers, and in the stars of night.
17) In just a little while your problems of this earth-round will be solved; and when your sums are all worked out it will be pleasure unalloyed for you to enter wider fields of usefulness, to solve the greater problems of the soul.
18) Strive, then, to be content, and I will come to you some day and bring you richer gifts than gold or precious stones.
19) I'm sure that John will care for you, supplying all your needs; and I am with you all the way, Jehoshua.
20) And by the hand of one, a merchant, going to Jerusalem, he sent this letter on its way.

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【続く】


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