TULIP DIARY

届くといいな やさしい風に乗って

中之島バラ園2019秋

2019年11月08日 | 旅日記

11月3日、中之島バラ園に寄ってみました。バラ園のバラは見ごろ過ぎのような気もしましたが、まだたくさん咲き揃っていました。

 

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マチネの終わりに

2019年11月08日 | 映画鑑賞日記

11月4日、映画『マチネの終わりに』を梅田の映画館で観賞してきました。平野啓一郎作の映画化作品です。原作は読んでいませんでした。見終えて最初に感じたことは文学的な映画だったなあと思いました。本を読んでいるような、主人公たちのそれぞれの繊細な感情が丁寧に描かれていたからだと思います。この映画を見ようと思ったきっかけは、少し前に『ぴったんこカン・カン』のテレビ番組の中で主役の福山雅治さんと石田ゆり子さんが安住紳一郎さんと三人で山梨を旅しておられたのを偶然見てこの映画のことを知ったからでした。この番組では、料理を普段は全くされないと言われていた福山さんが石田さんをもてなすために手づくりのピザを焼いておられました。料理を全くされないと言われていましたが、そう言われていてもされてないだけで、なんでも上手に作れてしまわれるような器用な方なんだなあとこの番組を見ていて思っていました。この映画の中でも料理を作っておられたシーンが出てきていましたが、普段料理を全くされないようには見えないくらい手際よく料理をされていて、いつも手馴れておられるように映っていました。さすがだなあと思いながら観賞しました。少し脱線してしまいました。この映画の主人公は、クラシックの天才ギタリスト蒔野聡史(福山雅治さん)とパリ在住のジャーナリスト小峰洋子(石田ゆり子さん)で、たった3度会っただけで、ずっと惹かれ合う二人の数年間が描かれていました。「出会ってしまった事実はなかったことにできない」と蒔野が洋子に告げるシーン、「未来が過去を変える」と蒔野が洋子に告げるシーンは印象に残りました。蒔野が投げかけた言葉の深淵とその言葉に投じられた奥の深い意味までも感じ取れることができる洋子と蒔野の出会いは、理屈では語れない出会い方だったということなのでしょう。一目ぼれというのとはちょっと違った意味合いを持つ、心と心が通じ合ったということなんだと思います。蒔野と洋子が疎遠になってしまう原因を作ってしまった携帯電話のメールの出来事は、こんなことをできてしまうのだと衝撃的でした。このような運命的な出会いや携帯でのメールでの出来事は、なかなかないようなことなのかもしれないですが、案外、世界中の到るところで起きていることなのかもしれないなあとも思いました。スカイプで会話したりメールがキーポイントだったりするこの映画は現代の世相を反映している映画なのですが、根底に流れていたものは、どの時代にもあるような生きて行く上での人間関係の底にあるような哲学的というか文学的というか人と人との繋がり方や感情の変化が細やかに描かれている古典的なものを感じた映画でもありました。また、この映画の主題は、「未来が過去を変える」ということだったのだろうと見終えたらよく伝わってきました。楽しかった過去の思い出の記憶が未来に起こった出来事で悲しいものになって行くといったことを表現していたシーンがありました。洋子の長崎の実家の庭にあった石の記憶のシーンでした。洋子にとったら楽しい幼少の日々の記憶が未来に起こった出来事で悲しい記憶にすり替えられてしまったということを描いていました。私も母の入院したきっかけとなってしまった過去の楽しかったある思い出に係っている物がその後の未来に起きた母の長きに渡る入院生活で悲しい出来事にすり替えられてしまったということを実感していたので、このシーンの意味がよくわかりました。でも、「未来は過去を変える」と思えば、まだ未来は生きている限りは続いて行きます。あのときにこうしていたらという後悔は誰にでもありそうなことですが、そういった過去も未来がすり直してくれるのかもしれませんということなのだと解釈したいと思いました。終わりのほうで蒔野が奏でたギター「幸福の銀貨」の曲はいい曲でした。大人の恋愛を主に描いていましたが、蒔野がギターの演奏に満足できなくなっていたスランプや洋子がパリで遭遇したテロでのPTSDなどの諸々のものから解き放たれていこうと苦しみながらもがきながらも糸口を見つけていくような心の格闘が丁寧に描かれていた映画でもありました。見ごたえがあったオススメの映画です。

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