京丹後市にある、穴文殊というところに行って来ました。立派なお寺の本堂もそうですが、これまた大きく立派な松の木がありました。相当な樹齢かと思われます。穴文殊というのは、海の侵食によって穴が開いている景観のことで、保存することが望ましいそうです。雄大な地形と、そこに信仰の対象としてのお寺があり、地域の人々にとっての憩いの場であり、大きな心のよりどころではないかと思います。

お寺の本堂のまわりでは、セニアカーに乗られている方が、熊手を手にして、セニアカーを運転しながら境内の落ち葉を集めておられました。思わず、「御苦労様です」と声をかけると、軽く頷かれて返事をしてくださいました。帰り際には、反対に声をかけてくださり、車の駐車場所について気遣ってくださいました。地域の方と思われますが、本当に穴文殊が綺麗に管理されているのは、地域の方々の思いであるということを感じました。

ここ、穴文殊は、自衛隊の駐屯地と米軍基地に挟まれるような形で建っています。フェンスや目隠しがされていますが、往来する自衛隊員や米兵の姿、そしてレーダー設備から発せられる低周波やレーダー波など、なんだか、不釣り合いな環境のように思われます。また、レーダー施設は、特に重要な施設ということで、もしもの場合には、真っ先に攻撃を受ける対象だそうです。実に、数奇な運命にさらされているのが穴文殊ではないかと思いました。
国道で、米兵とすれ違いましたので、「こんにちわ」と声を掛けると、すぐさま「コンニチワ」という返事が返ってきました。綺麗な黒人の女性でした。会話ができたことを素直に喜びたいのですが、あまりに出来過ぎの感もあり、これも訓練の成果なのかなぁ、と複雑な心境です。今度は、男女、二人の米兵に「こんにちわ」と声を掛けてみました。二人は、仲良くおしゃべりをしていました。ピンク(白)人でした。二人は、イエロー・モンキーから声を掛けられるとは思っていなかったのか、一瞬、躊躇しつつも「コンニチワ」と返事をしてくれました。これもまた複雑な心境です。
誰一人として、殺し合いなどしないで済むような世界であるようにと、祈るばかりです。