「悪い僕」 ルカによる福音書 19章11~26節
イエスさんは、譬え話をしました。それは、ある王が留守をする間、10人の僕に10ムナの金を渡し、留守の間にそのお金で商売をさせるというものでした。王が帰ってきて僕を呼び、どれだけの利益を上げたかを知ろうとしました。最初の者は、「あなたの1ムナで10ムナもうけました」と報告しました。それに対し、「良い僕だ。よくやった。お前はごく小さな事に忠実だっかたら、10の町の支配権を授けよう」と言いました。
何人か後の者は、「ご主人様、これがあなたの1ムナです。布に包んでしまっておきました。あなたは預けないものも取り立て、蒔かないものも刈り取られる厳しい方なので、恐ろしかったのです」と報告しました。それに対し、「悪い僕だ。その言葉のゆえにお前を裁こう。わたしが預けなかったものも取り立て、蒔かなかったものも刈り取る厳しい人間だと知っていたのか。ではなぜ、わたしの金を銀行に預けなかったのか。そうしておけば、帰って来たとき、利息付でそれを受け取れたのに。」と言いました。
イエスさんは、譬え話を通してお金のことではなく、「愛」について教えているのです。イエスさんの教える愛は、それを受け取った者が隣人と分かち合うことによって大きく広められるのです。反対にイエスさんの教える愛を受け取った者が、その愛を隠して心の中にしまっておくだけならば、宝の持ち腐れになってしまうのです。イエスさんの教える愛を独り占めにして、隣人に与えない者が「悪い僕」なのです。