「命も愛」 マルコによる福音書 8章31~38節
イエスさんは、多くの苦しみを受け、殺され、三日の後に復活することになっていると、はっきりと話されました。すると、ペトロはイエスさんをわきへ連れて行き、いさめました。ペトロは、イエスさんがユダヤ人の王となり、自分たちが大臣となって働き、ユダヤの国を建て直すことを夢見ていたのでした。しかし、それは人間的な思いであり、イエスさんは神さまの思いを伝えていたのでした。そして、イエスさんは、「自分を捨て、自分の十字架を背負って、わたしに従いなさい。」と言いました。
イエスさんが捨てなさいと言ったのは、人間的な思い、自己愛のことです。十字架は、人間的な思いではなく、神さまの愛です。自己愛を捨て、神さまの愛によって生きなさいと教えているのです。イエスさんはまた、「自分の命を救いたいと思う者は、それを失うが、わたしのため、また福音のために命を失う者は、それを救うのである。」と言いました。「自分の命を救いたい」とは、自己愛によって生きることです。自己愛を選ぶのではなく、神さまの愛を選び取って生きること、それが真に自分の命を救うことになるのです。