「わたしの平和」 ヨハネによる福音書 14章25~31節
イエスさんは、信じる人たちが困難に陥ったとき、困難を乗り越えられるように弁護者となって助けてくれるのが聖霊であると教えました。同時に聖霊は、イエスさんが伝えた愛の教えを思い出させる働きをするとも教えました。私たちの住む世界に争いが絶えないのは、人々の心に愛がないからです。聖霊は、イエスさんの愛そのものであり、私たちに平和をもたらす源です。
イエスさんはまた、「わたしの平和を与える。わたしはこれを、世が与えるように与えるのではない。」とも教えました。世界には、差別や搾取によって争いが絶えることがありません。いくら一生懸命に平和を祈り求めても、祈りの言葉は観念的で自分に都合の良い不平等な平和しか思いつきません。それが、「世が与える平和」なのです。
イエスさんが教える「わたしの平和」とは、互いに愛し合い、互いを対等な存在として認め、互恵の精神によって私たち自身が実現する平和のことです。「世が与える平和」というものは、一方的かつ不平等で従属的なものです。イエスさんは、十字架で命を賭して愛を示されました。その愛によって互いに支え合って実現する平和が「わたしの平和」なのです。