「目を上げて」 ルカによる福音書 2章1~20節
イエスさんが生まれた時、東方の国から遣わされた占星術の学者たちがやって来ました。学者たちは、「ユダヤ人の王としてお生まれになった方は、どこにおられますか。わたしたちは東方でその方の星を見たので、拝みに来たのです。」と言いました。占星術の学者たちを支えていたのは、目を上げて、星の導きを頼りとする信仰でした。彼らの信仰は、東方の国の政治と密接に結びつき、政治を指導し、時には長旅の危険を顧みず「拝みに来たのです」と言って外交までも担っていました。
占星術の学者たちの来訪を受けて、ヘロデ王を始めエルサレムの人々が「不安を抱いた」と伝えられています。それは、ユダヤの国の政治が、東方の国の政治と比べて対照的で、脆弱であったからではないでしょうか。ヘロデ王は、余りにも無能でした。取り巻きの祭司長や律法学者たちもまた、目を上げ、自分たちの信じる信仰に従う純粋さもなく、ヘロデ王の顔色ばかりを伺い、保身のために信仰の指導者として働くこともありませんでした。改めて、頼るべきは純粋な信仰であると教えられているように思います。