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融通無碍 翼を休めてみませんか

新温泉町浜坂にある日本キリスト教団浜坂教会の
牧師日記

信念のない男は何をやっても駄目

2018年09月13日 | 日記

 「住めば都」という言葉があります。住み慣れれば、そこが一番良いということです。東京であろうが、浜坂であろうが、「住めば都」なのです。

 一方で、中央と周辺という考え方があります。東京や京都が中央であり都であり、それに対して沖縄や北海道は周辺という考え方があります。そう思う人は、中央に比べて周辺と呼ばれているところを軽んじていることに気がつかないことが多いように思います。

 沖縄では、基地はもういらないというのが民意なのですが、貴重な自然をこれでもかというくらい破壊し、反対運動を弾圧してまでも辺野古に新しい基地を建設しようとしているのは、紛れもなく中央の論理だと思います。

 しかし、沖縄に新しい基地が建設されようとしているのは、何も中央の論理だけではないようです。その背後に、アメリカの要求もあるのだろうと思います。戦後、一貫して日本はアメリカの隠然支配の下、対米従属が国是となっているからです。

 先日、「領土抜き平和条約を」プーチン氏、首相に提案したというニュースを見ました。少し、プーチン大統領の立場になって考えてみると、北方領土を返還したとたん、そこにアメリカ軍の基地ができたならたまらないと思います。日本は、アメリカ抜きでの意思決定ができないことは見透かされていますので、沖縄と同様に北方領土に基地が建設されてしまうことも十分に起こり得ます。

 ならば、返還した北方領土には絶対に基地は作らせないという条文を入れ、先に平和条約を締結するというのは至極前向きな提案なのかも知れません。余計な軍事的な緊張状態を作り出さないように注意し、北方領土が平和的に経済発展してロシアにも利益が注がれ、日本とロシアの良好な関係が築き上げられるためにも、北方領土の返還はロシアにとっても都合の良い話しではないかと思います。

 官僚が作った作文をルビ付きでしか読むことができない安倍首相ですから、とっさのプーチン大統領の言葉に応答できる訳がありません。なんせ、「云々」を「でんでん」と言い出す始末の男なのですから、文脈に沿った応対などできる訳がありません。用意周到に構えて、的確な言葉を返すプーチン大統領とは大違いです。

 この記事を見て、ムン・ジェイン韓国大統領とキム・ジョンウン北朝鮮最高指導者が板門店にある「平和の家」での首脳会談を思い出しました。南北の軍事境界線を越えてやって来たキム・ジョンウン最高指導者に、ムン・ジェイン大統領が「私はいつ(軍事境界線を)越えられるでしょうか」と話しかけると、キム・ジョンウン最高指導者が「今、越えたら良いんじゃないですか」と応え、二人一緒に軍事境界線を北朝鮮側に越えたという出来事です。

 何事も確固とした強い意志を持ってやり遂げようとしている人は、用意周到に準備をしているものです。少々の困難が襲って来ても臨機応変に対応し、持っている引き出しを駆使してやり遂げるものです。板門店での出来事が打ち合わせの上でのシナリオ通りの芝居でなかったなら、ムン・ジェイン大統領の話しかけに応えたキム・ジョンウン最高指導者は、なかなかのものだと思わされます。

 要は、信念のない男は何をやっても駄目だと、自分自身への反省も込めてそんなことを思わされました。(画像をクリックすると、ニュース記事をご紹介できます。)

 


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