「まず第一に」 使徒言行録 6章1~7節
ギリシャ語を話すユダヤ人から、ヘブライ語を話すユダヤ人に対して苦情が出されました。それは、仲間のやもめが日々の分配のことで軽んじられ、差別されていたからでした。使徒たちは、この問題を解決するために、弟子の中から評判の良い7人を選び、問題解決の役割を託すことにしました。
このとき、使徒たちは、祈りとみ言葉に専念したいので、この問題を解決するための役割を他の弟子に託したと伝えられています。すると、祈りとみ言葉が最優先であると教えられているような気もします。しかし、軽んじられ、差別されていることが問題であるとの苦情が出されたというのに、優先順位を論じているようでは、問題解決につながらないのではないかと思ったりします。
考えてみると、祈ることやみ言葉に専念することと、問題を解決するための役割を担うことは、どちらも尊い働きであって、その働きに優劣や上下の差はありません。役割分担とは、使徒たちも、問題解決のために役割を託された者たちも、それぞれが力を尽くすための最善の方法であったはずです。
聖書を通して学んでいる私たちもまた、牧師であれ、信徒であれ、祈ることやみ言葉に親しむことをまず第一にしたいと思います。その上で、それぞれの役割については、それぞれが力を尽くすようでありたいと思います。それが、多くの人々に受け入れられる万人祭司の精神ではないかと思います。