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2011.6.1~。大津波、宮古市、鍬ヶ崎復興計画。陸中宮古への硬派のオマージュ。
 藤田幸右 管理人

再審決定。防潮堤陳情

2014年09月20日 | 鍬ヶ崎の防潮堤を考える会

「鍬ヶ崎の防潮堤を考える会」(準備会)として宮古市議会に提出していた鍬ヶ崎防潮堤についての陳情「宮古市、岩手県は鍬ヶ崎防潮堤計画について地区住民に十分な説明を行うこと」が受理され9月定例議会の9月25日に建設常任委員会において審査される運びになった。

これは同じ趣旨のものが同議会6月定例議会において審査されたが、宮古市建設課職員の証言が誤解される等して、不採択にされた案件であった。その後同準備会の懸命の調査により正しい情報が整い、又、同議会議会運営委員会の中立不偏の議論をへて再審査の形での審査が決まったものである。準備会は25日の建設委員会に出席して陳情内容のくわしい説明を行わなければならない。


防潮堤の陳情、再審査が決定

宮古市議会に、鍬ヶ崎防潮堤についてくわしい説明を求める陳情

 

再審査のアドバンテージはあるが、何よりも陳情の本意、つまり鍬ヶ崎防潮堤について、実行者の宮古市、岩手県の、宮古市民に対する説明が依然として不十分である事を述べなければならないであろう。すでに山田町ではその巨大な部材が野積みされているというが直立式(逆T字型)防潮堤とは? というハード問題から始まると思う。山田町民はともかく、宮古市民には誰一人直立式(逆T字型)という事の形態なり構造を知っている人はいないのである。驚くべき事にこの工法の建設前例があるか、安全性や効果の検証は十分なのか等宮古市の担当部局の職員でもほとんど応える事が出来ないで、無知のまま平気でいる。しかしそのようなハード面の説明も急がれるが、同時に、地元の景観や住民の心象について、地場産業の漁業に及ぼす影響、又津波防災対策としての効果など、ソフト的根本的なところにも言及せざるを得ない。防潮堤という巨大構築物が小さな集落を囲んで建設されるという事は海と陸(おか)の自然や生業を完全に分断するという事、地場の産業や人的集散にも傷跡を残し、ひいては集落衰退の原因にもなりかねない。

 

注)宮古市はこのようなところに岩手県とともに並記されて防潮堤の説明責任を問われる事をいやがる。防潮堤は岩手県の案件だからと…。しかし、もはやそのような事は言ってはいられないだろう。鍬ヶ崎防潮堤にみる通り宮古市民が何らの説明がなく巨大建築物がにわかに庭先に現れる不満、不安、恐怖とも言ってよい感情の渦の中にあるのである。住民は行政を選んでいない、岩手県が説明責任を放棄するのも宮古市が口を開かないのも、同じ事だと見ている。宮古市には説明責任があると同時に、市民と同じ立ち位置をもって、国や岩手県に物を言うものでなければならないだろう。基本に戻って考えてほしいものだ。その意味で宮古市議会についても立場は同じである。まず市議会は市民の立場に立つ事を期待したい。市民の利益の立場だけでなく、不利益の立場にも、一緒に立って頂きたい。

 

☆ 

 先きの宮古市議会6月定例会では「鍬ヶ崎の防潮堤を考える会」のもう一つの案件「閉伊川水門についてくわしい説明を求める」陳情がいち早く、満場一致で採択されており、さっそく宮古土木センター(岩手県)と宮古市の共催で説明会が開催されている。内容についてはここでは触れないが、宮古市民の閉伊川水門に対する関心がぐっと高まったと言える。

閉伊川水門説明会(2014.8.6 宮古市役所6階)写真=F.K子さん

 

 

[関連記事] 閉伊川水門の説明会、岩手県

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コメント (3)
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