さまよう日本の「再生可能エネルギー」
多様化する過度期の世界のエネルギー
▼「焦り(あせり)」と「自信のなさ」の日本の風力、太陽光発電
COPマフィアの怪しげな地球温暖化のキャンペーンに乗って安倍政権後一晩で(あっという間に)管政権下の日本国是になって岸田政権に引き継がれた「50年CO2排出ゼロ」「カーボンニュートラル」は根拠もコンセンサスもない非現実的な掛け声だけの政策であった。再生可能エネルギーは始まったばかりでもう風前の灯(ともしび)だ。
エネルギーのメインフレームを原子力発電から再生可能エネルギーへ直接的に移行させようとするシナリオは、福島原発事故、廃炉、廃棄物処理が行き詰まりの段階であまりにイージーな政策であった。可能ならめでたいことであったが根拠薄弱の命運のまま今「焦り」と「自信のなさ」が全国で露呈している。拙速に過ぎた。
いきなり海や山、農地や宅地を買いあさり重機でならし自然と生活環境を破壊するやり方は瑞穂の国全国の地方によって住民から反発を食らっている。脱原発、脱炭素、今や再エネのための「環境アセスメント」法律さえ、実効性に乏しい掛け声に過ぎないと見抜かれている。FIT制度はボロボロ、太陽光パネルはゴミになり、風車メーカーは撤退を始める有様だ。
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日本経済新聞(2022.11.12)
▼ 日経など主催第24回日経フォーラム「世界経営者会議」にてアラビア国営石油会社サウジアラムコアミン・ナセル社長(CEO)が主張するエネルギー論
フォーラム主催者の日本経済新聞社は先頭に立って「再エネ」の論陣を張ったままで(そのために)、世界の多様なエネルギーの潮流を記事としてまとめる事ができないでいる。地下資源立国のアラブの国々は今ただひたすらに自国の脱石油、ブルー水素革命を世界に向かって強調している。そして石油・天然ガスの利・活用戦略のための増産投資の呼びかけを忘れない。「エネルギーの安定供給とカーボンニュートラルは両立できる」と記事の赤線 の通り、地下資源そのものの低炭素化と、そして燃焼で発生するCO2の回収、貯蔵、貯留を訴えている。当然CO2ガスと炭素そのものの再資源化、利活用もある──。
技術的に最先端を行くこのCO2 処理ならびに資源活用を日本で開催されるフォーラムで強調発言することは理にかなっているが、しかし、その本気度なり勝算、フィジビリティ(可能性)計算は世界中が測りかねている…。しかしながらその国においてであろうと日本であろうと、問題提起は重く受け止め、早速始動させなければならない案件であることには間違いない。日本においても「石炭」採掘はすでに過去のものとして忘れ去られようとしているが、誰も火力発電の事を忘れることはない、不安定な再エネを抜いて依然として電力エネルギー稼働のトップランナーなのだ。日本国民の意識はアラブの経営トップと同じレベルにある。投資と英知、技術力をもって、このエネルギー問題の過度期を呼びかけるべきである。上っ面の掛け声(再生可能エネルギー)だけで実用的かつ現実的なエネルギー転換が進むものではない。
サウジ、オマーンなどアラブ諸国は熱病のように「水素経済の主役をめざす」としているが過去の実感からすると、こちらも、そう軽々に同意できるものではない。しかし、世界的には水素経済、水素文化は、「カーボンゼロ」「ブルーカーボン」「グリーンカーボン」等を経て「ブルー水素」「グレー水素」「グリーン水素」を経て、着実に進んでいる。再びアラブが主役になることもあろう。
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▼ エジプトのCOP27で脱炭素技術をPR
日本経済新聞(2022.11.17)
※ 新聞記事見出しから──。大小、多業、多種、様々。再エネ一本調子の日本経済新聞等の問題意識を超えて世界中は新たなエネルギーの模索段階に入っている。
・天然ガスからブルー水素 「牛が人口の4倍」豊富町で
・核融合実験炉、77%完成 25年初期稼働、安保追い風 ITER機構長
・石炭火力のCO2、燃料に 広島に産学官の研究拠点 コスト削減が課題
・挑む 汚染水凍らせ放射性物質分離 トリチウム海洋放出、技術で問題提起 北海道
・釧路の海藻でCO2吸収 ブルーカーボン、水産振興も 再生 エアウォーター
・脱炭素の効果は?道内で実験 鉄鋼スラグで海藻類再生 日本製鉄 増毛、泊など4カ所
製造業、低炭素鋼に触手 移行の現実解「薄茶色」※薄茶色=グリーン鋼一歩前
アンモニア燃料最大級の輸送船 JERAと海運2社検討
火力発電の脱炭素に活用
ゲイツ氏の脱炭素ファンド 三井住友信託銀が出資
プラ生産、植物のみ原料 南米化学大手、日本で初
水素事業、年1000億円規模へ 旭化成社長 工藤幸四郎氏 「世界経営者会議」
ネットゼロへ 産業を多角化 アラブ首長国連邦(UAE)日経特集広告
水素戦略、気づけば周回遅れ 調達コスト、米国の2倍越えも
グリーン水素、欧州で拡大 三菱商事 中西社長
東京ガス、米でメタン対策 シェール生産現場 漏れ防止、罰金かで
水素・アンモニア 15年間企業補助 経産相、供給網を構築
水素売上高、10倍以上に 岩谷産業 30年度に2000億円規模
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▼ G20のバリ島でグリーンカーボンをアピール
日本経済新聞(2022.11.17)
[関連記事] Irrecoverable Carbon とは? 2022.10.12