宮古on Web「宮古伝言板」後のコーケやんブログ

2011.6.1~。大津波、宮古市、鍬ヶ崎復興計画。陸中宮古への硬派のオマージュ。
 藤田幸右 管理人

倒壊やぐらの残骸

2014年09月11日 | 写真

 本年5月29日に宮古港日立浜で起こった人身事故。その時のやぐらの残骸が日立浜の岸壁にながいあいだ放置されている。

これは鍬ヶ崎の防潮堤建設計画の一環で岩手県沿岸広域振興局宮古土木センターが実施している海底地質調査のためのボーリング用やぐらで、当時3名の作業員の方が作業中にやぐらが倒れ海に投げ出された。1名が亡くなっている。海をあまく見た発注者の責任の問われる人災であった。

黄色の虎ロープに海上保安庁の文字も見えるので、現在も現場保全、証拠保全のための処置であろうが放置があまりに無神経で期間が長過ぎないかと思う。県は、保安庁とは別に、何よりも原因究明、責任問題を急ぐべきだ。遺族はもちろん、作業員の方、また地元住民に問題点の全貌を明示するべきである。謝罪、補償問題、計画の見直し、今後の予定…



 

4メートル四方の作業場床(ゆか)面(2014.8 藤田登氏撮影)


 

床面裏。高さ5m、海面から2mだったと言う。

 

 

[関連記事] 連続する不祥事=鍬ヶ崎(1)2014.5.30   ~(2)2014.6.8

 

 ☆ 

それにしても海上、海底上に立てるやぐらにしては足腰があまりにも粗末・杜撰に見える。新聞記事等で沖縄県名護市辺野古沖の海上基地の地質調査を見たことがあると思うが、防潮堤建設予定地の地上地下・海底地下のボーリング調査も同じような規模になるわけで、当然ながら本格的、大規模である。くらべる事も恥ずかしいが、こんなもの一気に、  平穏な湾内で調査船がひっくり返るような事を繰り返しているのでは鍬ヶ崎防潮堤は永久に盛岡官僚の子供のころの砂浜遊びの夢のままである ~⁂#≠‥‥ 

と言うより、防潮堤建設とは、そのあるべき強さ一つをとってみても、飛行場基地に勝るとも劣らない規模なのである。津波の衝撃力に抗しようとする地上地下、海底地下の地質調査はその強さを保障する科学的資料となる。特に直立式の場合は鋼管杭(こうかんこう=くい)を支える地下地盤の状態によっては防潮堤は、部分的であれ、簡単にひっくり返る。部分は全体に波及する…。県庁の津波の認識は、神明に誓って言うが、あまりにもレベルが低すぎる。とても責任をもって防潮堤を設計・管理する能力はない。宮古市長と同じ、防潮堤と水門で宮古湾を津波を入れるおけ(市長)に例えるイメージなのである。おけに深さ10.4mで貯まった海水はやがて退(ひ)けて行くだろう、と…。津波はおろか、潮の干満、波の力や海水の動き、潮の動き、一言では海について何も知らないのだ。防潮堤をただ内陸部の河川堤防や貯水ダム建設の経験からアナロジー(類推)的に考えているレベルなのである。ある程度の高さがあれば津波は退けて行く、と。あますぎる。危険すぎる。間違っている。倒壊したやぐらの意味も分かっていない…

と言うより、防潮堤は、軍事基地とは違って、即、地元の住民の命や健康、コミュニティ、日常の生活や生業、産業に影響する。防潮堤そのものを議論するより、その方が身近かで大事である。これから誰もが真剣に議論するべき課題であるように思う。

 

 

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする