宮古on Web「宮古伝言板」後のコーケやんブログ

2011.6.1~。大津波、宮古市、鍬ヶ崎復興計画。陸中宮古への硬派のオマージュ。
 藤田幸右 管理人

織笠川水門工事現場にて

2018年04月25日 | 宮古閉伊川水門

山田町・織笠川 河口水門を訪ねて

 

宮古の工事中の閉伊川水門が津波のためは知っていましたが、まさか、山田の織笠川はという気持ちでうっかりしていたのです。

土木センターの役人や工事現場の業者の人は
工事工法や資材の事についてはよくよく説明

していた。工事の水はきれいにして戻す。あ
さり祭りも出来る。サケの遡上のときは工事
を中止する。爆音をセーブして杭を打ってい
る。等々 ── しかし水門の目的や水門効果
ときはこの写真から消えていた。           
                                                   (2018.3.30)

 

工事現場で私が質問した事に土木センターや土木業者の方は短く「津波対策」と答えました。「ところで水門は何のために造っているのですか?」が質問でした。水門の本当の目的などを聞いた訳です…

 

 のどかな山田湾と織笠川のたたずまいの中で、少しぼんやりして、織笠川水門が津波防災のためだけのものとは思っていなくて、ほかに、洪水対策だとか、水道水、農業用水の取水だとかのためだろうと漠然と信じ込んでいたのでした。

 

外国などの平野にある運河の水位をかえる水門や川の流れを変える水門。高潮や洪水対策としての水門。農業潅水用や水道水の取水・分水などの水門がありますがそのイメージがありました。いずれも、のどかな田舎や平野のすみの方にあります。ネットで「水門」を検索してみてください。全部それです。

 

有益な水門にまぎれ込んでいる悪い水門

 

同じ「水門」の言葉を使うのはほとんど詐欺ですね。少なくとも山田町民や宮古市民には水門を津波のための水門に絞りきれていない人がまだ多いと思います。私もその口でした。海、山、川の民として「水門」という言葉から受ける、なにか有益な、自然にやさしい施設だろうな、と。

しかし、やはり無益な、反自然の施設だとおもい知らされた次第です。

 

 問題は、佳き水門にまざって良い子ぶる事で、目立たないように有益水門のふりをして、一方の町民市民の間でも、(経済負担もないし)苦にも薬にもならないからしょうがないねー、そだねー、と思われている。町議会でも、市議会でも、国政でも取り上げられず、なんの役にも立っていない、のが、かえって抵抗なく予算をつけやすいという事です。

検証とか、調べるとか、考えるという事がないから政・官・業、合同で静かにおれおれ詐欺をはたらいている。誰かの言葉を借りれば「煩わしくなくサクッと儲かっている」と言わざるを得ません。

 

本当は悪いやつでなかったか?織笠川水門

 

河川は、織笠川も、関口川も太古の昔からそうだと思いますが、宮古の閉伊川、津軽石川も、それぞれ密閉的な山田湾、宮古湾に入ってきた渦巻く津波の逃げ場所だったと思います。人口密集地の襲撃を少しでも減らすために津波はそれぞれの川を抵抗無く遡上したのだと思います。行き場のない破壊のエネルギー放出を川が引き受けてくれたといえます。「津波を川に逃がす」このような見解をとる有識者が多い事はよく知られています。

なぜ河口を塞(ふさ)ぐのでしょうか?!

 

 関口川水門工事、織笠川水門工事ではすでにアサリ漁、というよりアサリの生息そのものに影響が出ています。遡上サケ、放流サケにはいろいろな気配り対策をしていますがおざなりの形ばかりのように思えます。原因を明らかにしていませんがカキの貝毒発生も工事の最速の影響だと思います。漁業資源については特に力強い持続可能対策が急がれます。町民総員で考えましょう。漁業者だけの問題ではありません。

 

そして織笠川の生態系は、アサリ、サケ、カキだけではありません、藻類や昆虫や鳥、動植物、水脈など川の流れそもそもが生物生育の揺りかごです。さらに川すじ蛇行や地下地層、地下水流、川岸、川淵、土手、淀み、すべての自然が絡み合っての生態系、生き物の繁栄なのだと思います。それは、山田湾、太平洋とつながっているのです。振り返れば山や森、北上山系につながります。地元の人はその事をよく知っていると思います。

 

海と川の汽水域を見ただけで分かります。織笠川の生態系は繊細な微妙なバランスで出来ているのです。津波の遡上で生物の命は一掃されたように見えますが調べてみると全ての生物が生きて再生しています。津波も自然だから共生してその点の心配はないようです。人間もそこで生き、生かされていましたが…。山田湾の生物は織笠川に限りませんが川や地下水から水を貰い養分を貰いミネラルを貰って生育しています。

 なぜ水門を造るのでしょう?!?! 

 

何万トンのコンクリートも何千本の鋼管杭も自然のものではありません。工事は、工事の掘削も打設も、薬品も…究極の完成品の水門はどこからみても反自然のものです。限度もなく、理由づけも無い反自然の建造物だと思います。大きな視点では津波は自然だから心配はありませんが水門や水門工事は自然でないので直接破壊的だと思います。自然の川床がなぜ鉄筋コンクリートの川床になるのか説明を求めるものです。

 

 


☆☆

<参 考>

岩手県・宮古土木センターが山田町各戸に配ったPR「かわらばん」 。

注目すべき事は、この中には「工事の進捗」「地鎮祭」「液状化」」等の工事の説明はあっても、「水門の目的」「水門の効果」「水門の影響」など本当に町民が知りたい事の説明がまったく無い事です。「津波」いう文字も一カ所だけです(ウォリーをさがせ)。

 

(2016.5.1) 

 

(2016.9.1)

 

(2017.3.1) 

<参考>はここまで

(配布はつづく?)

追加2点 2018.5.26

 

(2017.8.31)

 

現地看板正面図(絶対意味が分からない図面)

他略

 

 

 

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