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2011.6.1~。大津波、宮古市、鍬ヶ崎復興計画。陸中宮古への硬派のオマージュ。
 藤田幸右 管理人

「水門」ではないが同じ閉伊川問題である

2014年09月07日 | どうなる復興計画

新丸ビル電力に宮古の木質バイオ 復興支援で導入

 岩手日報紙面 平成26年8月31日
(写真はブログ<閉伊川ワカサギ博士の何でも相談室>より)


 【東京支社】残暑で電力使用量が高く推移する首都圏。三菱地所(東京都千代田区、杉山博孝社長)が所有する東京駅前の「新丸ビル」では、ピークとなる日中の電力を第三セクター・ウッティかわい(宮古市川井、沢田令代表取締役)の木質バイオマス発電が支えている。製材などを手掛ける同社は、復興関連事業で県内の木材を活用したチップを燃料にしたバイオマス発電所を建設。電力情報業エナリス(同区、池田元英社長)が間に入って電力を購入する形で三菱地所が導入した。東京を象徴するオフィスビルの新たな被災地支援の一環としても注目される。

 供給の仕組みは▽エナリスの子会社で特定規模電気事業者(新電力)の岩手ウッドパワー(宮古市)がウッティかわいなど3社から再生可能エネルギーを購入▽エナリスが岩手ウッドパワーと東京電力の双方から電力を購入(部分供給)▽新丸ビルはエナリスと契約―という流れだ。

 三菱地所広報部は「岩手のエネルギーを使うことで復興支援を強く意識した」と説明。日中に使うウッティかわいの電力は全体の約3割を占めている。

 ウッティかわいの沢田甲子・区界発電所長は「こういう形で東京と結ぶビジネスができれば、今後の地方の可能性を見いだせる。復興支援の面でも気に掛けてもらえることは非常にありがたい」と意義を語る。(web 日報 2014.8.31)


 
☆ 
 
 
廃液の一滴も閉伊川に流してはならない
 

 8月31日の岩手日報の一面は「─宮古の木質バイオ、復興支援で導入」の見出しが他を圧した。しっかりとしたポジティブな記事にしているけれども、地方が「東京に電気を送る」代償についても書いてほしかった。福島原発が結局そうであった。当然にも負の領域が存在する。閉伊川上流のまたその支流の命の森の広がりの中の発電・送電の予想される汚染と破壊の広がりは想像を越えて大きいはずである。バイオ用の木材の恣意的伐採が洪水や崖崩れの原因の一丁目一番地である事は現代人ならすでに想像する事が出来る。
 

 発電所を動かす大量の木材資源・水資源、廃棄物の垂れ流し、各種化学薬品の使用とそのゴミ、潤滑油脂類も同様、エンジンオイル、バイオごみ(糞尿等)、道路作りや勝手な入山、建物作り、プラント、送電設備、すでに自然破壊は始まっている。これからも猛威を振るう事であろう。選りも選んだり、わが北上山系の、閉伊川水系の神聖地帯。地元民すら遠慮して土足しないところ。あらゆる生命の原始源泉地帯に排出余剰物が不断に投棄され浸透する危険性を想像する事でなければならない。気がついて閉伊川の清流が濁り、洪水が頻発、宮古で水道水が飲めず、川にさけや鮎の遡上が途絶え、淡水魚がいなくなり、淡水植物が光合成をやめる事態がすぐそこに見える。そうなる前に、中止なり修正動議の危険予測は早めた方がよい。福島県はすでに手遅れだった。


 誇るべき大自然であるほどに、岩手県の山脈も河川も人間の(特にマンモス都会の)都合を受け入れたら、そのマイナス方向への変化は激しく早い。自然の活用は厳密かつ繊細な制御のもとに、という常識は通用しない。というより、もっと強烈に、はば広い地元民のコンセンサス(議論)のもとでしか何もするな と言いたい。
 

 この問題。門馬、ウッティ、宮古市、岩手県の問題は前から煮え切らず、もやもやするものがあったが「東京に送電」という日報の記事でまず分かった! ここに来て環境アセスメント、情報公開、公害協定、バイオマス発電の実態を行政(岩手県、宮古市)はまず市民に明らかにするべきである。地方から中央に電気を送る事の正負のバランスシートを示すべきなのだ。政治家のままごとで岩手県の大きなふるさとが今大きくバランスを崩そうとしている。失政では? と誰もが疑念をもってほしい。その疑念の継続は市民、県民の義務でさえある。
 

 中央に緑の山河を吸い取られて日々醜く裸になって行く地方のいいふりこきであってはならない。これから先行予測的に危険回避のコンセンサスをとって行かなければならないだろう。「廃液の一滴も閉伊川に流してはならない」それがスローガンである。そのためにこそ役所に無条件の情報公開を要求する。あせる事はないが、そこから手をつけなければならないからだ。



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