宮古on Web「宮古伝言板」後のコーケやんブログ

2011.6.1~。大津波、宮古市、鍬ヶ崎復興計画。陸中宮古への硬派のオマージュ。
 藤田幸右 管理人

鍬ヶ崎の住宅問題(4)鍬ヶ崎土地の買い取りとは?

2013年01月16日 | どうなる鍬ヶ崎

昨12月19日、宮古市から鍬ヶ崎地区の「復興まちづくり」計画に関する説明会があった。不在地権者の一人である私のところにも報告の封書は届いたのであるが説明会の様子はなにひとつ分からない…



違和感のある「土地の買い取り」

12/19の報告書は昨年のうちに鍬ヶ崎の住民、土地所有者に配られたはずである。私は同封されてある「土地の買取り」の書類に違和感を覚えた。宮古市長への土地の買い取り「申出書」のほか、土地買取りの条件や段取り・手続きがことこまかくあった。買い取りを希望する人は、1月31日までに同封封筒にて返送とある。

違和感の第一はすでに土地の買い取りが取り沙汰されている点であるが、同時にこの申出書提出時点で「申出に際しては、市から通知される契約予定額による契約の締結に同意します」と、買い取り希望の私側の土地の記入が、意向調査ではなく、そのまま宮古市との契約締結の形になっているという事である。価格は後追いで市から通知されるという。こんな馬鹿な契約というものがあるのであろうか? なにを焦っているのか…

その後、申出書を取りまとめて今年25年2月下旬以降に市から買い取りの「可否通知を」をするそうだ。契約すると言っていながら一方的に市の側だけが可否判断をする契約とは? 可否の基準は示されておらず、この可否通知の時点で初めて予定価格が示されるというめちやくちゃぶり! 当然そのような契約というのはないのだからキャンセルできる。試しに申出書を提出してみるのもよいのでは…。後々の固定資産税をいわれ、値下がりをいわれるであろうが…



UR都市機構に振り回される宮古市

「復興まちづくり」の説明会といいながら、意気込んで市が行ったのは、被災土地の買い取りの説明で、中味はこのような意味のないものであった。鍬ヶ崎の住人は、家を津波で流されて土地は役場に買われるのか? 市は本気で住民から申出があると考えているのだろうか? また、この際だから鍬ヶ崎の被災住宅地を市に買ってもらいたい。出来れば高値のうちに売り抜けたいと考えていた人すらこれでは躊躇するであろう。

 2011年8月の鍬ヶ崎
(2011.10.1 日本経済新聞)


もしかして価格はすでに決まっていてみんな知っているのか? いや一部の人にだけに知らせているのか? 住民の中には可否の基準ならぬ可否そのものを知らされている人もいるのかもしれない…

以上のようなちぐはぐな買い取り詮索、疑心暗鬼。これは宮古市とUR都市機構との不正な、また不十分調整による談合に起因するのである。前のコンサルタントの市のマネジメントもそうであったが、宮古市はUR都市機構に振り回されている。そもそも鍬ヶ崎の復興をどのような内容で宮古市はUR都市機構と契約したのか? その実行のプロセスの調整がどのように進んでいるのか? 

タテの関係でいうと、市長・副市長と幹部職員、一般職員の理解の温度差が複雑に存在する。はっきりいって上意下達の越えられない齟齬がみえる。ヨコの関係では、大きく言って宮古市とUR都市機構の間には鍬ヶ崎の復興をベースにした真剣な取り決めはなく、利害を持ち寄っただけの取り引きがあるだけだ。

──このようなことでは最終的には、例のコンサルタントの時と同様に、現地住民と市の一般職員が尻拭いをして、ゼロからの二度手間で始めなければならないような事になる。

 

 
 
 

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コメント (1)
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